例えば想いが届いたとして、
あなたに訊きたい77のこと
金井政人
例えば自分が綴った文字が誰かに届いたとして。
それがきちんとわたしの想いごと伝わることはどのくらいあるのだろう。
ふわりと包み込むような言葉だったり、キラリと光るナイフの先のような言葉だったり。あなたから紡がれる言葉がわたしを翻弄する。
𓂃𓋪◌
毎週月曜日の朝9時、なんだかあなたと待ち合わせをしているみたいで嬉しかった。
たくさんの質問に答えてきたあなたからの77のこと。今までにされたことのない質問に答えることが毎週楽しみだった。
中でもすごく好きだなと思ったのが、
あなたがこれから出来るようになる
予定のことを教えて下さい。
これって誰かに言うと、出来なかったら出来なかったジャンってなるから、本当は言いたくはないのよね。
秘密、とただ一言書いてみた。
それでもなんだか答えたくなったのは、好きな人がそうであるように、これからわたしも絶対そうしてやる、なってやると決めたからかもしれない。
「あなたの回答が本になるかも」
なんて、あなたが作る世界にわたしがいることを想像して、口角が上がるのを止められなかった。
下心を隠せないまま、それでも色々トッピングなんかはせずに自分の言葉で、でもほんの少しいつもより丁寧に言葉を並べた。
こんな質問初めてされたなぁ、おもしろいなぁ、難しいなぁ。
すごく悩んだ質問もあったし、スラスラと出てきた答えでも、こんな風に思ってたのかわたしは、なんて思うこともたくさんあった。
再確認と、新発見。
またあなたに
新しい世界を魅せられてしまった。
𓂃𓋪◌
実際出来上がった本を手にしたとき。
手触り、デザイン、中身、全てにおいてわたしのハートをグッと掴んできた。
文字の配置から色やフォント、使われている写真も全部全部好みだった。
ああ、やっぱりあなたが好きだなぁって。
一つ一つ、ゆっくり。どこの誰だかわからない人のくしゃみの音とか、誰かの幸せをはかるものの形とか、誰かの思わず抱きしめたくなるような愛おしい仕草とか、誰かの最もささやかな幸せとか。
これ、わたしの最もささやかな幸せです。
そしてもう一つ、別の質問の中にわたしの言葉があって、この二つは77個答えた回答の中でも特にわたしらしい回答だったと思う。(採用されて嬉しすぎて泣いた)
よく「菅田くんに会えたら、菅田くんをわたしの目に焼き付けて帰ってくるんじゃなくて、菅田くんの目にわたしを焼き付けて帰ってくるね」なんて言っていたけど。
そんなわたしの回答が、あなたの目に止まって、それがこうして形に残っていることが、まさにそういうことで(違う)、嬉しくて嬉しくて。
たくさんの回答の中からわたしの言葉を選んでくれたこと、回答だけじゃなくて、これに関係なく贈った言葉もきちんと届いていること。
言葉にするのって本当に大切で、わたしはそれをしない良くない部分があるからこそより一層感じることなんだけど。
おもしろいとか、楽しいとか、嫌だとか、好きだとか。
言葉にするだけじゃなくて、その言葉を贈る相手がいるのなら、ちゃんと相手に届けるところまでがセット。それを文面だけじゃなくてわたしの声を通して届けることが出来たら、な。
あなたにはきっと直接声を届けることはできないから、あなたにとってのご褒美をたくさん届けようと思います。
束ねて頂いた花言葉は、またゆっくり。