【ONE OK ROCK - Stand Out Fit In】 MVと歌詞に込められたメッセージとは
今回は"人種差別や文化の違い"をテーマにした、興味深いMVを紹介したいと思います。
2018年11月に公開され、現在、再生回数は4000万回を突破、高評価数は56万超えと、さまざまな方面から称賛の声が上がっています。
しかしそれと同時に、「MVの意味がわからない」「男はこう、女はこうって縛るのはよくないんじゃないの?」というように、誤解しているコメントも散見されました。
というわけで今回は、誤解を払拭したいという思いから、自分なりに解釈してみることにしました。
動画は下のリンクからどうぞ!
1.ONE OK ROCKって、いったいどんなバンド?
メンバーはTaka(ボーカル)、Toru(ギター)、Ryota(ベース)、Tomoya(ドラム)の4人。
2021年2月時点でのYouTubeチャンネル登録者数は348万人。
ライブでは一日で5万5000人を動員するなど、日本はもちろん、海外にも熱狂的なファンを持つ。
以下、メンバーについて軽く紹介。
Taka・・・森進一と森昌子を両親に持つ。元NEWSのメンバー。弟は、MY FIRST STORYのHiro。
Toru・・・初めてTakaの歌声を聞いた時、その声に圧倒され、強引にボーカルに勧誘した。彼の熱意のおかげで今のワンオクがある。
Ryota・・・Toruと幼馴染み。突然、Toruからやったこともないベースを渡されたが、Toruと一緒にいたいという一心からバンドへの参加を決意。ライブでは上裸になることが多いが、最近は控え気味。
Tomoya・・・緻密さと同時に、ダイナミックなグルーヴ感も持ち合わせる感情的なドラミングを絶賛する声は多い。Taka曰く「うちのドラマーは天才」とのこと。
2.曲名について
"Stand out"が「目立つ」「ずば抜ける」などの意味をもつのに対し、"Fit in"は「馴染む」「調和する」「適合する」という意味をもちます。
MVでは「はみだしてなじめ」と訳されていますが、はみだしたら馴染まれへんやん! と思った方もいると思います。
「はみだし」つつ、「なじめ」とはいったいどういうことなのでしょうか。
3.曲に込められたTakaや制作陣の思い
Takaはインタビューでこう語っています。
ワンオクも海外進出するにあたって、少なからず差別を受けてきたと思います。
でも、そんな経験をした彼らだからこそ、この曲を作ることができたのかもしれません。
また、MVの監督を務めたPeter Huang氏の発言を一部抜粋。
4.MVの意味・解釈
お待たせしました! いよいよ本題に入っていきます!
主人公は、アメリカ(?)の学校に通うアジア人という設定です。
物語は、授業中に先生に当てられて黒板に字を書くところから始まります。
書き終えて席に着こうとすると、白人の少年が目を釣りあげるような仕草をしてきます(アジア人に対する差別)。
昼食の場面では、中華風のお弁当を食べている少年を見て、白人の女の子たちがとても嫌そうな顔をしています。
アジア人にとってはごく普通の食べ物ですが、周りの生徒は理解できないようです。
彼の容姿だけでなく、食事にまで嫌悪感を抱いている様子がうかがえます。
学校が終わり、帰宅する場面に移ります。
Chinese Foodの文字から、彼の両親が中国料理の店を経営していることがわかると思います。
店内で勉強していると、青年とみられる3人組が、何やら怪しい動きをしているのに気がつきます。
次の瞬間、彼らは会計をせずに一目散に店を飛び出していきました。
残った食器を悲しそうに片付けている両親から目を背けてしまい、少年の心の中で何かが音を立てて崩れてしまいます。
ここでサビの歌詞について解説
Big boys don't cry
(男は泣くな)
Shoot low, aim high
(現実を見て 夢を持て)
Eat up, stay thin
(よく食べ 健康であれ)
Stand out fit in
(はみだして なじめ)
Good girls don't fight
(女は争わず)
Be you dress right
(見た目もきちんと)
white face tan skin
(心は白く美しく)
Stand out fit in
(はみだして なじめ)
こちらはMVの訳をそのまま引っ張ってきたものです。
以下、自分なりの解釈になります。
正直、サビの日本語訳だけ見ても、言いたいことが伝わりにくいと思います。
最後に"Stand out fit in"と言っているものの、「男はこうしろ」「女はこうしろ」といった固定観念に縛られた表現ばかり使っているので、逆の意味に捉えられても仕方ないんですよね......
これに関しては、もうちょっとうまいこと訳出できなかったのかなという感じですね。
ですが前述のとおり、Takaは「自分の個性を大切にしてほしい」と語っています。
おそらくここでは、「そんなこと言ってくるやつらなんて気にせずに自分らしくいろよ」ということを言いたかったのだと思います。
場面が変わり、今度は青年になった主人公が登場します。
サンドイッチを食べているところから、お弁当が中国料理から洋食に変化していることがわかります。
幼い頃に受けた差別などによって、「ありのままでいたい」という気持ちは消え去ってしまいました。
さらに、彼はクラスメイトに嫌がらせをするようになります。
過去にいじめられた経験から、舐められないように本来の自分より強く見せようとしているのだと思います。
そして、飲酒運転によって事故に遭ってしまいます。
車から這い出ると、目の前に赤いマントを身に纏った子ども(?)が現れ、お面をくるくると変化させ始めます。
これは変臉と呼ばれる中国の伝統芸能で、喜怒哀楽を表現するものです。
すると、主人公の髪は黒色から金色になり、瞳の色も黒から青に変化します。
周りに合わせて自分の色(個性)を変える主人公。
ここでは、変面師が「それは本当の自分なのか?」と彼に問いかけているように見えました。
踊っている部分は、彼なりに葛藤していると私は捉えました。
テンポがズレていながらも周りの人たちと同じように踊り始めるところからは、周囲と必死に合わせようとしていることが見てとれます。
自分を主張することで受け入れられたり、拒絶されたり......
担がれた後、周囲を弾き飛ばすと、主人公は少年の姿に戻っていました。
お母さんと目が合い、涙を浮かべる少年......
大切なことを思い出したかのように見えました。
また、こんな解釈をしている人もいました。
ここまで書いたことを簡単にまとめると、
無理に馴染もうとして溶け込んだ気になっても徐々に合わせることが息苦しくなり、彼らと距離を置いてみて初めて、近くにありのままの自分を受け入れてくれる人がいることに気づくことがある。
自分らしくしていると嫌われることもあるかもしれないけど、味方になってくれる人は必ずいる。
だから個性を殺さないで。
みたいな感じですかね〜
最後に、せっかくなのでライブ動画のリンクも貼っておきます!
オーケストラライブのやつなんですけど、これがめちゃくちゃかっこいい😆
ラスサビ前から徐々に"くる"ところが気持ちよすぎる!!!
ここまで読んでくださった方は是非!
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