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22週の壁と名付け。

早いもので、マタニティライフも明日で38週…!
このエッセイは、22週を過ぎた頃に書いた下書きを引っ張り出してきたものになります。

…*………*………*………*


妊婦になって初めて知ったことなのだけど、赤ちゃんが育つにあたり、9週の壁、12週の壁などと、たくさんの壁が存在する。
(よく目にするけれど、医学的な用語ではないらしい)
1つ過ぎ去っては、次は◯週だ、とカレンダーやマタニティアプリで週数を数えてはやきもきしたり、ほっとしたりする日々。

わたしの中で1つの大きな節目が22週だった。何故22週なのかと問われると、生まれた赤ちゃんが医療的なサポートを受けられるかどうかの大きな分かれ目だから。

22週未満だと、赤ちゃんに何かあったときに、お腹の外では生きていけずに流産となってしまう。反対に言えば22週を過ぎると、もしわたしや赤ちゃんの身に何かあったとしても、体の外に出ても医療的サポートを受け、生きられる可能性が高い。

数年前、友人の赤ちゃんは22週を迎える直前、突如として虹の橋を渡ってしまった。
(今は無事出産し、可愛い赤ちゃんを育てている)

「穏やかな出産でした」
「わたしの元に来てくれて良かった。ありがとう」
子ども好きで優しい彼女は、誰よりも誕生を心待ちにしていたはずなのに、そうSNSで言葉を綴った。心からの言葉なのか、そう気丈に振る舞わなければ、心が崩れ落ちてしまうからそうしているのか。

これまで健診で問題点も見つからず、お腹の中ですくすくと順調に育っていても、みんなが当たり前に元気に産まれてくるわけではない。
身近に起こった悲しい事実は、紙に染みたインクのように消えない悲痛なインパクトとして残った。

産まれてくる我が子に想いを馳せれば馳せるほど、もしも万が一があれば悲しみが深くなる。期待に胸を膨らませ過ぎないように。
考え過ぎないように。
そう、悲しみの予防線を張るしかなかった。

心配し過ぎても、こればかりはどうしようもないこと。わたしができることと言えば、妊娠中、口にしない方が良い物に気をつけることと、転ばないようにすることくらいしかなく、これまでと変わりなく毎日を送るしかない。

とりあえず22週までは、頑張って生きて欲しい。そう思って祈るように過ごしてきたので、超えたときは少しばかり安堵の気持ちを抱いた。
まだまだ油断は出来ないけれど、やっと折り返し地点まで来たんだなとほっとした。

そんな頃、性別も判明してそろそろ名前を考えようか、と夫と話し合った。


こんな子に育って欲しいな。
こんな人生を歩んで欲しいな。
秋生まれなので、秋をイメージした漢字も使いたいな。
呼びやすい名前がいいな。

期待やイメージは、どこまでも膨らんでゆく。

しかも、苗字と合わせたときの画数による運勢が出るアプリや本もあり、簡単に運勢も調べられる。

けれど、なかなかこれがまた難しい。
思いついた名前も対人運で苦労する、健康運が良くない等出れば、たかが占いと思っても、やっぱり躊躇してしまう。

名前を当てはめていく中で、この名前の人は、聡明な人、思いやりが溢れる人、創造力のある人、努力家な人、体力に恵まれる人、いろんな魅力的な「長所」が表示された。

どれも素敵だなと思ったけれど、ある1つの項目を見て、これは特に大事だね、と夫と顔を見合わせた。

先日、改めてわたしの名前の由来について母から聞く機会があった。

わたしの下の名前は2文字なんだけど仮に、「あい」としよう。
「あいか」「あいな」などその2文字にもう一文字つけようか、両親は迷っていたそうだ。

祖母がどの名前が良いか、有名な占いの先生のところに行って聞いてきたと聞いている。

名前の意味の他に、画数が良かったから今の名前になったと昔から耳にしていたが、詳しく聞いてみると、今の名前が1番「人に愛される子になる」からそう決まったらしい。

人に愛される子…!


もちろんこれまで生きていて、陰で悪口を言われたり、きつい言い方をされたりすることはあった。度々、人間関係に悩むこともあったけれど、振り返ってみるといつだってかけがえのない大切な存在が身近にいたように思う。

古くからの友人、学生時代の友人、最近より親しくなったりした友人。
みんなそれぞれ、感性や発想力豊かだったり、思慮深かったり、頑張り屋さんだったり、バイタリティーや思いやりに溢れていたり、人としてすごいな、素敵だなと思える子ばかりだ。


これまで恋人と呼ばれる関係になった人たちだって、価値観が食い違うことはあっても、わたしをぞんざいに扱ってくる人たちは、いなかったように思う。

職場の同僚や上司だって、尊敬できる人や人当たりの良い人が多い。

そして、5年以上どんなときだって、温かく支え続けてくれている夫。

わたしは周りの人に恵まれている。
そう胸をはって言える。わたしのことを大切にしてくれる人、また大切にしたい人がたくさん思い浮かぶことは、本当に幸せなことだと思う。

わたしの名前に込められた願いは、十分に叶っていそうだ。

周りの人やものを愛し、そして愛されますように。

我が子にたくさんの想いはあるけれど、たった1つを願うとしたら、やっぱりわたしもこのことに尽きる。

両親も祖母もただ、産まれてくる子にそれを願った。世代を遡って連綿と続く愛。

また、久しぶりに両親に会ったときには、
ベビーベッドどうするの。
お宮参りとかの服はどうしようか。
まだ家にミニジャングルジムが屋根裏にしまってあるよ、あれ使う?

など、わたしより遥かに、生まれてからを鮮明に想像していて、いや、まだまだなんだけど…と苦笑しつつも、温かい気持ちになった。


良かったねえ、まめちゃん。
生まれてくる前から、わたしと夫、そしてわたしと夫のそれぞれの家族、すでにたくさんの人に愛されてるよ。

候補の名前、漢字の意味も響きもすごく気に入っているんだけど、あなたもこの名前が好きになってくれるといいなあ。


#38週
#名付け
#妊娠






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