🍷日本ワイン史上、初⁈アルコール１５％のワインは どうして生まれたのか

『４９６ Arc-en-ciel（アルカンシェル ）2023 』　
　
これまでの日本ワインの常識を覆す特別なワイン誕生！

僕は看板ネコの８（ハチ）ですニャ。できれば、８ちゃんと呼んでください

日本ワイン史上、特別なワインが誕生したのには訳がある。

今回は、496ワイナリーで生まれた特別なワインを紹介するニャ～。

たかが１５％、されど１５％！
日本酒ならごく普通のアルコール度数だけど、日本ワインでは前例のないほどの高アルコールのワインなんだニャ。

そのワインには物語がある！
ワインのアルコール度数が「１２％でも、１５％でも、あまり興味ない」
それは、そうなんだけど
テロワールやヴィンテージ（栽培年）の違いが、アルコール度数にも映し出されるのもワインの魅力なんだニャ～。

僕の本音をいうとネコ界じゃ、どうでもいいだけどニャ（　＾ω＾）・・・

「テロワール」なんて気取った言い方して
ネコ舌を噛みそうだけど、気候や地形などの栽培環境のことらしいニャ。

＊どうしてアルコール１５％の日本ワインが誕生したか?

高アルコールは、甘～いブドウだった証しだニャ！
常識を超える甘いブドウだったんだニャ。
ブドウの甘さとワインのアルコール度数は直結するんだ。
甘～いブドウから造られるワインほどアルコール度数は高くなるニャー。
（ブドウに含まれる糖分が酵母の働きでアルコールへ変化するんだニャ）

因みに、加糖して１５％を超えるアルコール度数のワインを造ることは法律で禁じられているニャ。

右下、５色のストライプが目印だニャ。

なぜ、日本全国にたくさんブドウ畑があるのに496ワイナリーの畑だけ
そんなに高糖度のブドウが実ったの？

2023年、496ワイナリーのブドウ畑では

　①例年にない大きな昼夜の気温差の継続

　②例年にない少雨による水分ストレス

　③例年にない収穫量の抑制

などの要因が重なり合って非常に高糖度のブドウが収穫できたんだニャ。

① 高糖度の決め手は昼夜の気温差ですニャ。

果物の味の決め手は昼夜の寒暖差とよくいわれるニャ～！
もちろん、ワインの原料となるブドウも例外ではないんだニャ。
むしろ、凄ーく、大切な要素なんだニャ。

昼間は暑く、しかし夜間は涼しい。
この相反する条件に高度に適合する場所は日本の国土には存在しないんですニャ。
例えば、高アルコールのワインの産地として有名なカルフォルニアのナパ バレーのような気候（昼夜の気温差が非常に大きく、乾燥している）の場所は日本には存在しないんですニャ。

僕、ハチはナパへ、行ったことないけどね（　＾ω＾）・・・

故に、通常、これまでラベルにアルコール度数１５％と表示される日本ワインは生まれてこなかったんだニャ。

496ワイナリーのブドウ畑は日本国内の産地では昼夜の気温差が大きいと言われる長野県の東信地域内でも、特に昼夜の気温差が大きい場所ですニャ。

僕の縄張りは、本州で最も海から遠いエリアなんだニャ～。

＊なぜ、長野県の東信地域は他の都道府県に比べて昼夜の気温差が大きいの？

それは海から遠く、ブドウに適した標高がある場所だから　

海は温まり難く（昼間）、夜間は冷め難い

長野県東信地域は、本州で太平洋からも日本海からも最も海から遠い内陸のエリアにゃんです。
海は陸地に比べ昼夜の温度変化が少なく、陸地は昼夜の温度変化が大きい。海から遠く離れている場所ほど海の影響が少なくなり、気温差が大きくなるのです。
海から最も遠い長野県東信地域は、昼夜の気温差が生じ易いエリアにゃんです。
内陸性の気候＝昼夜の気温差が生じ易い。晴天率が高く空気が乾燥し年間降雨量が少ない。

雨が嫌いな僕には嬉しいんですけど、
僕はテレビでしか海を見たことがないんだ。

たまには海の幸を味わいたいニャ（　＾ω＾）・・・。
焼き魚の香ばしい香り・・・
鼻をくすぐるニャ～///
召使い（ボス）のヤツ
「塩分のあるアジの開きは身体に悪い」
と僕にはくれず、食べたことがないんだニャ。
いつか、きっと、召使い（ボス）の食卓から奪い取ってやるニャー❕❕

