ステロイドは一回でも使えば効果が続くの?
今日の動画はローレンス・シュワルツの2019年1月の論文とTCルオマのネット記事を参考に作成しております。use it or lose it これは英語の慣用句なのですが、例えばせっかく勉強して身に着けた知識であっても使わなければ失われてしまうという意味です。筋肉についてもやはりuse it or lose itはよく言われる事ですよね。でも実は筋肉についてはそれが完全にはあてはまらないのです。かんたんに言うと、これは一般的には「マッスルメモリー」と呼ばれているものの仕組みについての話になります。
マッスルメモリー
マッスルメモリーは筋トレをしていた人がしばらく休んでいて、筋量を失ったとしても、再開すれば筋トレをしていなかった人よりも早く筋肉を成長させることできるという事なのですが、それは一体どういう仕組みなのか。以前までは筋肉は使わなくなって縮小したり委縮したりすると、細胞核の数も減少すると思われていたのですが、筋繊維が減少しても細胞核は減らないという事がローレンス・シュワルツの2019年1月の論文により明らかになりました。これがマッスルメモリーの本当の正体です。若いうちに筋トレをして細胞核を増やしておけば、仕事や子育てがひと段落してから筋トレを再開するとそれまで一度も筋トレした事がない人にくらべて早く筋肉を付ける事ができるという事ですね。
ステロイドユーザーの場合
まさに筋トレは裏切らないという事になりますが、これはステロイドユーザーにも当てはまります。もちろんその他のPED「パフォーマンスエンハンシングドラッグ」のユーザーについても同じです。ステロイドやPEDを使って筋肉を大きくしたからと言っても、サイクルをやめてしまえば数年もすれば元に戻ってしまうと思われていましたが、それは全くの間違いです。一度でもステロイドを使用して筋肉を大きくした場合、その効果は細胞核の数が増えた事によりずっと続きます。勿論ステロイドの使用をやめれば、筋肉は縮んでしまいますが筋繊維が減少しても細胞核は減らないので、ステロイドを一度も使用していない人に比べて筋肥大において絶対的に有利な状況を永続的に維持できるという事です。
海外でのステロイド使用の状況
海外では、ステロイドやPEDを限界まで使ってナチュラルでは到底考えられないような体を作るボディービルダーを「ハードコアボディービルダー」と呼んだりします。IFBBプロの大会に出ているような選手はまさに「ハードコアボディービルダー」そのものなのですが、そんな「ハードコアボディービルダー」とは対照的にアメリカでは殆ど筋トレもせずにファッション感覚で薬を使うライトユーザーも日本の感覚では信じられないくらい沢山います。
例えば日本で高校生が、好奇心からお酒を飲んでみたり、たばこをすってみたりするような感覚でステロイド使います。また海外ではステロイドは、違法な薬物へのゲートウェイドラッグとしても認識されています。SNSやyoutubeで薬物で作ったからだを人気のグルメでも紹介するように披露し、フィジークなどの大会にでてトレーニングプログラムを売ったりするインチキトレーナーがアメリカでは流行っているようです。
日本でのステロイド使用の状況
アメリカと日本では、文化が違うので、ステロイドを使う感覚にも若干の違いがあるようですが、日本でもだんだんライトユーザーが増えてきているのを感じます。ちょっと前までは、フィジークやボディビルでプロを目指す本当に一部の人たちだけが極限の状態で使うものだったのが、そんなのはもう過去の話で、だれでも簡単に手を出すようになってしまいました。ライトユーザーの増加は、副作用による事故の増加に直接つながります。その結果昨年から本格的に厚生労働省が使用実態について調査を開始しました。アメリカでも大きな問題になっていますが日本でも薬物を使って体を作り、薬を抜いて大会にでるというのは、実際行われている非常に卑劣な行為です。いくら検査をしても見つかる事はありませんし、本人が使用を告白しない限りバレる事は絶対にありません。生涯ナチュラルで頑張っている競技選手にとっては本当に悔しくてたまらない事だと思います。なんでこんな事になってしまっているのか意味がわかりませんが、ステロイドユーザーの競技選手を擁護する人が少なからずいるのも紛れもない事実です。そう考えると使っている選手自体、何の罪悪感もないのかもしれません。というか、薬を抜いて大会に出るという行為から考えれば、そもそも罪悪感などあるはずもないですね。気になるのは薬がちゃんと抜けたかどうかだけでしょう。いずれにしても日本のほぼ全ての団体がアンチドーピングを掲げており、検査の有無にかかわらず、その使用は禁止されていますし、もし見つかれば選手はペナルティを受けます。
まとめ
私が考えるナチュラルにとって重要な事は自分のためにボディメイクを行い、自分のために筋トレをするという事です。誰から何を言われたとしても絶対に他人と比較してはいけません。もしかすると憧れの誰かを目標にすることですら間違っているのかもしれません。ただただ昨日の自分より今日の自分。今日の自分より1年後の自分がよりよく変わっている事だけを目標にすること以外に本当の事はないと思います。論文のリンクを貼っておきますので、興味のある方はぜひ読んでみてください
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