戦国日本と大航海時代を読んだよ
5年前にXで上げていた『戦国日本と大航海時代』の感想ツイを再掲します~
面白い本なのでおすすめ。
南蛮貿易も加味した徳川幕府の国際的な立ち位置がわかるぞ!!
南蛮貿易も加味した徳川幕府の国際的な立ち位置がわかるのがね、本当に面白かった!!!
あと当時のキリシタン界隈のことも踏まえながら読むとむちゃくちゃに面白いです。
関ヶ原の戦い後辺りからの家康や、徳川幕府のキリシタンに対する姿勢がコロコロ変わってるのが、昔から中途半端だな~という印象だったんですよね。
ぶっちゃけ何がしたいんだ?っていう。
でも、この本で指摘されていたポルトガル・スペインの植民地政策とか、メキシコ貿易の進展も含めると微妙な国際情勢だったんですね当時。
そのなかで、徐々にマウント取っていく家康の政治センスめっちゃすごいなってなりました。
1610年頃からポルトガル・スペインの貿易に懸念を抱いてたならそりゃあキリシタンを排斥する側にシフトするし、高山右近も国外追放されて当然だわ…と読んでて思わざるを得ませんでした。
そりゃあ忠興もセスペデス神父へ当たり強くするわね。
徳川家康推し・秀忠について調べたい方にはぜひ読んでほしい本。
政宗の慶長遣欧使節の特殊さ
政宗の慶長遣欧使節の派遣の特殊さとか、その特殊さを利用して、政宗の幕府に対する姿勢を判断する家康・秀忠の力量とかも読んでてすごくなるほどなあ…!となる箇所が多くて。
政宗謀反の噂ありと忠利に知らせた忠興も、その頃の幕府と南蛮の対外関係や貿易利権関係にかなりアンテナは立ててだろうな…と思いました。
細川家は身内にキリシタンが多いけれど、だからとはいえ世論は秀吉政権下よりも明確に脅威の疑いが出ている状態です。
その環境で親キリシタンの姿勢は取れないなあ…と思うのでした。 その辺りを時々サイコパスなのでテノヒラクルーしたって言われるけどいやいや、情報収集とその判断を下すセンスによるものですわ…
政宗謀反の噂と、慶長遣欧使節と忠輝の讒言の関連性がむちゃくちゃに読んでて面白かったし、脳みそ5ミリくらいしかない人間でも分かりやすかったしで良かったです。
あと冒頭にキリシタン大名(小西行長も含む)が宣教師の頼みに応じて戦力として戦うみたいな論文の引用を見かけてマジ!?ってなりました。
個人的な感想
今回読んでて感じたのは、興元が御伽衆に任じられたのは『上方のことを存じたり』以外にもキリシタンとしてのパイプ役も期待されてたりするかな?と思いました。
一応オルガンティーノも書簡の中で、興元のことをこれから率いる有力なキリシタンであるっていう書き方をしてるんです。
だから興元も、宣教師側からある程度信頼されてたと思うんですよね。
他の御伽衆にキリシタンいたか覚えてないですが、秀忠の南蛮貿易と宣教師に対する警戒を見てるとありえそうかな、と思います。
でも大坂の陣後はポルトガル・スペインよりオランダ・イギリスとの貿易にシフトしていきます。
岡本大八事件のこともあるし、興元がそのままキリシタンとして信仰を続けながら御伽衆の位置にいるのはかなり難しい状況だったのでは…と推察します。
情勢の影響からキリスト教の棄教はしてるだろうな〜と思います。 興元は1619年に亡くなるのでもしもう少し生きてたらどうなってたかは想像を膨らませるしかないんですが。
でも興元が亡くなって半年後くらいに京都で、3年後には長崎で大殉教があるし、もう少し長く生きてて信仰を続けてたとしても国外追放とか、あるいは命を落としてたろうな〜とは思います。
もう少し徳川幕府の貿易姿勢と1610年以降のキリシタン大名の動向照らし合わせたらもっと色々面白い気がしますが、自分の手に余りそう。
あと1610年以降の右近はマジで幕府にとってはかなり危険分子すぎるなあ…と読んでてヒシヒシ感じました
妄想つづくんですけど、個人的に忠興は本能寺の変や秀次事件の経験もあってか、脅威予備軍としてマークされている物に対して潔癖の証明を念入りにしているという印象があります。
禁教にシフトしてキリシタンを徹底的に排除することに成功していたり、天草一揆でも成果をあげようとするところは忠興なりの先手を打った潔癖の証明かなあと思えるんですよね。
その感覚は忠利にも伝わってそれが幕府との信頼関係につながるのかなーと思いました。
情はあっても切る時は切るって所が、幽斎さんもだけど忠興・忠利の上手いところですよね…
あと、刀剣乱舞の後藤藤四郎の持ち主である後藤庄三郎がガッツリ南蛮貿易に関わっていたことも描かれていました。
オランダ・イギリスと金品のやり取りとかもしてて商人と言えどめっちゃ幕府中枢と繋がってたんやな〜!!!とおどろきでした。
後藤くん界隈だと有名な話なのかな?
とうらぶの後藤君好きな審神者さんも読んでみると面白い発見があるかもしれないですね~