標高が気温差を生む・・・？

また、長野県は都道府県別の平均標高が全国一高く、標高による昼夜の気温差が発生し易いんだニャ。

みんな、昔、学校で習ったこと思い出してニャ。
標高が高いと空気の密度が低いので放射冷却を起こしやすく、昼夜の気温差が大きくなるんだニャ。

４９６のブドウ畑は標高６６０ｍ～７００ｍにあるんだ。

４９６のブドウ畑は海からは遠く、栽培している品種に適した標高があり、昼夜気温差を生む要件を兼ね備えた場所であることが分かるかニャ。
ちょうど、いーんだニャ～！

ワイン用ブドウに求められるもの

一般的に生食用のブドウは酸味は弱く糖度が高いことが求められますが、ワイン用ブドウは糖度が高いだけでなく酸味もあることが求められるんだニャ。

栽培好適地は少ない？

冷涼な（標高が高い、緯度が高い）場所では糖度が上がりにくくなり、逆に温暖な（標高が低い、緯度が低い）場所では酸の保持が難しくなるんだ。

相反する２つの条件を満たす境界域の限られた場所がワインブドウ栽培好適地なんだニャ。
美味しさには訳があるんだ。

＊なぜ、東信地域の中でも特に496ワイナリーの畑は昼夜の気温差が大きいの？
地形の違いが大きな気温差を生む！

おひさまの照らす方向が大きな違いを生むんだニャー。
強い西日を受けない、南東に向いた地形だからなんだ。

同じ東御市内でも千曲川右岸（北岸）は街全体のベースが緩やかな南西向き傾斜地であるのに対して、弊社の位置する左岸（南岸）のブドウ畑はベース自体が南東向き傾斜地であるため昼夜の気温差が大きいんだニャ。

西向きの傾斜地では気温の上がる午後、強い西日で照らされるので地面が温まり夜温が下がりにくくなるんだニャ。
みんな、分かるかニャ～。

また、高品質なブドウが収穫できる畑の条件として、強い西日に照らされると果実、自体も熱を帯びてしまい品質低下を招くと言われていて世界一の畑といわれるブルゴーニュの黄金の丘は強い西日を受けない東向き傾斜地である。
これまた、ブルゴーニュも行ったことないけどニャ（　＾ω＾）・・・

強い西日を受けるとワインに大切な要素である酸を保持したまま糖度を高めることが難しくなるんだ。

夏季に日照時間がフランスほど長くない長野県ぐらいの緯度では、真に東向きでは日照量が不足するので南東向きの傾斜地が最良とされるんだニャ。

2023年の収穫期、９月に入っても連日30℃を超える厳しい残暑が続いたんだ。

他方、この年の当園では夜間は秋らしく涼しくなる日も多く好天に恵まれ飛躍的にブドウの糖度が高まったんだニャ。

大規模な凍霜害が発生することもある畑だからこそ実った特別なワイン

＊リスクとリターンは隣合せ。

ただ、昼夜の気温差が大きいのは良いことばかりではないんだニャ。

栽培好適地であるがゆえの逃れられない宿命があるんだニャ！

表裏一体というやつじゃニャ～。

例年、多少の霜害が発生する496ワイナリーのブドウ畑ですが、2024年の春は大規模な凍霜害に見舞われたんだ。

この日、日本列島は寒の戻りとなり全国的に冷え込みが強まったんだニャ。

純毛１００％、いま流行のキジトラの毛皮を着ている僕ですら寒くて、兄弟と身を寄せ合い寒さをしのいだニャ～。

下の10分データは、千曲川左岸、弊社のブドウ畑（八重原　標高６６０ｍ）に設置されている気象観測機のデータだニャ。（2024年5月10日）

長野県東御市八重原

凍霜害の後 首をうなだれ枯れたブドウの新芽

下の写真は凍霜害の前々日　（５月8日撮影）

生きよいよく　天に向かって伸びています。

↓　下の東御アメダス（右岸、標高958ｍ）を見てくださいニャ。

千曲川右岸、東御アメダス・気象庁のデータ

ご覧のように右岸のエリアでは弊社のブドウ畑（標高660ｍ）より標高が高いのにも関わらず氷点下までは下がらなかったんだニャ。
（最低気温プラスの１．１℃）
一方、496ワイナリーの畑では夜中の２：００頃には氷点下となり5時過ぎに最低気温は－１．４℃まで下がってしまったんだニャ。

通常、標高差だけならば2℃程度は高くてもよいはずにゃんだが、実際には標高が低いにもかかわらず、逆に２.５℃も低くなったんだニャ。

他方、最高気温は496ワイナリーのブドウ畑の方が２℃ほど
高かったんだニャ。

ちなみに凍霜害の当日、標高が300ｍ以上高い避暑地として有名な軽井沢よりも、東御市八重原（千曲川左岸）の方が最低気温が低かったのがわかるニャ。

このように496ワイナリーののブドウ畑は特に大きな昼夜の気温差を生む場所であることがわかるニャ。

昼間は気温が高く、夜は寒いなんて、なんと理不尽だニャ～。
おかげで僕のオヤツのチュールが減ることになったニャ～‼

霜道（しもみち・霜の害にあい易い場所）は、むしろ恵みの証

通常、悪く語られることが多い用語ですが、霜道＝気温差が大きい場所、ワイン用ブドウにとっては歓迎すべき場所でもあるんだ。
但し、北向きなどの傾斜地だったら別だけどニャ。

