アリゾナでのまかない飯をDIY
まかない飯は貧乏生活をしている者にとっては本当にありがたいものです。かくいう僕も90年代の後半から数年ほどアリゾナ州に留学(遊学)していた貧乏人で、まかない飯のありがたみを存分に感じていました。
バイトをしていたお店は今はなき「Teriyaki of Japan」という日本食のファストフード店。まかない飯の大半はもちろんテリヤキ。テリヤキは当時、日本食の代表格。それをどんぶりにした「牛丼」に近いファストフードです。グリルしたチキンやビーフ、またはボイルした野菜にたっぷりと「テリヤキソース」をかけたものです。テリヤキソースはアメリカ人の口に合うようかなり甘めに作られていて、例えると「みたらし団子」のタレをもう少し甘くしてフルーティーなフレーバーが加えた感じです。実際にソースにはたくさんのフルーツを使っていました。奇妙な感じがしますが、慣れると以外にいけるものです。
メニューはテリヤキの他に「うどん」「ラーメン」「カツ丼」「お弁当」「すき焼き」などと定食屋さんでお馴染みのメニューが一通り並んでいました。が、しかし当時のアリゾナ用にディフォルメされたのか、カツはハムカツのように薄く、味噌ラーメンは味噌汁に麺が入っているような味の薄さ。まかないでこれらを食べれば食べるほど、本物の味が恋しくなったものです。今のアメリカではだいぶ忠実な日本食が食べれるようになったようですが、反面このような面白い日本食を食べれる機会が少なくなっているのも寂しい気がします。
メキシカンが作ってくれるまかない飯
アリゾナは土地柄メキシコが近かったおかげで厨房では数人のメキシカンと一緒に働くことがよくありました。テリヤキは彼らの口に合わなかったのか、たいてい持参した食材で独自にまかないを作っていました。こうなるともはや「まかない飯」ではありせんが。
そんな彼らに一食べさせてもらったまかない飯で、美味しくて印象的だったのが、安いステーキ肉で作る「カルネアサダ(焼き肉)」と1ドルほどで山程買えるシラントロ(パクチー)を使った「サルサ」。それをフラワートルティーヤで巻いて食べるシンプルなまかない飯。
食べごたえがあるのに、さっぱりとしているので延々と食べていられる美味しさでした。レシピを教わり今でもよく作って食べています。今回はこちらの「まかない飯」を作っていきます。
材料
カルネアサダ
サルサ
作り方
カルネアサダの下ごしらえ
まずは「カルネアサダ(焼き肉)」の下ごしらえから。切ったものをすべジップロックに入れてもんでおくだけ。ポイントは絞った「ライムの皮」ごと漬けておくこと。
ステーキ肉は短冊切りにする
玉ねぎは輪切りにする
オレンジを輪切りにする
上記すべてをジップロックに入れる
塩コショウとスパイスを入れる
ライムを絞って、皮ごと入れる
ビールを注ぐ
袋の上から揉む
1,2時間冷蔵庫で寝かせる
肉と玉ネギを取り出して焼く
サルサ作り
一般的なサルサはトマトを使いますが、ここでの具材は「玉ねぎ」と「シラントロ(パクチー)」のみ。味付けは塩とライムだけ。
玉ねぎみじん切り
シラントロ(パクチー)をざく切り
ボールに入れてライムを絞る。皮ごと入れておく。
食べるちょっと前に塩で味付け。
完成
温めたフラワートルティーヤに作った具材を乗っけて食べるのみ。今回フラワートルティーヤ(小麦粉の皮)や市販のもので業務スーパーなんかで変えます。
まとめ
初めてこの「まかない飯」を食べたとき、カルネアサダは問題なかったのですが、サルサを食べたときの印象がシラントロの味に「カメムシ」を覚えました。メキシカンの人たちが本当に美味しそうに食べてるのをみて、今は慣れていだけだと自分に言い聞かせ毎度食べているうちにこのタコスの虜になっていました。郷に入れば郷に従えといいますが、文化を理解するには受け身の態勢が必要なんだと感じたあの頃でした。
今でも90年代のオルタナロックを聞きながらこのタコスを食べるとあの時の風景が戻ってきます。食というものは、食欲を満たすだけでなく過去を回顧させてくれるものでもあります。
話はそれますが、以前『伊集院光とらじおと』というTBSラジオの番組で「俺の五つ星」というコーナーがあり、クロマニヨンズのマーシーが、今はなき思い出の「おにぎり」を当時の店主に再現してしてもらい号泣していたことを思い出します。子供の頃から聞いていたTBSラジオの下町感と庶民感を継承した良い番組でした。つい先日、近所のスーパーで伊集院ご夫妻をお見かけした為の。余談でした
今回は趣向を変えて料理をしてみてみました。自分で作ればすべてDIYということで、広義には「料理」も含まれると勝手に思っております。これからはDIY料理もちょこちょこ書いてみたいと思います。
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