飲食店目線で選ぶキャッシュレス2019夏
最近、でん票くんユーザー様からも「PayPay入れたいけどどうしたらいいですか?」「カード決済系との連携はありますか?」と具体的なご質問をいただく機会が増えておりますので、消費者の視点ではなく、飲食店の視点として2019年夏、今キャッシュレスサービスを選ぶなら、というテーマで整理してみました。
国内に45万店舗(2016年、総務省調べ)あるといわれる飲食店ですが、ここ最近まで居酒屋さんや一部のレストランを除くと、カードすら使えないお店様のほうが多い、現金信仰が根強い業界であることをは皆さんご存知の通りです。「現金商売」であることを理由に、カード会社に支払う5%程度の手数料と回収にかかる時間、カード決済用機械の固定費などを理由にカード決済を導入していないお店様のほうが多かったのです。
そんな中、時代は変わってきておりまして、アプリ系カード決済サービスが増え、固定費0円、手数料も3%前半、売上回収も最短翌日振込も増えてきました。
都心も地方も今やインバウンド、海外からの観光客の方の消費が確実に増えています。2020東京オリンピックを控え、また9月開催されるラグビーワールドカップなどますますインバウンドの来店が見込まれる国内の飲食店は、今確かにキャッシュレス対応は喫緊の課題です。国(経済産業省を中心に)を挙げてキャッシュレス推進に動いていますが、今日は飲食店様の立場・目線で、目的を明確にしてどのサービスを選ぶかがポイントになります。
・単価1000円前後の決済系推しなら国内QR決済(PayPay、LINE Pay)
・中国人インバウンドなら中華系QR(ALIPAY、We Chat Pay)
・欧米インバウンドや5000円超の決済なら定番のクレジットカード系
・会計時のスピード優先で選ぶなら?
・会計時の安心(確実性)優先で選ぶなら?
お店様ごとに、キャッシュレス対応の目的、優先順位があるかと思いますが、今日はでん票くんユーザー様からも良く聞く「キャッシュレスいろいろありすぎてよく分からない。できれば個別に会社と契約せずにまとめて対応したい。」という観点からサービスを選定してみました。キャッシュレス比較サイトなどあるかと思いますが、当然でん票くんはどのサービス会社とも広告やアフィリエイト契約もありませんので、しがらみなくご紹介させていただきます。
まとめて全対応(カード、交通系、国内・中華系QR)ならAirPAY一択、かも。
リクルートさんのAirPAY。カード決済とsuicaなどの交通系ICだけでなく、PayPay、LINE Payなどの国内系QR決済、またALIPAY、We Chat Payにも対応され全方位をカバーしている流石のサービスです。しかも19年7月13日現在は「キャッシュレス0円キャンペーン」として、iPadとカードリーダーの2点を0円で提供してくれる販促を実施中です。実売価格で、6万円程度の機器です。これは大変お得です。
消費者還元事業者登録で、19年10月~20年6月までは決済の手数料が2.16%適用という国の施策の恩恵も受けれます。もう迷う必要はないですね。
それでもAirPAYは・・・というリクルートさんが苦手なユーザーさんにはこちらのサービスいかがでしょうか。
駐車場ブランドが展開するTimes Pay、いいかも。
各種クレジットカード系と交通IC系を網羅。スマホQR系は国内・中華系ともに現在は対応していませんが、国内流通系のwaon、nanacoに対応。その割り切りも良いですね。もうQRスマホ決済は対応していて、これからカード系のみに対応したいお店様の選択肢には良いのではないでしょうか。こちらのAirPAY同様に現在キャンペーン中で、タブレットとカードリーダーと、なんとモバイルプリンターの3点セットが無料で提供されるそうです。決済手数料も消費者還元事業者登録で2.16%になります。
QRコード決済系だけまとめて導入したいなら、ALSOK
本業はご存知、セキュリティーの会社さん。それゆえ、こちらのサービス独自のウエブサイトもまだ無いようで、ALSOKさんのコーポレイトサイト内で情報発信されています。実はこちらのサービス、先日練馬の現場ででん票くんの設置を行っていた時に、営業さんがいらしてチラシを見て、存在を知りました。とにかくQR決済のみに対応。それを紙のQRコードをお客さんに読み取らせるのではなく、お店側でお客さんのスマホに表示されたQRコードを読み取り、決済金額入れて処理する方式です。お店側の手間は少し増えますが、金額を間違えたくない、というニーズに合致します。国内系のPayPay、LINE Pay、ORIGAMIに対応し、中華系も2大ブランドに対応しています。また国内系のQR決済分は、消費者還元事業者登録で2.16%になります。セキュリティー系の会社さんだけあり、安心感がありますね。
本日現在、専用の機械は無償で貸し出ししてくれるそうですが、固定費が月500円ほどかかるようですね。今後コストダウンに期待したいところです。
その他にも、国内系QRですと、メルペイさんなども話題ですね。現在は上記のようなマルチペイメント系サービスには対応されていないようですが、国内消費者の10人1人がメルカリユーザーらしいですので、試してみる価値はあるのかもしれません。
以上、簡単ですが19年7月13日時点の情報としてまとめてみました。QRコード決済の先駆者である中華系のALIPAY、We Chat Payを個別に導入するのは敷居が高かったのに、一気にこのようなマルチペイメント系のサービスで敷居が下がって嬉しいです。個人的にはAmazon Payがもっと普及してきてほしいように思いますが、現在はなかなか少ないようです。
個人商店さんでのQR決済の鍵を握るのは、お客さんが金額を入れる「セルフ方式」の浸透。
最後に、QRコード決済のサービス会社の選定とは関係なく、でん票くんユーザーの飲食店さんの規模、立場で考えてみると、カード決済よりもQRコード決済のほうが、単価1000円~2000円程度の飲食店さんでは普及してくるのではないかと感じています。特に顧客単価が1000円前後のお店様やランチのお客様が多い回転が速い、スピードが勝負というお店様では、カード決済で1件あたりの処理時間が慣れても1分前後かかる(現金のほうが早い!)よりも、慣れたユーザーさんなら、数十秒で処理が終わるQRスマホ決済のほうが両者お互いにハッピーです。
その点で考えると店舗側が、ユーザーさんのQRコードを読み取り、金額も入れる方式ではなく、お客さんがお店に掲示されたQRコードを読み取り、金額を入れて決済するほうが、スピードは遥かに速くなります。専用の機械も不要で、スペース的なメリットもあります。この辺りも今後、現場のいろんな声が集まってきて集約されていくように思いますね。
でん票くんはどのキャッシュレスサービスもご利用いただけます。
最後に肝心の、「でん票くんは○○Pay使えますか?」という大変多くいただくご質問への回答です。はい、でん票くんは特定のキャッシュレスサービス、カード決済とシームレスな連携こそしておりませんが、どの決済サービスもご利用いただけますのでご安心ください。ベテランの店舗さんですと、楽天PAY、squareさんなどご利用のお店様、多いです。あと最近はPay Payが多いようですね。
冒頭の写真は、某大手コンビニのレジ上に掲げられたレジを表すサインですが、キャッシュの扱いが減るにつれ、「キャッシャー」という言葉は、無くなってゆく運命なのかもしれません。あっ、キャッシュが減っていくことで、今までのようなレジは、その筐体自体もどんどん無くなっていく時代なのかもしれませんね。
以上、情報はすべて2019年7月13日現在のものです。詳細につきまして各サービス会社様へお問い合わせください。
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