「小説みたいに楽しく読める解剖学講義」(著:村上 徹)を読みました

滅多に本を頂くことはないのですが、この度、村上先生から本を頂戴いたしました。ありがとうございました。
早速ありがたく拝読いたしました。
今回は久々投稿でその感想文になります。

さて、この本の紹介をする前に、解剖学について前段となる知識が必要になるかと思います。
解剖学は多くの医学部では2年生前後で行われることが多いです。
1年生のうちは教養の授業がメインの大学が多いと思われますので、医学部らしい授業になってすぐと言っても良いぐらいのタイミングで行われるのがこの解剖学です。
率直に申し上げて、この時期は医師国家試験の時の勉強よりも大変だった記憶があります。(そういう人、多いと思います。)
本書の「はじめに」でも記載されておりますが、教科書1000ページ、200時間の実習、6時間の試験をクリアする必要があります。(私たちの時代では部活動に入るのが当たり前だったので、この解剖学実習だけに集中すれば良いわけではなく、夜や土日は部活やバイトもする必要があるので、気力と体力がないと相当きつかったです。)
例えていうなら「バッティングセンターいってみる?」と誘われてはじめていったバッティングセンターが木のバットしかない上に、150キロのストレートと130キロのスライダーを普通になげてくるところに連れて行かれた、ようなものです。

さて、そんな解剖学ですが、他の授業でもそうであるように、カタい教科書と非公式なヤワラかい教科書の2つを使って進めていく学生が多いです。
カタい教科書は、例えばネッター解剖学アトラスのようなちゃんとした教科書。
ヤワラかい教科書は、イラスト解剖学のような、まずおさえるべき重要なポイントがまとまっている(授業的には)非公式なもの。
どっちが良いというよりも、使い分けが重要なのかなと思います。
(というよりも、初学者がいきなりネッターを見て、「なるほどわかった」とはならないと思ってますが。)

私の勝手な感想なのですが、この本は、おそらく、
上記2つのタイプの本を読む前に、必要となる解剖学の前提知識をある程度頭の中に放り込んでおいてほしい、
という意図があるのかなと感じました。

そして、この本、「すごく真面目な本」でした。
Blogでも書かれていらっしゃいましたが、

本の始めに引きの強そうなネタを置いて、後の方はそれなりにフェードしていくという、ありがちな構成にはしにくかった

https://anatomy.med.gunma-u.ac.jp/2023/06/%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%AB%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%8F%E8%AA%AD%E3%82%81%E3%82%8B%E8%A7%A3%E5%89%96%E5%AD%A6%E8%AC%9B%E7%BE%A9/

とのこと。
都市伝説的な話はわざわざ論文まで確かめられたとの徹底ぶりなので、
どれほど真面目に作られたのか、よくわかります。
(解剖学実習に沿った構成になっているので、実習に入る前に読むにはちょうど良いと思います。)

個人的にオススメな読み方は
「章末のまとめを読む」
「なんだかよくわからない」
「章を読む」
「章末のまとめを読む」
「そういうことね笑」
です。

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