本の話をしよう|2024.1〜6
ここ3日ほど、雨が降ったりやんだりを繰り返している。少しは暑さもマシになるのかな(それにしても気温40℃はやばい、お風呂入ってる時と同じじゃん、っていつも思う)と思いきや、熱のこもったコンクリートを冷やすには不十分なのか、もわっとした空気が立ち込めている。まごうことなき梅雨。
朝のニュース番組でアナウンサーが「2024年も下半期に突入しました!」とさわやかに言っていたのはついこのあいだ、しかしもう1週間以上前のこと。あれよあれよという間に7月が過ぎていく。
そして、「本についてのnoteを近々書く」と言っておきながら(5/8note参照)書いていなかったことを思い出し、何なら、今年に入ってから本についてのnote書いてないな……?とも気づいてしまった。これ以上時間が過ぎていく前に、半年分の読書記録を振り返りながら、これから読む、読みたい、気になる本についてつらつら書いていこうと思う。
ではでは、久しぶりに本の話をしよう。
1〜6月読了
①読了本の冊数
この半年感で読了したのは18冊。
いや、少なっ!少ない!数字で見るとほんとうに少ない……ちなみに昨年の上半期は32冊読んでいたもよう。は、半分か……2ヶ月ごとにみると、1~2月 4冊、3~4月 4冊、5~6月 10冊。
5月6月で怒涛の巻き返し!このペースを7月以降も続けていきたいところ!
②初読みの作家さん
初読み作家さんは5名。中でも印象的だったのは高瀬隼子さん。決して気持ちのいい読後……とは正直いえない。でも、イヤミスとかバッドエンドというわけでもないんだよなぁ〜。その感じが、こう、癖になってしまう感じ。
③よく読んだ作家さん
2冊以上読んだのは千早茜さん、くどうれいんさん。
2冊じゃ全然「よく読んだ」に含まれないのだけども。笑
くどうれいんさんの本はこれからさらに2冊読む予定!千早さんの『グリフィスの傷』も気になってる〜
1~6月のベスト3!
①あなたはここにいなくとも / 町田そのこ
これまで読んだ町田さんの作品の中でいちばん好きだった!といっても、まだ『宙ごはん』くらいしか読んでないのだけどね……『52ヘルツの~』『星を掬う』は途中挫折してしまって……いつかリベンジします……
恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、リセット症候群、わきまえていたはずだった不倫、幼馴染との別れ。さまざまなことからもつれてしまった心を、もう「ここにいない」人や、その人の思いが解きほぐしていく短編集。ものすっっっごく良い読後感だった……!
家族の思いから逃げ続けていたり、モヤモヤしても気持ちをぶつけられずにいたり、自分や恋人と向き合うことすら諦めてたり、いけないとわかっていることを続けたり、わざわざ話さなかったことを勝手に探ったり。発端は誰かに言われたことやされたことかもしれないけれど、心をさらにもつれさせたのは紛れもなく主人公たちの言動。見て見ぬふりをしていたからこそ、「いない」人や思いが心に響いたのだろうな、と感じた。
切ないし寂しいし、いつになっても慣れることのないことだけれど、残された人たちに必ず何かをもたらす。だから「喪失」はどこか穏やかな空気を纏っているのかな、なんて思ったりもした。
余談。『ばばあのマーチ』の主人公の恋人、わたしがこれまで読んできた本の苦手な登場人物第2位に躍り出た(1位は辻村深月著『凍りのくじら』の若尾)。笑 いや、彼にも彼なりに思うことや彼をそうさせる環境があるんだろうけどさ……それにしたって歪みすぎじゃない?ってね。主人公、すごく優しいなぁと思ってしまった。わたしだったらあんな高圧的な恋人思いやるなんて無理だ。笑
②終点のあの子 / 柚木麻子
炭酸水のように爽やかなのに、苦いチョコレートのようなべったりした後味が残る読後感。これがデビュー作か……!と震えるくらい心が痺れた。
舞台はプロテスタント系女子校。お嬢様たちが集う華やかな雰囲気の中に、スクールカーストや嫉妬、劣等感がじわじわと滲み出してきて、読みながら何度もウワァ〜〜〜ッと本から顔を上げた。誰かの悪口を言い始める空気とか、ものすごくリアルで怖さすら覚えた……。
わたしは女子校出身でもなければお嬢様でもないけれど笑、多感な時期特有の「特別になりたい」「認められたい」という気持ちは思い当たる節がある。今となっては「誰もそんなに自分のことを気にしていない」とわかるのに、妙に他人と自分を比べては一喜一憂を繰り返していた。思春期であることと、学校という狭い世界がそうさせてしまっていたのだろう。
いちばん共感したのは、自分と境遇が少し似ていた(希代子タイプの友人が近くにいた感じ)奈津子かな。佐智子と堂々と仲良くできていたら、恭子のその後の境遇も違ったのだろうな……と思うと心が痛い。だけど、「二人でいるのに無言で読書」のラストがほんとうに現実。そううまくいくわけがなくて、やるせないけど仕方がない。うん、現実。
③コーヒーにミルクを入れるような愛 / くどうれいん
前々から読みたいと思っていたくどうれいんさん。
エッセイなのだけど、物語みたい。そうだ、誰しもの人生も物語なのだよな。そう改めて感じさせてくれる読書体験だった。あるべき場所にすとんとおさまる文章の心地よさといったら……!すっかり虜になってしまった!
「ほそい稲妻」「夜のマンション」「コーヒーと結婚」が特に好き。旦那さまやお友達がとても素敵で、でもそれってきっとれいんさん自身が素敵な人だから、そういう素敵な人達が集まってくるんだろうな、と羨ましくなった。
今読んでいる本
墨のゆらめき / 三浦しをん
久しぶりのしをん先生。すでに第一章は読み終えたのだけど、もうすでに心を掴まれている。しをん先生が描くキャラクターって何でこんなにも魅力的なのだろう……!そして要所各所で笑えるポイントがあって、とてもじゃないが家以外では読めない。笑
図書館の返却期限を考えると、土曜日までには読み終えたいところ。
これから読む本たち
図書館本
『墨のゆらめき』の他にも数冊借りている。中でも優先したいのは、高瀬隼子さんの『いい子のあくび』、それから江國香織さんの『川のある街』。いつ行っても貸出中、の2冊をいっぺんに借りることができたので!残り1週間きったけど!がんばって読み切る!
積読本
あい変わらずそびえ立っています、積読本の山。笑
笑い事じゃないですね。
冒頭を読んだにも関わらず、よくわからんけど今じゃない、と積まれているのが、寺地はるなさんの『どうしてわたしはあの子じゃないの』、砥上裕將さんの『一線の湖』、瀬尾まいこさんの『わたしたちの世代は』。
よくわからんけど今じゃない、その理由がよくわからん。今年の夏読書本にします……
最近購入した本
積読してるのにさらに増やすなよって話なんだけどさ、夏文庫が始まったらさ、買っちゃうよね!(言い訳)これでも本を買ったのすっごく久しぶりなんですよ!(大声で言い訳)
購入したのは4冊。江國香織さんの『ひとりでカラカサさしていく』、そして君嶋彼方さんの『君の顔では泣けない』は待望の文庫化。それから、最近すっかりはまってしまったくどうれいんさんの『うたうおばけ』を手に取った。
辻村深月さんの『あなたの言葉を』は単行本だけど、条件反射で買ってしまったよねー!笑
今年の夏も楽しい読書タイムが過ごせそうな予感。
これ以上積読を増やさないように頑張って山を登ります!いざ!