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「感謝」の力で見つけた自分らしさ

はじめまして。まっつんです。好きな漬物は黒はり漬です。昔、日光のお宿で食べた気がします。それ以来忘れられない一品です。またいつか味わいたいですね。

さて、見出し画像にもある通り、今回取り上げたのは『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』(ジェレミー・ハンター 著、稲墻聡一郎 執筆協力、プレジデント社)です。

最近読了した本ですが、読む前と後だと、心のあり方がだいぶ変わったように思います(単に影響されやすいタイプなのかもしれませんが……)。

実はこの本をきっかけに読書を再開し、気づけば積読が10冊に!やばいです。自分でも驚いています。

真面目に読書をしてみて思ったのは、「読むことって意外と疲れるんだな」ということですね。

ランニングにハムストリングや臀筋が必要なように、読書にも“読書筋”なるものがきっとあるのでしょう。

普段、わたしは本をほとんど読みません。準備運動なしでいきなり本を開くと文字の情報量に圧倒され、頭がパンクしそうになりました。そのせいで、この本を読み終えるのにかなり時間がかかってしまいました。大学では論文をたくさん読むゼミに所属しているのですが、論文を読む力と読書する力とでは少し違うのかもしれません。

ところで、読書の準備運動って何をすればいいんでしょうね?“読書筋”ってどうやって鍛えるんだろう……そんなことを考えつつ、積読の山を少しずつ削る幸せな日々です。

ちなみに、この記事は「読書記録っぽいもの」と銘打っていますが、本の内容そのものにはあまり触れていません。ご了承ください。


1. 「感謝」を見つける気軽な一歩

2024年の年末、知り合いから『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』という本をお借りしました。いわゆる自己啓発本です。

普段はあまりこういう本は読まないし、そもそも最近は本を手に取る機会自体が減っていました。

そんなわたしがこの本を読むことになったきっかけ。

それは、就活に苦戦しているわたしを心配した知り合いが薦めてくれたことでした。

就職活動で避けて通れないのが「自己分析」。要するに自分がどんな人間なのかを理解し、それを言葉にして他人に伝える――一見シンプルに思えるこの作業ですが、実際に取り組んでみると、どこから手を付けていいのかわからなくなります。

「自分の強み」とか「やりたいこと」なんて考えれば考えるほど、むしろ輪郭がぼんやりしてきてしまう……。気がつけば、就活そのものより自己分析に頭を悩ませる日々が続いていました。

そんなとき、「まっつんに絶対必要なことが書いてあると思うよ!ぜひ読んでみて!」と強くおすすめされたのがこの本。

正直、「本当かな?」と半信半疑でした。

でもせっかく薦めてもらったのだから、最後まで読んでみることにしました。もし自分に必要ないと思ったら、あとで文句を言えばいい――そんな軽い気持ちで読み始めました。

読み進めるうちに出会ったのが「アプリシエーション・リスト」

なんだか聞き馴染みのない言葉ですよね。

アプリシエーションとは、あるものやことに対し、理解し、認め、感謝することを意味します。

218ページより

たとえば、特定の人に感謝や尊敬の気持ちをもつこと。
芸術、例えば絵や音楽、文化に対して、その価値や美しさを認めること。
おおよそこんなところでしょうか。

そして、「アプリシエーション・リスト」とは、以下のルールで行うエクササイズのことです。

  • 毎日10コ、「感謝できること」「大切なもの」を書き出す

  • 同じ内容を繰り返さない

  • これ1ヶ月続ける

ごく簡単なルールですが、1週間続ければ70項目、1ヶ月続ければ約300項目のリストができあがるというわけです。

これなら簡単そうだし、やってみよう。
なんか楽しそうだし。

そんな気軽な気持ちで取り組み始め、2週間が経過しました。未完ながら、約140項目となかなかのボリュームです。

実際やってみて、これまで気がつけなかった小さな発見や、日常の感じ方の変化がたくさんありました。その体験について、これからお話ししていこうと思います。

2. 「感謝」における視点の変化

具体的な実践方法について、1日10コ、自分が大切に思える、感謝できると思えることを書き出し、それぞれ2~3文ほどの短いコメントを添える形式で記録をつけることにしました。

ツールはグーグルドキュメントを使用し、浮かんだことを思いつくままに書き出していきます。

最初は家族を始め、大学や地元の友人、インターンでお世話になっている人々、好きな食べ物やお気に入りの場所、今欲しいもの――身近で具体的なものからスタートしました。

ただ、本にも「4~5日ほどで書くことにこまる」とありましたが、わたしの場合はなんと3日でネタ切れに。はやいですね。こんなに早く詰まるとは思いませんでした。

そのとき、いかに自分が普段、周りの出来事や人々を意識せずに生きてきたのかを突きつけられたようで、少しショックでした。

しかし、それでもなんとか書き続けるため、頭を抱えながら思い出を掘り起こしてみます。

「今日はどんな事があったっけ?昨日は?去年は?10年前は?」
「あのとき誰がそばにいて、どんなことが起こり、どんな気持ちだった?」

そうやって記憶をたどるうち、徐々に書き出し方が変わっていったのを感じました。

はじめは人や場所といった具体的な「名詞」が中心でしたが、次第に「行動」や「時間」、「そのときの気持ち」といった、より抽象的で、一瞬の輝きのようなものに目が向くようになったのです。

