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 お試し読み 「ヴィンヤードに吹く風」

僕は496ワイナリー/シクロヴィンヤード(株)で広報を担当する看板ネコのハチちゃんでーす。


496ワイナリーの8です。僕、眠ってませんよ!

本日は僕がちょうど生まれた頃、僕の召し使い(形式上はボスだけどね)が執筆、出版した小説 
小説で知る ワインと自転車のトリセツ「ヴィンヤードに吹く風」の冒頭をお試し読みで特別公開させてもらいますニャ。
(*「ヴィンヤードに吹く風」の著作権、版権は自身にあります)

「本が売れないよ~、8ちゃーん」と騒がしくて、ゆっくり寝てられないので目をつぶって 読んでやって 欲しいニャー。。。

発売と同時に話題 瞬間 凍結 !


小説で知る ワインと自転車のトリセツ「ヴィンヤードに吹く風]

 
お試し読み「ヴィンヤードに吹く風」 

 ↓ 以下が小説の本文です。
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プロローグ

ワイン選考会議

「日本のワイン、ましてや、元自転車選手が造ったワインなんて、言語道断だ」 
「絶対に採用しては、ならん!」
部屋の主らしきその人物は、重厚な役員室のドアが閉まると、バァン! と、机を大きく叩き、立ち上がり、一気にまくし立てた。
「キミも知ってのとおり、当俱楽部においてワインは単なる飲み物のひとつではない」
「ワインの果たす役割は、非常に大きく、極めて重要だ」
「下品な日本のワインが、伝統と格式を誇る当俱楽部で採用されるなんてことは、万が一にも、あってはならんのだ!」
「ただ、表向きには、差別的、排他的なことは、言えん時代だ」
「分かっているね、キミ」
役員室には、大きく厚みのある木製の机が置かれ、ひじ掛けや脚には、細かな彫刻が
施された黒い革張りの椅子が置かれていた。
ひときわ目を引くのは、壁に掛けられた人の背丈ほどもある大きな油絵である。
そこには、風に揺れるたてがみ、気高く、優しく、力強き、馬たちの走る姿が、今にも額縁から飛び出してきそうなほど、躍動感たっぷりに描かれていた。
「はい、充分、承知いたしております」
「私にお任せください、必ずや、採用を阻止いたします」
「それと、今日、選考会議の前に私と会った事は、くれぐれも内密にしてくれたまえよ」
「はい、もちろん、心得ております、ご安心くださいませ」
キツネ目で、銀縁のメガネをかけた男は、そう、応じると、広げた右手を胸にやり、軽く会釈し、人に悟られぬよう足早に部屋を出た。

銀縁メガネの男が去ると、その人物はゆっくりと窓に近づき、眼前に迫る東京タワーをじっと見つめ、「あの、あいつが、・・・ ・・・」と、心の中で、そう、つぶやきながら、眩しそうに目を細めて、意味深な笑みを浮かべていたのであった。
                         つづく
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好評?発売中!


朝日新聞に掲載された記事


コミカライズに最適小説です!

マンガにしたーい。
ピンと来た、マンガ作画家(プロ、アマ問いません)さん、
いませんか?
今が 千載一遇のチャンスです。

この肉球に とまれニャー!

ネコ界じゃ、完全 スルーだけどニャー笑‼