ポップコーンを食う気が無くなるアニメ映画「ファンタスティック・プラネット」
Amazonプライムで沢山映画を見てやろう企画第1回は、私が大好きな「ファンタスティック・プラネット」です。
アニメ映画といえば気楽に楽しくポップコーン食べながら大人も子供も見られるものを想像してしまいそうですが、これは食欲が失せる映画です。イラストもそうなのですが、音楽も高熱を出した時に聴こえる音って感じがします。悪夢。
ディズニーノートルダムの鐘のオープニングみたいなオープニング
初めに、母親が赤ん坊を抱きながら逃げているシーンから始まります。
母親は必死に逃げますが、巨大な青い指にピーンと跳ね飛ばされ、呆気なく死んでしまいます。泣き叫ぶ赤ん坊。
私はこの映画を数回観たことがあるのですが、今回見て「ノートルダムの鐘じゃん」と思いました。あれもジプシーのお母さんが必死に逃げたところ殺されて、残された赤ん坊が主人公カジモドなんです。
で、今回の映画ではお母さんを殺したのはフロローではなくドラーク族という青い肌と赤い目の巨大な生物の子供達。
「動かなくなったぞ」と、別に悪気も無い様子で見ていますが、知事が歩いてきたところ急いで逃げていきます。悪いことをしたという意識はある様子。
そして知事の横に居た娘ディーヴァが赤ん坊を手に乗せ、父親に「世話するから」と頼み、人間を「テール」と名付けてペットにすることになりました。
もう、このイラストだけでもダメな人はダメそうですが、私はめっちゃ惹かれてしまいました。たまんないっすねこういうの。
ほぼ虫扱いの人間
虫っていっても何虫なんだろうと考えたのですが、子供達がペットの人間達を戦わせたり、無理やり掴んでみたり、足や指で踏んでみたり…という具合なので、アリ🐜がイメージしやすいでしょうか。
ただ人間は人間なので、賢く言葉も覚えます。
テールはディーヴァの勉強器具(カチューシャ型で、流れてくる言葉が脳内に語りかけてくるシステム)を使って知識をどんどん吸収していきます。
謎の儀式瞑想🧘
ドラーク族は日常の多くを瞑想に費やします。瞑想をしている間は目が赤から白(青?)になります。
子供達も大きくなると瞑想を習慣化されます。この瞑想シーン、ドラーク族が小さな自分(意識)を空に飛ばしていくのですが、その様子が不気味というか、面白いです。↑の画像では、瞑想が始まると衣服が画像のように模様に変化したりします。セリフ(字幕)がなくてもこのようなシーンがこの映画では沢山出てくるので、安心してポップコーンつまめる場面がありません。
テール脱走
テールは逃げられないように頑丈な首輪(リモコンを操作されると持ち主の手元まで強制移動させられるシステム)をつけていますが、ディーヴァが自分に興味を持たなくなった頃合いを見て逃げ出します。勉強器具(カチューシャ)と共に。
テールは頑張って外でカチューシャを引っ張りながら逃げていると、首輪がリモコン反応により引っ張られてしまいます。
そこで首輪を割って助けてくれたのが人間の女性。名前が分かんないので彼女とでもいいましょう。 彼女はテールとは違い、人間達のみで暮らしている野良タイプの人間です。
彼女は人間の住処に案内してくれますが、ドラーク族の言葉がわかるテールの言う事をみんな最初は怪しがり、獣を体に付けて殺し合いをさせてみたりと(無事テールが勝ちます)古代みたいなことをされます。
それもそのはずで人間達には文明がありません。そこでテールが橋渡しとなり、頑張って持ってきたカチューシャの勉強器具をみんなに使わせて知力を付けさせます。
ほぼ害虫駆除の「人間絶滅計画」
ある日テールは、ドラーク族のところから食べ物などを盗んできた道にある壁に「人間絶滅計画」と書かれているのを発見します。
テールはもう一つの野良人間族たちにも「明日計画が実行される」と知らせに行きますが、怪しがられて捉えられてしまいます。
そして次の日。
白い球みたいな煙の出るカプセルがあちらこちらに代表に撒かれます。そしてドラーク族はマスクを付けたペット人間を犬のようにリードで繋ぎ歩かせながら、人間達を駆除します。
ここがもうGの駆除にしか見えないくらいなのですが、死ぬのは虫ではなく人間なのでかなりむごいです。
テールはもう一つの人間族の生き残りに解放され、皆んなで住んでいた場所まで逃げますが、住処では多くの人間が亡くなっています。
2つの人間族は合流し、安全な場所まで避難します。
人間達が逃げていたところ、2人のドラーク族に発見され、人間達は踏み潰されそうになります。(一部は踏み潰されてます)。
生き残り達はドラーク族目掛けて武器を投げて戦います。
1人が床に倒されたところでもう1人のドラーク族は怖気付いて逃げていきます。
そしてガリバー旅行記さながらの状態で、ドラーク族1人を殺すことに成功します。
ロケット打ち上げ計画
人間達はドラーク族たちの廃材置き場を活用し、また学習器具から得た知識と共に、別の惑星へ逃げるためのロケットを開発します。
ちなみにロケットの開発まで15年かかっているのですが、ドラーク族の1週間=人間の1年だそうです。
そしてロケット打ち上げ間近で、再び人間絶滅計画が実行。機械により床に白い絵の具のような◯が落とされ、それが毒というものです。
これが人間達の住処にまできたため、全員をのせられぬままロケットは発車します。
到着した先はドラーク族の胴体(石像)が置かれている惑星。
するとそこへ瞑想のドラーク族の魂が石像に頭のようにくっつき、男女ペアでくるくると踊りだします。
実はこれが瞑想の正体で、ドラーク族はこれにより種を残していたのです。
人間達は石像をビームで次々と破壊します。すると瞑想中であった本体のドラーク族たちは路頭に迷い出します。
ドラーク族の知事は人間とドラーク族の和平交渉を結ぶと宣言し、人間は「地球」と名付けられた惑星で暮らすことになります。
約50年前の映画なのに妙にリアル(1973公開)まとめ
というのが私の感想です。
ドラーク族が現代人にしか見えないのです。機械で勉強するし会議は大々的にモニター使ってやるし何かと機械頼りだし自分たち以外の生き物をペット化してるし自己都合で殺したりもするしそのくせ三代欲求はちゃんとある生き物だし。
まぁもちろんその人間を皮肉った姿があの青いドラーク族なのでしょうが。
この映画のリアルで無いところとしては種を残すための行動なのですが、人間は満月に男女ペアになり物陰に入っていき、ドラーク族は瞑想ダンス。
さすがにここを生々しくかいたら7➕じゃすまされなくなりますしね。ドラーク族の行為見たく無いしね。
文明が発達したドラーク族でも、子供達は人間の子供と同様にむごく失敗もするし我が儘であるし、結局は生き物である事からは逃れられないのだなと思いました。
ちなみにチョコレートプラネットの長田さんもこの映画が好きで、そこからプラネットがコンビ名についたそうです。嬉しい〜。
Amazonプライムでは9日以内に配信終了と記載されてたのでお早めにどうぞ。
あとたまにこの映画、テレ東や深夜帯なのでテレビでも放映されたりするのでそれを待つのも良いです。私が初めて見たのはgyaoでした。時代。おわり。