〈ラジオ#4前編〉メンバーシップ型雇用が主流な日本企業で、D&Iを進めるには?(ゲスト:小山健太さん)
みなさん、こんにちは!株式会社An-NahalのPRを担当しています、高橋明日香です。
昨年からひっそりと開始していたAn-Nahalのラジオ配信”アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所”ですが、新たなシリーズをもって再開することになりました🌻(パチパチパチ!)新シリーズはゲストをお呼びしての対談です!
ラジオ配信だけでなく、こちらのnoteでも内容のダイジェストをぎゅっとまとめていこうと思っておりますので、ぜひあわせてお楽しみいただけると嬉しいです。
アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所とは?
”アンナハルのダイバーシティ&インクルージョン研究所”は、“Diversity & Inclusion”をテーマに毎回さまざまな有識者、実務者、当事者をゲストにお呼びして、ゲストの取り組み内容や関連情報について対談するラジオ番組です。ホストは、An-Nahal代表の品川優が務めます。
▼ラジオはこちら▼
今回のゲスト:小山健太さん
さてさて、記念すべき新シリーズ第1回のゲストは、小山健太さんをお呼びしました!
小山健太さんは、東京経済大学 コミュニケーション学部で准教授を務めるかたわら、一般社団法人グローバルタレントデベロップメント協議会を先月7月に立ち上げ、海外出身人材が活躍できる組織作りをテーマに、研究と実践に取り組まれている方です。
これまでの研究内容や、そこから見えてきた日本企業における外国籍人材受け入れに関わる課題、解決に向けた仮説などを伺いました。
▼一般社団法人グローバルタレントデベロップメント協議会
配信内容ダイジェスト📢メンバーシップ型雇用が主流な日本企業で、D&Iを進めるには?
品川:まずは小山先生って何者?!というところを伺っていきたいと思います。簡単に自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか。
小山さん:みなさんこんにちは、小山健太と申します。東京経済大学 コミュニケーション学部で教員をしております。専門分野は組織心理学が広い意味での専門になります。キャリア心理学も専門です。
いまいちばん私自身が関心を持っている研究が、異文化マネジメントです。まさに日本企業で最近外国人材を採用するという会社が増えてきています。その採用した後の方が課題があると思っていまして、そういったところについて研究として取り組んでいます。
それと、7月に設立しました一般社団法人グローバルタレントデベロップメント協議会。研究していくなかで、具体的に取り組みとして改善していくべきことがあるなと感じて、研究だけではなくて、むしろ研究から見えてきたことをいかに実践につなげていくかということで、今回協議会を立ち上げました。
品川:今回、新シリーズ第1回のゲストとして小山さんにお声がけさせていただいたのも、やはり長年の研究から見えてきた課題、研究者として突き詰めていくという道もあったかと思うのですけれど、実際に社会を変えていこう、時流をつくっていこうという情熱を燃やされている方だなと思っていて。社団法人を立ち上げられたニュースも飛び込んできて、「ついに取り組まれるんだ!」と。どんなことをしようとしているのか、私も聞いてみたいなとおもってご連絡させていただきました。
いま異文化マネジメントが主だとお話しされていましたが、最初はすこし異なる研究領域から始められたかと思うのですが、そこを伺ってよろしいでしょうか。
小山さん:大学院で博士論文で取り組んでいたテーマは「若手社員のキャリア意識」についての研究だったんです。組織心理学とキャリア心理学、両方にまたがるようなテーマに取り組んでいたんですけれど、その時の課題意識は、キャリア心理学というのは基本的には、ジョブ型の雇用形態のなかでどうキャリアを形成していくかというのが研究の前提としてあり、ジョブ型の社会のなかで研究されてきたキャリア心理学というものがあります。
一方で、日本企業の雇用体系は、いわゆるメンバーシップ型です。ジョブを限定せずに、総合職とか事務職、技術職というような形でかなり大きなくくりで雇用契約を結ぶ雇用形態になっていますので、そのなかで自律的なキャリア意識を一人ひとりの社員が持つ、というのはどう考えればいいんだろうというのを理論的に検討したかったんです。
最近、自分のキャリアは自分で形成していきたい、という意識を持っている若手の方も多いと思うんですけど、そういう方たちがメンバーシップ型の組織の中でどうやって主体的にキャリア形成をしていけばいいのか?その方法は全くないのか?私はそうは思っていません。与えられた環境のなかで主体的にキャリアを開発していく、というのは十分理論的にも考えることができるんじゃないかなと思って、博士論文に取り組んでいました。
博士論文が落ち着いて、次にどういうテーマに取り組んでいこうかなと思ったときに、ちょうど大学院の研究室にアジア、あるいは世界各国から留学にきている仲間がいました。日本企業に就職したメンバーも何人かいたんですけど、かなり入社してから苦労しているという話を聞きまして。これは本人の問題というよりも、むしろ企業側の対応がダイバーシティ&インクルージョンの水準が低いなと感じたんですね。同時に、メンバーシップ型の組織だからこそのところもあるな、と思ったんです。
メンバーシップ型の組織は、新卒一括採用で若手を迎え入れて、長期間をかけて社員を育成していくっていう取り組みをしますので、そういう組織主導のキャリア形成の考え方のなかで、海外出身の方たちが主体的に働いていくっていうのを実現するっていうのは確かに難しいかもしれないな、と。でも諦めることもない、可能性があるのではと。
だとすれば、メンバーシップ型の組織のなかで海外出身人材がいきいき働けるような組織にする、あるいはキャリア開発ってどういう風に取り組めばいいのかというのを研究として取り組みたいと思って、今の研究テーマにたどり着きました。
▷この続きはラジオでお聴きください!
▼ラジオの中でご紹介したシンポジウムについて
ラジオのなかで言及のあったシンポジウムの詳細は下記からご確認ください。
AITDシンポジウム ―ダイバーシティ経営と海外出身人材のキャリア開発―
「海外出身人材の活躍を組織づくり・キャリア開発の視点で考える」
〇日 時:2021年 9月 15日(水)14:00 -16:45
〇方 法:ウェビナー(Zoomでのオンライン配信)
〇参加費:無料
〇主 催:一般社団法人グローバルタレントデベロップメント協議会
〇詳細および申込方法:下記イベントページをご参照ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?