何台カメラ持ってくの?
昔のプロの写真家は同じカメラに同じレンズを装備したカメラを複数台。最低2台用意し、一台のカメラのフィルムを撮り切ったら、すぐさま2台めのカメラに持ち替えて撮り続ける。という撮り方で写真を撮っていたそうです。
使いたいレンズが複数ある場合、レンズも複数台用意します。そうして大量のカメラとフィルムを助手に持たせて自分はひたすらシャッターを切り続け、その後からついていく助手は彼を追いかけながら必死に撮り終わったカメラのフィルムを新しいものに入れ替える。という作業に忙殺されていたのだそうです。一枚のメモリーカードで何百枚でも撮れる現在では想像もできない世界ですが、有名な写真家の元に弟子入りするとそういった扱いを受けたらしいです。
一眼では「撮れなかった」を防ぐため
こういった昔のプロの方とは理由は違いますが、自分もカメラを持って外出する場合、複数台のカメラを持っていきます。
外出先で咄嗟に目についた物に対してシャッターを切るスマホカメラも含めればいつでも最低2台は持ってきている。と言えますが、そういう咄嗟にシャッターを切る時のためにスマホカメラだけでなく、古いコンデジも持っていくことが少なくありません。
画質的には実はスマホカメラの方が優れていると思います。にもかかわらずコンデジを持って行く理由は「ズームしたい」という大きな理由があるからです。
一眼レフのような大きなカメラで写真を撮り続けていると、どうしても写真を撮るときの「作法」が身についてしまうものです。スマホカメラはフルサイズ換算だと28mmどころではない超広角レンズになりますが、咄嗟にシャッターを切る局面であっても「もっと望遠側に変更して撮りたい所だけ切り取りたい」と思う事は少なくないのです。
手持ちのコンデジは古いものばかりで夜などの悪条件下の撮影では使えない機種ばかりですが、コンデジで撮影できる余地がある場合はコンデジで撮っている事もよくあり、あまりかさばらないこともあって使わないかも知れないと思いつつ結局ポケットに突っ込んで持ってきている。(そしてやっぱり使わなかった)となることが多いです。
レンズを付け替えるより早い!
一眼レフを2台用意して、持って行く場合もあります。この場合は大抵の場合、使いたいレンズが一つあり - (APS-C)50mm単焦点とか、「今日はこれで撮ろう」と思っているレンズを装備したメインのカメラ1台と、そのレンズではカバーできない画角を担当する18-200mmなどの高倍率ズームレンズを装備したサブカメラという組み合わせです。
そういう組み合わせになっている理由は先ほどのスマホカメラとコンデジの組み合わせと同じで咄嗟にシャッターを切りたい場合、レンズを付け替えるより、2台めのカメラに持ち替えた方が早いからです。
撮る相手が花とか建物とか動かないものなのにそんなに咄嗟の瞬間なんてあるのか?と思うもう人もいるでしょうが花を撮るような場合でもいい具合に日光が差してきて、いちいちレンズを付け替えるとか、構図を作れる場所まで移動するような時間はない。という場面は意外と多いのです。
他にも花を取るつもりでいたけど、たまたま蜂や蝶が花にとまった。という場合に例えば50mmで思っているようなフレーミングをするために近づいていったら逃げられた。という事が一度や二度ではなかった経験から、咄嗟に虫が止まった写真を撮るには遠距離からズームで撮るに限ると思っているので、野鳥撮りの人のように(そこまで超大型の望遠レンズは必要ないですが)イザとなったら何時でも望遠で撮れるカメラを常にスタンバイしておきたい。という事なのです。
単純に何台もカメラを使うのが楽しい!というのが本音だったり・・・
実は何台もカメラを持って行って同じ場所で、同じような構図でそれぞれのカメラで同じ写真を何枚も撮る。という事をやっていることが何度もあります。
色々ともっともらしい理屈をつけていても、実のところは沢山のカメラを使うのが楽しい。というのが本音だったりします。
そうやって同じものを色々なカメラで撮っていると一眼も決して万能ではないとか、コンデジやスマホカメラの意外な実力を身をもって体験できたりします。
一眼2台持ちというのは体力的にも筋鐘入りの人でないと難しいかも知れませんが、スマホカメラとコンデジの組み合わせは比較的ハードルが低いと思うのでカメラ好きな人は、ぜひ複数台のカメラで一つの写真を撮って遊んでみてください。