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敗戦はまだ続いている
「食の図書館」シリーズのナタリー・レイチェル・モリス『豆の歴史』を読みました。大変興味深いけれども、東アジア人としては「もっと大豆の調味料をクローズアップしようよ!」という気持ちは湧いてきます。
そういえば、アメリカの方がかつてこう言っていた。
「日本人はアメリカの食べ物をどうこう言ってアンコをすすめるけど、こっちからすれば豆が甘いっていうのがありえないんだよ」
文化の違いを感じましたねえ。
北海道屯田兵や入植者は、味噌と醤油がないことに失望したものです。アイヌが和人の味噌を見て驚いたことも、『ゴールデンカムイ』のアシリパで有名になっております。
北海道は「食の歴史」も過酷そのもの~米豆の育たぬ地域で何を食う? https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2020/03/20/121469 #武将ジャパン @bushoojapanより
おっ、となったのが硝酸アンモニウムのこと。第二次世界大戦時、アメリカ軍が武器製造にどっさりとこれを作りまして。戦後余ると。それを窒素肥料に転用する。旧日本軍の余った毒ガスよりは、まだマシかもしれませんが。どうなんでしょうね。
かくして窒素肥料のパワーで、どんどん豆を含めて作物はできる。大量生産の時代です。となると、輸出先が必要になる。
そこで日本だ。
戦後日本では、「米を食べたからバカになった」と大物教授まで主張し、アメリカから小麦粉をたっぷり輸入しました。そして自給率がガタガタと落ち込んでゆく。四方を海に囲まれていて自給率が下がるって、セルフ兵糧攻めです。危険極まりない話です。それでも日本は、そういう道を選んだ。
そうか、たどっていくと戦争があったか。敗戦したがために、次の敗戦につながりかねない、自給率低下と輸入依存を選んだのか。日本の敗戦とはかくして続いたのか。調べれば調べるほど、日本は先の大戦でやらかしたことを償いきれていない。悪いことに、国民自身もそこにあまりに無自覚だ。そう豆の歴史を調べていて思うとは……。
ラーメンの歴史は明治維新後にスタート! 日本の食と歩み、世界に広まるまで https://bushoojapan.com/jphistory/food-jp/2020/11/15/116369 #武将ジャパン @bushoojapanより
芳井研一『難民たちの日中戦争』も併せて読みました。最近、本を読めば読むほど、歴史の奥深さが心にしみてきます。
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