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『虎に翼』第120回 私の芯をとりもどす

 昭和45年(1970年)6月、政治は少年法改正への圧力をかけています。そんな日曜日、家庭裁判所創設メンバーが滝川の家に集まり、意見をまとめることになったのでした。

声をあげた記憶は自分の芯になる

 多岐川の家で、寅子は香子と薫のことを語り合っています。口は聞いてくれないけど大学には真面目に通っているとか。香子は、もしも自分たちが今大学生だったら、薫と同じことをしているだろうと理解を示しています。暴力はいけない。でも、声をあげた記憶は自分の芯になるのだと。
 この会話を薫は多岐川の枕元で聞いています。暗い様子の薫に語りかける香子。薫は今さっき、恋人と別れてきたと言います。母のことを話したら、血筋が問題だから結婚までは考えられないと言われたというのです。
 薫は出自を隠した母を責めていました。韓国北朝鮮に対する日本の罪を糾弾した仲間たちの中に、その恋人もいたのかもしれません。彼なら理解してくれる。そういう安心感があったからこそ、打ち明けたのだろうと思えます。はなから理解しそうにない相手なら言い出せないでしょう。結婚が出てくるということは、親より信じられるとすら思っていたかもしれのに。
 それなのにこの仕打ちとは……。

差別男とは別れて大正解

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