『ゴールデンカムイ』第39話「硫黄のにおい」

　菊田と有古がいよいよ登場する登別温泉編です。

明治の盲人

　今回は盲人のあん摩たちが重要な役割を果たします。
　明治政府は福祉に関してお粗末でした。江戸時代までにせっかく確立していた盲人福祉組織「当道座」をなんでやめたんでしょうね。明治の福祉は本当にお粗末なので、これは全く擁護できない話なんですよ。

漫画にそういうツッコミも野暮なのですが

　犯罪者を主人公に任せる『るろうに剣心』もそうなのですが、中央はもっと真面目に鶴見の計画を把握すべきなんじゃないの？　そう菊田が出てきたら思っちゃうんですよね。
　諜報は何してんのよ。そんなんだからアジア太平洋戦争であんなことになるのだ。

アイヌ語のイントネーション

　和人の言葉につられているというのは伝わってきます。それをいうならソフィアのロシア語もだろうけど、声優の時点でどうにかできなかったんですかね。
　日本語のセリフが多い有古は仕方ないにせよ。有古の母はアイヌ語しか話さないわけですから。
　声優でこれだと実写映画は……。

将校の拳銃

　菊田がロシア製拳銃を使っています。将校の拳銃ってあんまり当たらなくて、実用性が高いようでそうでもない、そんな武器なんですよ。初登場でいきなり拳銃射殺をした鯉登は相当おかしい。
　自殺には最適っちゃそうだけど。

八甲田山で捜索に参加したアイヌ

　アイヌ差別は和人にとってもマイナスだった。
　八甲田山捜索でもアイヌは実際に、有古のように活躍した。アイヌは和人に防寒対策を教えようとした。けれども、和人はくだらんプライドで突っぱねたことが往々にしてある。
　そのくせいざとなれば頼ってきたと。

　ちょっと古い道民の手記なんか読むと、アイヌのことは当たり前のように出てくるのです。それが当然です。それがアイヌなんていないと今の和人が誤解するようになったのはなぜか？　そのことを考えてしまうのです。

日英露三国志の幕末明治

　ところで、この番組をみなさんご覧になりましたか？

◆多角的で重層的な構成が歴史の奥行きを感じさせる。<br />歴史に興味を持つ子どもや学生に見てほしい番組だ！ https://steranet.jp/articles/-/1031

　子供や学生でなく、むしろ大人、『ゴールデンカムイ』ファンこそ見ましょうね。