巳年にちなんで道成寺行ってみた
毎年初詣とは別にその年の干支にちなんだお寺又は神社に詣でているのですが、今年は蛇にまつわる伝説が伝わるお寺。道成寺に行ってみました。
お参りの動機づけ
古くから伝わる日本の文化に深く根差している存在の神社、仏閣には干支にちなんだ動物との繋がりがある所があります。去年は「龍」にちなんだ(と思っていた)お不動様をお祀りしているお寺によく詣でていました。
が、お不動さまを守り本尊とするのは「酉」で、「龍」そして「巳」の守り本尊はともに普賢菩薩さまなのだそうです。何となくお不動様は龍と繋がりがある神様に思っていたのですがどうやら違うようですね。
ならば普賢菩薩さまをお祀りしている所へ行けば・・・となる訳ですが、普賢菩薩さまは釈迦如来の脇侍となる場合がほとんどでご本尊としてお祀りしている所はあまりないようです。
とは言え、干支にかかわらず蛇をお祀りしていたり、神様のお使いとしてお祀りしているところ - 岩國白蛇神社や蛇窪神社などのような所があるのでそういったところへお参りすればいいのでしょう。多分。
安珍・清姫伝説のお寺
で、蛇つながりがあるお寺。道成寺に行ってみることしにしました。
道成寺に伝わる蛇にまつわるお話 - 安珍・清姫伝説については詳細は知らなくても名前だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
どういったお話だったのか。簡単にまとめると次の通りになります。
昔々、熊野詣のため、紀伊国(現在の和歌山)を訪れた安珍という大変美形の修行僧がいたが、この安珍にに一目ぼれしてしまった清姫。しかし修行僧の身である安珍は清姫の情熱的な言葉にもいい加減な返答でごまかしてそのまま立ち去ってしまう。
「裏切られた」と激怒した清姫は逃げる安珍を追いかけるがその過程で憤怒の炎を吐く大蛇の姿に変化してしまう。
恐れおののく安珍は道成寺の釣鐘の中に身を隠してやり過ごそうとするが、清姫は釣鐘ごと安珍に巻き付いて怒りの炎で安珍だけではなく自らの身も焼き尽くして果ててしまう。
境内の縁起堂ではこの伝説について、住職が分かりやすく説明してくれます。また昔から歌舞伎や浄瑠璃の演目して取り上げられてきたてことについても解説してくれますのでお参りした際には是非ともお聞きになることお勧めします。
今でも普通に起きそうで、実は起きないエピソード?
このお話。女性に適当なことを言ってたぶらかすと後でひどい目にあうからいい加減な事を言わないように。間違ってもカネ(鐘→金)で解決しようなどとは思わないように。という言葉で住職は締めておられて、いちいちごもっともと思ったわけですが、道成寺そのものは奈良時代に創建されていて安珍・清姫伝説はその200年後 - 平安時代に起きた出来事だとされているそうです。
お寺に伝わる話としてものすごく俗っぽい話で、今から1000年ほども前というかなり昔から伝えられているとは思えない話です。シチュエーションとして今でも普通にあり得る話だと思えるし、何なら男女の立場が入れ替わってもそう違和感はなさそうです。
伝説では清姫は自分の住んでいた現在の田辺市付近から道成寺のある日高川町までおよそ60kmもの距離を走って追いかけた。しかも途中の日高川も泳いで渡ったというのですが、一人の女性にそこまでさせるほどのイイ男が今どきいる?という住職の言葉に現代では逆にこういう事件は起きにくいのかも知れない。とも思いました。