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10年前のカメラで十分な気がする

600万画素機メインの写真生活になってからあまり最新機種を見なくなっていたのですが、とあるきっかけで最新ミラーレスの情報を集めてみる機会がありました。高けぇ。今どきの最新ミラーレスってこんなに高いの?

いや、昔からプロ用の機種は高いものだったけど、今は一般向けの製品でも割と高価なんじゃないかと思います。

高価になった理由はまあ分かります。解像力やらAF精度やらがフィルム時代の一眼レフとは比べ物にならないレベルになっている。最大ISO感度が5万1200とか、3D動体予測AFとか。普通の人が普通の写真撮るためにここまでのカメラいる?というカメラになっています。


ビデオカメラと似てきたデジカメの構造

今日の高価なデジカメがその価格分の価値を発揮するのは実は動画撮影機能を使用した時ではないでしょうか。と言うのも写真を撮るカメラ・・・つまりスチールカメラの中で最高峰の性能を持つカメラが一眼レフだったものが現在はミラーレスカメラになったわけですが、この変化でより大きく性能が向上した部分は動画撮影の能力のように思います。

それが証拠に・・・はならないかも知れませんが、動画クリエイターの皆さんが動画コンテンツを作るのにスマホやアクションカムと並んでミラーレス一眼で撮影した素材を活用している例が多くあるようです。

そして一眼レフ・・・レンズと光学センサーの間に鏡を配置してファインダーに光を導く構造のカメラ・・・だったのが、鏡が取り払われてファインダーが電子式になったミラーレス一眼になったことでもともとファインダーが電子式だったビデオカメラに構造的に歩み寄る形になり、より動画撮影向きになりました。

600万画素機の写真

プロの写真家でも2000万画素あれば十分だ?

様々なプロの写真家の皆さんの話を聞いていると、カメラの進化に従って仕事・・・商用写真を撮る際の使い方を変化させてきたというのが分かります。

2000年から2002年ごろ。初めてデジタル一眼レフが600万画素機として登場したころ、新聞や雑誌内のカット写真などを撮影するのに使われていたようです。まだ写真の需要はもっぱら紙媒体で解像力的にA4までの大きさにした使えないと考えられていたようです。

2004年ごろ。800万画素のデジタル一眼が登場し始め、A3まで引き延ばしても実用に耐えると判定されるようになります。わずか200画素のアップで用紙サイズもA4からA3で大した進化ではないようも思えますが影響は大きく、雑誌の見開き写真。つまり2ページにわたる大きな写真を撮るのに使えるようになったそうです。

一年後の2005年ごろ。1200万画素のデジタル一眼が登場すると、トリミング・・・つまり不要だと思った部分を切り捨てても解像力的にも問題が出にくくなり、写真の素材はすべてデジタルに移行するようになったと言います。

その後、2008年ごろには光学センサーがフルサイズの2000万画素になっていきます。ここまでくると解像力はフィルムの限界を超え始めた。と感じるプロの写真家が多くいたようで撮影スタイルが変わっていった模様です。

つまり、プロが仕事で人物のポートレート写真などを撮る場合。まず多数のストロボを用意して大量の光を当てて撮影するそうですが、そんな大光量で写真を撮ると女性モデルなどを撮ると肌荒れまで写ってしまうほどになったので、あえてストロボを減らしたり、使わずに撮影したりして解像力を落として写真を撮ることがあったそうです。今だったらレタッチやアプリの美肌エフェクトなどを使うのでしょうが。

絞りを開放で撮った写真が増えてきたのも2000万画素機の登場以降であるようです。2000万画素未満の時代では絞り解放で撮るとどうしてもピンボケ写真のように見えるので、写真を撮る際にはしっかり絞って撮るべきものだったのです。

2400万画素機の写真

汎用化するカメラ

2010年ごろまで、カメラの進化とは即ち画総数だったと言っても過言ではなかったでしょう。解像力の向上が最大の問題だったわけです。

その後、ライブビューが登場したり、動画撮影能力が付加されたりしましたが「写真機」としての能力で言えば2010年以降のカメラならばどれであっても決定的な問題は無くなってきました。逆に言えば好みで選んでもよくなったわけですね。

ミラーレスの時代ではカメラは「写真機」として最適化された光学装置ではなくなったと言っていいでしょう。今の時代、一つの目的に特化した道具は極めて贅沢な存在だとも言えるし、現在の写真の使われ方を考えるとそんな単機能の存在は許されないのかも知れません。

しかし、そんな多機能なカメラで写真を撮ると何処かに「ついでに動画もとっておこう」なんていう雑念がわいてきてしまって「写真」を撮ることに集中できなくなっているこも知れない。と無駄な心配をしたりもしています。

もし、「写真」を撮ることに集中したいのならば10年以上前の2010年以降の一眼レフを使って見るのもいいかも知れません。画質的にも意外と悪いとは感じないと思います。

ミラーレス機の写真


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