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#17 見納め

同じ映画を何回も映画館で見ることなど、たぶんこの先ないんじゃないかと思う。


今日、「劇場版 ドクターX」の5回目の鑑賞に行ってきた。

12月に1回、1月に3回、そして今日。

既に多くの映画館で上映が終わってしまい、近所の映画館も明日で終わるらしい。

明日はバイト、金曜日の応援上映には行けないのでこれで見納め。

もう大きなスクリーンで見ることができない、新作も作られない、そう思うと少し、いやだいぶ寂しい。


ふと自分の人生を振り返ると、半分以上をこの作品と過ごしてきたことに改めて気づかされる。

2012年にシリーズが始まった時、私はまだ小学2年生。

母と一緒にドラマを見て、すぐさまファンになった。

何度も「私、失敗しないので。」「メロンです、請求書です」を真似した。

その後もシリーズが変わる度にドラマを見て、気づけば最初に見ていた母より詳しくなって。

2019年の6期の頃、当時中学3年生だった私はある病気で手術を受けることになった。

受験生だったことも重なってものすごく不安だった。

でも、ドラマの中で何度も大門先生の口から発せられる「私、失敗しないので。」にたくさんの勇気をもらった。

「こんな風に、誰かに勇気を与えられるような人になりたい」

そう思って、高校では演劇部に入った。

初めての大会で、他校の方から「感動した」というような声をたくさんいただいて、嬉しかったことは今でもはっきり覚えている。

2021年の7期の時は高校2年生。

諸事情で部活を辞め、受験勉強に取り掛かっていた頃。

勉強しながら見ていても、気づけば手が止まり画面にくぎ付けになっていた。

そしてその7期の第8話が、私の人生を大きく変えてくれたと言っても過言ではない。

以前の記事で、「好きな登場人物は城之内先生」と書いた覚えがある。

そう、私が彼女を、そして演じている内田有紀さんのファンになったきっかけがこの第8話なのだ。

親友を助けるために治療方針を模索し、最後には懸命に心臓マッサージ。

その演技と役柄に一気に惹き込まれた。

いつしか過去のドラマを見たり、雑誌を買ったり、出演している番組を片っ端から見るようになった。

女優さん好きな方とSNSを通じて交流するようにもなった。

今では「好き」を通り越して「憧れ」の存在になっている。



上映中、自分が歩んできた人生と、「ドクターX」という作品の12年間の歴史を振り返りながら、スクリーンを見つめていた。

始まった当初は本当の一匹狼だった未知子

そんな彼女の相棒にいつからかなっていた城之内

二人を親のような気持ちで見つめる晶さん

最初はあんなに嫌ってたのに気づけば未知子に惚れてる加地先生

やっぱりきんちゃんのままな原先生

全く存在を覚えられていない森本先生

その怖い顔とは裏腹にいつの間にかポンコツキャラ丸出しの海老名先生

そしていつも敵なのになぜか憎めないキャラクターの蛭間名誉会長

その他登場人物たくさんいるけど、どのキャラクターも大好き。

音楽も、脚本も、演出も、全部が大好き。

こんなに好きなドラマはこの先二度と現れないと思うくらい。

この作品に出会わなければ、私はこうしてnoteを書いていることなんてなかっただろうし、そもそも生きているかもわからなかったと思う。

辛いことや悲しいことがあった時、嬉しいことがあった時、いつも支えになってくれた。

きっとこれから先もたくさん辛いこと苦しいことが待っている。

そんな時は「あの言葉」を思い出して、頑張っていこうと思う。


「私、失敗しないので。」




これで終わっちゃうのは寂しいけど、またどこかで会えると信じて。



ありがとう。

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