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橘 春
2023年6月6日 17:21
ゆっくりと傾く地球に合わせて、千夏の肩へ頭を預けようとしたときだった。死や、虹や、愛について分析した本を読んでいる千夏の眉毛が歪んだ。彼女がすっぴんではないことに気がついて、僕は声を上げた。千夏はため息をついた。どうやら、僕は疲れているらしい。 僕は惑星か、惑星だとすれば土星か、と訊いた。千夏は瞼を輝かせながら「あんたは惑星になれない」と言った。惑星になれないことを知った僕の脳は、混乱して、揺