ほんの小さな思い出――例えば、小学生のとき、運動会のリレーのアンカーに選ばれた喜び、数年ぶりに偶然友人に再開した嬉しさ――どうして忘れていたんだろう?そのときは確かに心から喜んだはずなのに。

「感謝」を書き出していくうちに、自分がこれまで見逃していた小さな喜びや、忘れかけていたかけがえのない記憶が、少しずつ心に蘇ってきました。

3. 「感謝」が広げる心と生活の変化

リストを書き進めていくと、日常生活に変化がおきました。「あ、これリストに書ける!」とポジティブな出来事や物事に自然と意識が向くようになったのです。

以前は当たり前だと思って見過ごしていたことが、「感謝」の対象として心に留まるようになりました。

リストを作るという「目的」が、日常の中でいいことを見つけ出そうとする「行動」を生み出し、その積み重ねが自分の意識を少しずつ変えていったのだと思います。

些細なことにも感謝の目を向けられるようになったのは、このエクササイズのおかげですね。


余談ですが、この習慣が身体的な健康や、心地よい眠りにも良い影響を与えているのではないかと感じています。

わたしは寝る前にリストを作成することを日課にしているのですが、ポジティブなことに目を向けることで、心がじんわり暖まり、自然とリラックスできるようになりました。

1日の終わりにリストを作る時間は、過ぎた日々を穏やかに振り返りながら、ぽかぽかとした幸福感で心を満たすひとときです。その時間は柔らかくて優しく、自分にとって特別なものになっています。

以前は失敗や悲しい思い出にとらわれ、なかなか寝つけない夜が続くこともありました。しかし、このリストを作る習慣を始めてから、こうした日々はだんだん減っていったように感じます。

リスト作成を通じて、ポジティブな側面に目を向けることが、心を落ち着かせ、安らぎをもたらしているのかもしれませんね。

4. 「感謝」を通して見えた自分らしさ

アプリシエーション・リストを通じて、自分がどのようなことに価値を感じ、何に喜びを見出す人間なのか、少しずつ見えてきました。

リストを読み返すと、そこに共通するテーマが浮かび上がります。

わたしの場合、それは「人とのつながり」そして「心を和ませる美しいもの」でした。

家族と食卓を囲む時間、友人と交わした他愛もない会話、わたしのために作られた温かい料理、友達から送られてきた「ご飯食べに行こうよ」のメッセージ――そうした人とのささやかなつながりこそ、自分にとって大きな喜びだと気がついたのです。

そして、心を和ませる美しいもの――たとえばふわふわした猫の毛並み、きれいな夕日が見えるベランダ、お気に入りの曲を選ぶ時間、おばあちゃんが迎えに来てくれる駅のホーム――こういった何気ないけれど特別な瞬間や小さな癒やしが、自分を支えてくれる大切な存在であることに気が付きました。

これらは決して派手ではないし、目標や成果のようにわかりやすいものではありません。でも、それらがあるだけで、日々の疲れや不安がふっと和らぎ、また頑張ろうかなと思える力が湧いてくる。そんな「心の栄養」のようなものだと感じます。

これまでのわたしは、「自分が何をしたいのか」「どういう人間なのか」という問いに対し、大きな目標や特別なスキルを見つけなくてはならないと思い込んでいました。

でも、アプリシエーション・リストを通してわかったのは、自分の価値観や喜びは、日常の中に埋もれているものだということ。

「何気ない瞬間こそ、自分らしさを映し出している」

そんな発見が、就職活動や人生における自己分析に、新たな視点を与えてくれたように思います。

5. おわりに

このように、「感謝」のリストを書き続けることで、ただ過去を振り返るだけでなく、自分自身を深く見つめ直し、日常的な意識や行動を前向きに変えていくことができました。

日々「今日は何を感謝として書き残そうか」と考えるようになった結果、これまで当たり前だと思っていた出来事や、見過ごしていた「心の栄養」に気付けるようになったのです。

「大切にしているもの」「見落としていた幸せ」「ささやかな喜び」

リストに書き記すたび、こうしたかけがえのない気付きが浮かび上がってきます。一見小さなことばかりですが、自分自身の価値観を映し出し、(少し大げさな言い方かもしれませんが)人生の方向性を示す羅針盤のような存在に思えます。

就職活動における自己分析を目的に始めたこの取り組み。しかし結果的に得られたのは、「自分が何を大切にし、どんなことに喜びを見出す人間なのか」という「自分らしさ」の輪郭でした。そしてその輪郭は、これからの人生を進むための確かな力を与えてくれています。

まとめがなんだか壮大になってしまいましたが、それだけこの習慣がもつ影響力は大きいと感じています。

もしこの文章を読んでくださった誰かが、自分だけの「アプリシエーション・リスト」を始めてみたいと思ってくれたなら、これ以上嬉しいことはありません。

この経験を胸に、これからも感謝を大切にしながら日々を歩んでいきたいと思います。そして、今はまだ未完のわたしだけのリストを少しずつ完成させたいですね。


つたない文章ではございますが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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まっつん
最後まで読んでくれてありがとうございます いいことありますようにー