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『虎に翼』第113回 司法の限界

 原爆裁判で、寅子はこう質問します。
 米国にも、国にも賠償責任が求められないのならば、今苦しんでいる被爆者はどこに助けを求めればよいのか?
 よねはここで自らの言葉を寅子が受け止めたように察したような顔をします。
「法学者としてお答えできることはありません」
 そう返され、その場にいる誰もが沈黙してしまいます。
「以上です」
 これで質問は終わりました。

 そのあと、嘉納は政府に別の救済法がいるのではないかと反町に問いかけるも、反町はこの法廷で争われている点はそこではないとそっけなく返します。
「被爆者個人への同情から国際法を拡大解釈するわけにはいかない。法は法。それだけです」
「お互い、結構なものを背負わされてるね」
 そう漏らす嘉納。反町はなおも冷然としています。

耳目を集め始めた原爆裁判

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