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【パラレルパラダイス考察】これは誤植なのか?気になる2点(第1回)

こんにちは、ごみくずです。
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今回は、最近26巻がリリースされた現状で、まだまだ謎の多いダークファンタジーの名作漫画『パラレルパラダイス』の『考察』を…


多くの謎が残る『パラレルパラダイス』

…と思ったのですが、現在の『謎』の解明具合を考えると、大分方向転換しないといけない状況かと思いました。

というのも、この記事の原案を下書きしていたのはブログを中断する前の、今よりも数年前。『<嫉妬深い神>』や『国母』の謎が明確でない頃でした。

その頃は、シーザー王国の地図を用意し、エクセルに不明な単語や解明されていない謎をリストアップして、それが何話で解決されて…という事を空き時間を利用し地道に整理していました。

それがカルンナッハ到着後を契機に、この国を統治する中心部分に最大の謎だった『国母』についての情報、特に『誰なのか』が解明され、それと同時に世界の中核且つ最大の謎の一つであった『国母』に付随する『城の内部』も明かされたため、今まで謎に包まれた部分が明確になりつつあり、それと比例して、『作品考察を楽しむ』という部分は少なくなってきた感があります。

とはいえ、根本的な世界の構造を知る上で押さえておきたい『シーザー王国以外の地域がどうなっているか?』についてや、物語のきっかけを作った行為である『リリアがどうやって陽太の元居た世界に行くのか?』という不明点。

そして『子宮の構造と輪廻』などの城とこの世界の生命にまつわる不明点。

また、過去の因果である、『青き月と3千年前の物語』『仁科は現世では死体はどうなったのか?』『仁科の魔女の姿や能力、そして真由や金城との過去の因縁』という今までの謎についても未だ解明されないままであり、また新たに加わった謎である『国母の影響力が及ばない村と魔女』『モモの新しい力』など、まだまだ深淵の中を彷徨うような状況で、核心部分に迫ったここから、まだまだ何年も物語を楽しめるのではないか?と期待は尽きません。

それらの現在残る謎を再度整理し、改めて考察記事を書いた場合、毎回連載が更新された際に都度考察記事をリリースしないと、自らの考察が当たったかどうかの検証までできないため、まず一旦、今回はそのあたりの手間を惜しんで行わない事とし、現在気になっている部分について、記事にしていきたいと思います。

これは『誤植』だったものか、元は他に設定があったのか?

「気になっている部分」というのは、この見出しにある通り「誤植なのか、それとも、元々の設定が変わってしまい後々になって整合性が取れなくなった部分なのか分からない」というコマがあり、その部分の違和感の解消ができない状況なため、もやもやしているというのをご紹介します。

これから取り扱う事例については、皆さんも同様にもやもやしていたのではないでしょうか?

ちなみに、揚げ足を取る意図はありません。
逆に残してあるからこそ、深みを与える場面になっていると思っています。

それでは見ていきましょう。

【気になる①】『皇女(ひめみこ)』とは、誰だったのか?

第8話(単行本第1巻)において、「始まりの町」ミースのガーディアン『クインテッド』の一人である『ハル』が、陽太の今後の扱いについて言及した際のセリフに『皇女(ひめみこ)』という単語が出てきます。

『パラレルパラダイス』(岡本倫/講談社)第1巻より引用

現在26巻まで読んでいれば、シーザー王国の女王は『国母』と呼ばれているのを知っているため「単に当時称号が明確に決まっていなかったか、皇女(ひめみこ)では少女をイメージしてしまい、本来の国母の年齢と違ったから連載中に称号を変えたのではないか?」という想定をすることが出来るのですが、リアルタイム加算式で1話から順に読んでいくと、『皇女』という言葉が登場した後に『国母』が出てくるため、この二つの単語を「それぞれ別の人物が割りふられている」、と読み取るのも自然かと思います。

そういう事情ですから、私の解釈としてはかなり後の時期まで「『皇女』がこの国を統治する人物で、『国母』が『皇女』の母で、その何れかが狂っている。もしくは『国母』はこの国の女性を産む機能を備え、思考と会話と意思決定もできる肉体の備わったAIのようなものかもしれない」となっていました。

この辺りは、作者の岡本倫先生はどう思って『皇女』と記入し、また単行本化のタイミングで修正しなかったのか。
意図の無かった単純な誤植を意図して残したのか?
など、たった一言の違和感が、読者が余計な考察をしてしまえる、つまり「下衆の勘繰り」をしてしまう余地があります。

ここまで来て、国母の後に皇女が控えている、という事はないと思うので、連載当初の構想から変更があったのか、変更なら着地変更を含んだ変更だったのか?など、単に設定を忘れた故の誤植とは言えない、深みがある意図した誤植であると感じます。

【気になる②】病院にいた女性

第140話(単行本第14巻)の最後のページ、現代で入院している陽太が安楽死する場面で、立ち合いする陽太の父の隣に、顔を覆う長身の白っぽい女性が立っています。

『パラレルパラダイス』(岡本倫/講談社)第14巻より引用
一番右の人です。何故か裸っぽいのが余計気になります

当時は、「陽太の母親か?」と思いつつも、母親については140話まで、作中明確な言及がなかったと記憶しており、入院中(第49話)の陽太に関わる身内は出張中の父、看病は毎日仁科が行っており母親が不在でした。

つまり『母親は不在』と解釈できる描写を意図的にしていました。

ただ、その不在の理由が離婚によるものなのか死別によるものなのかは、その時は不明確だったと記憶しています。

そういった背景情報の上で、父親の隣に立っているのはどう見ても裸の女性であり、おなかの中心におへそらしい「点」がある事が非常に違和感がありました。
「親戚の女性?」「仁科家の母親?」とも思ったのですが、どうしても「裸の姿」なので、霊体の可能性まで考えた時期もありました。

実際にこの女性が何を意味するものだったのか。
この後の話に影響がある人物なのか?
単に誤植だったのなら、何故単行本発行の際に修正しなかったのか?
意図的に残したものなのか?

単純に消し忘れでは無い「何か」を感じます。
実際はどうなのでしょうか?気になる所です。

このほかにも、各所にもやもやすることがある

如何でしたでしょうか?
「そういわれれば、こんな箇所があったな」や「私も気になっていた」など、様々な感想があるかと思います。

上記の2点はかなりもやもやしますよね。

そのほか、記憶では「もっと色々と名称が変わったものがあったのではないか?」という気もしていますし、仁科の性格についても、陽太の入院時の看病する少女のような可愛らしい言動や仕草、それに対して、時系列的には陽太入院前にあたる金城とトラブルが有った時期とシーザー王国へ転送された後は無口な性格で、陽太入院中と性格が違い過ぎる点。…等々、違和感がある所はあります。

そのあたりも後々時間がさければ触れていきたいと考えております。

なお、冒頭でもお伝えしましたが、これはケチを付けているのでは無くて、あくまでファンとしての目線で物語を深く堪能したいからであり、「当初の設定と路線を変更し性格や名称まで変えるような「話の膨らみや着地の変更」があったのではないか?」「では元の想定はどういう内容だったのか?」という「ファンとしての知的好奇心」からの想いなので、そういった一見誤植に見える箇所も私としては肯定的に受け取って楽しんでいる、という点についてはご了承いただきたい点でございます。

それでは次回もまたよろしくお願いします。
なお、パラレルパラダイス考察については不定期更新を予定しています。
要は気分です。

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