台湾の食堂料理の定番、炕肉飯(khòng-bah-pn̄g)
食堂料理の定番、炕肉飯(khòng-bah-pn̄g:コンバァプン)ですが、漢字表記は爌肉飯や焢肉飯などの表記もあります。客家語ではkhong-ngiuk-fan(コンニョッファン)と発音します。豚のお腹部分の部位、皮付き三枚肉を八角などの香料の入った醤油ベースのタレで煮込んだものをライスの上に載せて出される料理です。お店によってはライスをお椀に入れ、肉はお皿に載せて出すところもありま す。三枚肉は台湾語で三層肉(sam-chân-bah)と言いますが、中国語では五花肉と呼ばれることが多いようです。三層肉(sam-chân-bah)は大量の脂肪を含んでいるのでカロリーが高くて、100gあたり520カローリーぐらいあるそうです。
炕肉飯(khòng-bah-pn̄g)は南部では滷肉飯(lóo-bah-pn̄g)という名称で売られているようです。ですから滷肉飯(lóo-bah-pn̄g)の肉というのは豚肉の細切れやひき肉を煮込んだものとは限らないんです。
台湾料理としての炕肉飯(khòng-bah-pn̄g)はよくメンマ=筍干(sún-koann)が付いてくることが多いのですが、客家人はよく鹹菜(hàm-chhoi=客家語/kiâm-chhài=台湾語)と呼ばれるカラシナの漬物と一緒に食べます。食堂で売る炕肉飯(khòng-bah-pn̄g)にも鹹菜(hàm-chhoi=客家語/kiâm-chhài=台湾語)が付け合わせの野菜にされていることもあります。
実は僕が人生で最初に知った台湾料理が炕肉(khòng-bah)、つまり三層肉 (sam-chân-bah)の煮込み料理でした。台湾に来る前に一緒に生活していた在日台湾人のパートナーがよく作ってくれていたからです。以前、台湾から日本へ留学し、その後もずっと日本で生活をしている友人に、日本で生活していて、どうしてもたまに食べたくなる台湾料理は何か?と尋ねると、炕肉(khòng-bah)だと言っていました。日本にも類似した料理はあるじゃない?と聞くと、そりゃそうだけれど、絶対、台湾に帰って、自分のお母さんが作るものを食べたいと言っていました。
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