ありりんごごりららっぱ日記
10月14日(月)
インターネットで知り合った人に村上春樹の作品をおすすめされて、買ってみたけど結局その人とは一度も会わないまま連絡は途絶え、せっかく買った文庫本は1ページも読まないまま(なんなら表紙すら開かないまま)メルカリで売ったことを、村上春樹がXのトレンドに上がっているのをみて思いだした。
10月15日(火)
結婚報告動画で、「重要なこととしましては、」という前置きに続いて「私がキッチンに立つときに女将/マスター/大将/シェフの役とかをやっていたんですけど、そのなかの『大将』の役を譲ろうと思います。なので私はこの瞬間で、大将を引退します」って引退宣言で締められていたのが彼女らしさ満載で とてもとても良かった。あみにーちゃんおめでとう㊗️
10月16日(水)
メニュー表で異彩を放つ『スウィート・ガストン』の文字。いったい何がスウィートなのか。公式HPを見ても写真が載っているのみで何も説明はなく、ガストンのクッキーが乗っている赤と黄色のグラスデザート......?という所までしか分からなかった。が、そそられてたまらないので注文。無事ガストンガールズへの仲間入りを果たした。
結果、たしかにこれはスウィート・ガストンとしか言いようがないと思った。
10月17日(木)
疲労と自己嫌悪でうなだれていたけど、体力と気力を振り絞って向かったバイトで純度の高い恋バナを聞いて、すっごいエネルギーをもらってしまい元気になった。元気をもらったことで、
今月末の資格試験を一旦スキップして、12月にもうひとつ上の級を受ければ良いのでは?と気づけた。ひとりでスタンディングオベーション。引き算ができるようになったのは大きな進歩。現状を見て冷静な判断ができるようになったのも、とんでもなく大きな進歩。
10月18日(金)
母に誘われ、神谷町の喫茶店へ。
このタルトタタンが食べたかったという話だけど、気遣ってくれてるんだろうな〜とも分かる。気遣いだと読み取れるあからさまな気遣いは (なんだか申し訳なくなるから) ちょっとなあって思うこともあるけど、母のあからさまな気遣いは同時にあからさまな母なりの優しさでもあるから嬉しい。
10月19日(土)
バイト中に雑談をしていたら、またひとりで脳内しりとりをやってしまった。たとえば「アリ」って言われて、本来なら「リンゴ」と返すところを「リンゴ→ゴリラ」まで自己完結させて、いざ口から飛び出したのは「ラッパ」だった、みたいな。
ゴリラだったらまだリンゴを補完してもらえる可能性もあるけど、ラッパまで来たらどうしようもない。さらには私自身がゴリラとリンゴのことを綺麗さっぱり忘れてしまったのだから、本当にどうしようもない。しばらく話し続けたあと、「あれ私なんでこの話してるんだっけ......?」という新喜劇もびっくりなズッコケっぷりを見せた。ごめん私いま1人でしりとりしてた、と言ったら笑ってフォローしてもらえたのが救い。
帰宅後、例の如くひとり反省会。
私がどれだけ脳内しりとりをしていたって、結局伝わるのは口から発した言葉だけなんだよな。また気を遣わせてしまった気がする。一方通行の会話、受け入れられてばかりの会話しかできないんじゃないか。など、闇に足を引っぱられそうになったので、そのまま意識を手放した。
10月20日(月)
さくらももこ展に行ったあと、新大久保へ。相変わらずの韓国ブームっぷりに驚く。韓国料理というか、新大久保料理そのものが一種の文化になっている気がするのは私だけか。
さっそく友人に自己完結しりとりの件を報告。
「リンゴが言える人間になりたい!ラッパでもゴリラでもなくて、リンゴが言いたい!!」という主張をひとしきり終えると、
「ん〜でもなあ。ラッパって言っちゃうあなたに面白みを感じてる人もいると思うけどなあ」と呟く友人。うーん、なるほど。これに関しては使い分ければ良いって話でもないしなあ。ともかく友人はラッパの私を好いてくれているらしい。ありがとう。
その後カフェに入ったら、エスカレーターの目の前という珍しい席だったので、上の階から降りてくる人間たちを観察した。今日の気づき、エスカレーターに乗っている人間はかなり気の抜けた顔をしている。工場のベルトコンベアみたいに次から次へと人間がやってくるのがなんだか可笑しくて、隣に友人がいるのにも関わらず黙々と眺めてしまった。たまに思い出したように「こう見ると、色んな人がいるもんだねえ」と言うと、ひと言「そうだね」と返してくれる友人の優しさに助けられている。今日もありがとう。
10月21日(月)
明るくポジティブな人間になりたいと思って、前髪を5mmほど切った。
10月22日(火)
今の自分にどんぴしゃな本に偶然出会えたときの嬉しさを、うまく言い表せない。
10月23日(水)
他大学の友人と放課後勉強会。
2回目の注文でバーベキューソースを頼んだはずが出てきたのはハニーマスタードで、でも違いますとは言えなかった。試験が来月に迫る友人の隣で、課題を終えてしまった私は本を読んでいた。
10月24日(木)
やらかし、やらかし。やらかしにつづくやらかし。こんな日もあるかと一瞬考えて、いや、今日という日は今日しかないんだからやらかしたくはなかったよな、と思い直す。1公演1公演を大切にしてくれるアイドルみたいなマインド。
10月25日(金)
明日、バイト先で行われるハロウィンイベント (仮装して来てくれた人にお菓子を渡す) のために夜な夜な予習をした。
私は子どもと話すのが苦手だ。ひと回り歳下のいとことは未だに距離感が掴めないし (ごめんね)、普段バイト先に来る子どもたちにも「シールどうぞ〜」と、お菓子を手渡しするのが限界(ごめんね)。なにを言えば良いか分からなくなるのだ。
保育士やベビーシッターの方が発信する『子どもと仲良くなる方法』みたいな動画を見漁って、次いで心理学系YouTuberや読書YouTuberからコミュニケーション方法を学んだ。
自分なりのカンペと例文をメモに書き残して、明日の健闘を祈りながら寝る。
10月26日(土)
バイト開始2時間弱で すでに魂を吸い取られそうだったけど、なんとか無事に(?)終わった。
私が子どもと話すのが苦手だということは、子どもたちには何の関係もない。せっかく仮装して来てくれて、楽しみにしてくれていた日に、話すのが下手な私のせいで気分を下げてしまっては申し訳ない。
そんな思いで挑んだ今日だったけど、今後「シールどうぞ〜」以外に言えるかと聞かれると微妙なところ。ただ、こんなに沢山の、しかも血の繋がりのない子どもと接する機会もこの先なかなかないと思うので、良い経験をさせてもらったと思う。来てくれてありがとう。みんな本当に可愛かったよ!
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