2020/10/22 キャッチコピーの不思議

今日、突然昔のゼクシィのキャッチコピーが流れてきて、
すごく良いCMだったな、というのと、なんでこうなっているんだろう、という違和感を感じたことを強烈に思い出しました。

皆様ご記憶のことと思いますが、あのCMです。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に私はあなたと結婚したいのです。

ものすごく良いキャッチコピーですよね。
これはじめてみたときは鳥肌が立ちました。
よく電撃に撃たれたような、といいますが、まさにそれでした。

ものすごく良いキャッチコピーだったので、今でも覚えているのですが、
強い違和感を感じたのはここです。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に私は、
あなたと結婚したいのです。

ポスターでもCMでも、「切り方」がおかしくないですか?
普通切るなら、こうだと思うのです。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に、
私はあなたと結婚したいのです。

なぜ、わざわざ「私は」という主語を、一文目の最後にもってきて、
ものすごく間をもたせた上で、述語につなげたのか。

日本語の切り方としてもおかしいわけです。

でも、上の2つを並べた時に、強いイメージが湧くのは、
上の見た目でした。
(耳で聞いたときは、ものすごい違和感で気持ち悪いくらいです)

結婚しなくても幸せになれるこの時代に、
私は、あなたと結婚したいのです。
結婚しなくても幸せになれるこの時代に、
私は
あなたと結婚したいのです。

どれもおかしいんです。
どう考えても、日本語的にはおかしい一番上の見た目に落ち着いてしまいます。

よくよく考えてみたら、
これはメッセージの「受け手」に対して、強い感情を喚起させる手法なのではないか、と感じました。

パッと見たときのイメージに「私はあなたと結婚したいのです」とあると、
どこか他人事のようです。
しかし、「あなたと結婚したいのです」だと、どこか自分ごとのように感じられます。

夜中の思いつきなので、明日になったらまた違うことを考えているかも知れませんが、
日本語として間違っていても、キャッチとしては正しい、というのが
またデザインの難しさですね、、、。

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