悔しさを真っ直ぐ伝えられるから貴方は強く輝いている/一人暮らしで生まれた短歌70首

3年半暮らした部屋で生まれた短歌をなるべく作った順に並べてまとめてみようと思いました。短歌はこの一人暮らしの間に身につけられてよかったなあと思う習慣のうちの一つ。我が家の壁はビックリするくらい薄かった。けれど、わたしは作詞作曲をする人間なので、音楽を作りたいなとなった時、気軽に作業ができず、一人暮らしを始めて、まず第一にその壁にぶち当たりました。

実はわたしの一人暮らしってそもそもかなりネガティブな理由で始まった。実家を無理矢理飛び出し、祖母家で居候し、たったの2週間で家を決め、ドタバタとスタート。恋愛、家族関係、コロナ禍など、結構トラウマレベルのネガティブが重なりに重なった。それがまあまあ一段落した頃、思い出して時たま夜中に眠れなかったりした時に、教えてもらった本がたまたま歌集だったのだ。その歌集がとても良くて、教えてくれた人の優しさも半端なかったから、トラウマが見事に軽減した。

夜中、どうしようもなくなった時、音が出せないのなら短歌を作ればいい。そう、気づくことができたのでした。わたしは人と恋愛の話をすることが苦手だけど、詩とか短歌を通して、読んでくれた人となにかしら静かに通じ合えていたらいいなと思っています。

いつも味方で居てくれる貴方があまり傷つき過ぎずに毎日を程よく過ごせていますように！

【星屑の手紙】

1.朝ですね 気分が上がる音楽に不意に出会えて良い日な予感

2.検索だ”夜鳴くカラス”感じる不安、仲間に届け

3.あの時に出会えたことに意味があるヒト・モノ・コトよ

4.意味なんて後付けでしょう？いつだって都合が良すぎ！君は可愛い

5.”わからない”そうぼやいても変わらない 振り返らずに強く生きてね

6.ぬるま湯よ奪わないでよ体温を戻って来ないと悲しまないで

7.8時間 遠回りする意味になる鳥見るだけで続く幸せ

8.やって来た気付くと天井渇く喉歌い疲れと寒さの境地

9.「違います」そう言いたかった無理だけど君は知らない 嫌いな言葉

10.願いごと 実は全てが叶ってる 嘘みたいでしょ？檸檬のことよ

11.”離れない”こと願ってた気持ちすら風に吹かれて彷徨うハート

12.大切にできないことになっていた 知らないままで嫌にもなれず

13.気づいたら笑い方さえ新鮮で焦る心と流れる時間

14.問いかけの真意が読めず無理矢理に欠片を集め繋げてみたり

15.次の惑星(ほし)行けるとしたらきみの名を呼んでみたりもするんだろうな

16.変な間をお願いだから忘れてよ手繰り寄せるの下手くそだから

17.ぽつねんと在りたい心無にしてくきみに出会って僕は困った

18.決めきれず止まったトーク飛び越えて二日間を数分がゆく

19.日当たりの良き空間を特別に教えてみたい素直さを知る

20.優しさの筈に見えるが実際はどうだろうかと考えないで

21.寂しそう 夜中3時に目覚めてるその時にだけ朝には見えず

22.内包し、わからなくする言葉しか紡げなくなる君の前では

23.”こんなことあってたまるか！”常にそう強がっていたあの頃までは

24.自分しかやらないだろうぬるま湯を足し湯し元に戻すことなど

25.そんなことやっていたのは1番の友達だった世界は狭し

26.足りなくて足したりできる短歌って自由なのよね知らなかったわ

27.数稼ぎ 言い訳できぬバレてるか未熟なこと それは楽しい

28.”もう終わり”そう決めたのよ任せずに自分の色を持つということ

29.月終わり色んな人のハイライト貴方の目線こんなだったの？

30.”なんで今起きているの？”と訊ねたい深淵覗くみたいな話

31.ぽわぽわとしてる世界で立ってたの？視線が合うとときめいたのに

32.指し示すきみとはきみのことだから思う存分照れたらいいよ

【光を覗く】

33.ネガティブを書き込む人は絶対にしぶとく生きると知っている

34.好きな曲 埋もれないよう入れ替えるプレイリストの一番最初

35.元気ならそれで良いのと思ってる 返すくらいの気持ちで居る夜

36.髪を切り、「切らせてほしい」と声がくる真似ができない褒め言葉だな

37.それは駄目！あれ、自分にも言っている…だから、ほんとは私も狡い

38.どこまでも遠くを見てる寂しさを勝手に感じて無理矢理眠る

39.かけがえのないものだから小さくて気付く頃にはCMは明ける

40.心から透明な色塗るみたく「いいね」ボタンは素直に押すよ

41.後悔と感じないよういたいから改善すべき点を見つめる

42.週末は見ないと決めた筈なのになかなかそうは上手くは行かぬ

43.時が経ち黄金色に姿変え心を照らす飲み物になる

44.知らせたくなったりもする今だけど映らないから良いのかしらね？

45.詩は自由なんだってこと空耳が無駄なことではない事を知る

46.明かり消え落ち込まないで過去からの贈り物です抽斗に光

47.出るだろう方角までも希望的観測通り目の前の空！

48.毎日が、見てきたものが、活きてくる だからこれにも意味があるかも？

49.悔しさを真っ直ぐ伝えられるから貴方は強く輝いている

【一途な健康】

50.気がつけば至る所に見知った絵 和ますパワーがいちばんつよい

51.なにもないなんてことない人ばかり明るみになる一途な健康

52.明らかにキラキラしてるわたしより僅かな動揺強い眼差し

53.カーテンをシャッと開く訪問者 見守られている思っていたより

54.そっとしておけばいいのに台無しにしたい人達辞めればいいのに

55.当てはめない美しさがある
そのことに気づけないという貧しさがある

56.梨のゼリー食べてみたいな 病室の優しい食レポ食欲そそる

57.優しさに宿る賢さ 言葉から知りたいことを静かに得てる

58.フィルターの交換時期だと見た記憶職場のエアコン掃除がしたい

59.思い当たる節はあるのだ乾かさず電気も消さず眠っていたから

60.鼻水が止まらないから困ってるアレルギーなのか鼻風邪なのか

61.葛根湯、アレグラ、檸檬、全て摂るあとは睡眠おやすみなさい

62.そう上手くいくのだろうか？経験上これでなんとかやってはきたが…

【夏が来る】

63.さよならと伝えることをなんとなく避けてた意味に伝えて気づくこれがさみしさ

64.買えなかった靴への未練持て余し食べたかったアイスに出会う

65.アイスしか食べたくなくて子供だなそんな願いも今なら叶う

66.あなたから教わったことそれだけが特別になる季節なんです

67.想像もしていなかったよこんなにも貰ってるものがあっただなんてさ

68.「夏嫌い」だけどわたしは夏生まれ咄嗟に言えず隠し通した

69.好き”だった”ことにできたらこんなにもやめる必要はなかったのにね

70.お洒落にはなりきれないなどうしてもエモい言葉は暗くなってさ