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2020/9/30 産業医として大切と考えられる5つの資質

産業医面談では、(実際の業務を詳しく知っているわけではありませんし、実際の中身は全く異なるのでしょうが)調停の"実務"に似ることがあるように思います。
その際、産業医が担う役割は様々で、
産業医が調停委員になることもあれば(cf.復職面談)、
産業医が調停委員不在の当事者になることもあります(cf.健康診断の再検査受診勧奨)。
お互いの主張に、いきなりはっきり白黒つけるわけではなくて、
良い落とし所を探りながら進めていく。
そんな醍醐味がありますね。
(もちろんはっきり白黒つけなくてはならない場面もあるのですが、
 この場合は調停というより、権力の発動を伴う裁判に近いですね。)

産業医に大切な資質を考えるにあたって、産業医を調停委員として考えてみることにしました。
そこで川島武宜 先生 「日本人の法意識」に記載されていた、その昔の調停委員に必要な資質について、引用された文章がありましたので参考としてみます。
こう書いてあります。
「調停委員は法律などを知っている必要はない、調停委員は円満な人格や健全な常識さえ持っていればよいのであって、必要があれば法律上の知識は裁判官に聞けば良い。そのために裁判官は調停委員会のメンバーになっているのだ」

これを調停委員から産業医として改変するとこうなります。
産業医は必要があっても法律上の知識を容易に裁判官に聞くことはできないのだから、法律などを知っている必要がある。加えて、産業医は円満な人格や健全な常識も持っている必要がある。

そして、別の文章においては調停委員に必要な5つの条件として以下の5つがあげられています。

1.円満な人格
2.豊富な人生経験

3.健全な常識

4.正しい法律知識

5.説得力

(上記参考:佐々木吉男 先生 による研究)

考えてみれば、これは産業医にも全く同じようにあてはまります。
常識があり、円満な人格で、正しい法律知識を持ち、説得力を持っている。
豊富な人生経験というのは少々曖昧な表現ですが、「相手の立場・気持ちに寄り添える」といった意味に置き換えられるでしょうか。

面談についてだけ言えば、こんな産業医が望ましいといえるのかもしれません。

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