このように昼夜の気温差が大きい畑だからこそ Arc-en-ciel 2023（アルカンシェル）は生まれたんだニャ（　＾ω＾）・・・。

＊でもなぜ、昼夜の寒暖差が大きい方が糖度を高めるの？

ブドウだって夜、暑いと寝苦しい・・・？！　夏バテするニャ～‼

全般的に日照のある昼間の気温がある程度高い方が糖度を高めるんだニャ。

（光合成が活発＝エネルギー蓄積が大）

＊糖度を高めるには酸が減少するが収穫時期を遅らせるのもある程度は有効ですニャ。

昼間に光合成でエネルギーの蓄積を行い、光合成を行わない夜間は呼吸（酸素活動）だけで消費となるんだニャ。この時、気温が高い状況下では呼吸がより活発になり昼間に光合成で蓄積したエネルギーをより多く消費してしまうんだ。

近年、夜温が下がらないためブドウが色づかない着色不良が問題となっていますが、これも夜温が下がらないためにエネルギーの消耗が大きく、着色するためのエネルギーに振り分けることができなくなった結果なんだニャ。

夜温が高いとエネルギーの浪費が起こる＝樹体維持だけで精一杯という状態＝着色するためのエネルギー不足になるんだニャ。

夜間、暑いままだと消耗してしまい、効率的に糖分の蓄積ができなくなるんだニャ。

僕は暑い時、召使い（ボス）にエアコンのスイッチを入れさせる。
僕は１日のうち１６時間はぐっすりと寝るんだニャ。

② 水分が抑制されると膨張、希薄化せずに凝縮した果実となる。

日本の国土は海外の乾燥した地域に比べ雨が多く湿度が高い気候です。多雨、多湿の日本でブドウはあまり水分ストレスを受けることがありません。これも日本で高糖度のブドウの収穫が難しかった理由の一つですニャ。

2023年、夏場～収穫期、当園は例年に無い少雨でした。畑には随所にひび割れが発生するなど例年にない乾燥状態でした。

近隣で雷鳴が轟いてもポツリ、ポツリ程度の事が多く大地を湿らすほどにはなりませんでした。

「えっ、僕は雷が鳴ると、隠れているって・・・」
雷が怖いんじゃぁ、ありませんよ。
ただ、狭い隅っこが好きなだけですニャ～（　＾ω＾）・・・

強粘土の特性が発揮される

また、強い粘土質の土壌は乾くと水を弾く性質があり、少量の降雨では表層を濡らすだけでブドウの根がある地中まで到達しませんでした。

（信州大学設置の土壌水分計データより）

稀なほどの少雨だった2023年秋の八重原。

そして、その少量の雨さえも地中深くまでは浸透させない畑の土壌特性が糖度を高めたんだニャ。

※日本では有数の年間降水量の少ない（内陸性の気候）エリアですが、例年ですと夏場２～４日程度に一度は大地を湿らすほど降る事が多い。

③ 着果量の抑制（制限）作用。少ない実にエネルギーが集中だにゃ。

たくさんは収穫できませんでしたが・・・

2023年の当園では開花期～幼果期の段階で病気となり着果量が例年よりも大幅に減少いたしました。ただ、その後の収穫期までは好天に恵まれ残った果実は良好な状態で収穫することができたんだニャ。

着果量の制限と言っても収穫期に病気となり減少するのでは品質の向上は望めませんが2023年のような状況ではエネルギーが分散することなく残った果実にエネルギーが集中し品質が向上したんだ。

上記のような稀有な要因が重なり合って、特別な日本ワインが誕生したんだニャ～。

この奇跡的な偶然から誕生したワインを
「Arc-en-ciel（アルカンシェル）」
と名付けたんだニャ。

命名の由来

その１
＊アルカンシェルはフランス語で、虹（レインボー）を意味します。
晴れと雨、相反するふたつの偶然が重なり生れる光と水の造形美、虹。
そして稀な偶然から生れたワイン。
皆様がグラスを交わす時、虹を見つけた高揚感、幸福感や希望に満ち溢れますよう願いを込めたんだニャ。

その２
自転車競技の世界選手権チヤンピオンには栄誉をたたえ金メダルとともに青、赤、黒、黄、緑のストライプのジャージ、マイヨ アルカンシェルが授与されるんだニャ。（５色は５大陸を現す）

僕はいつもお父さん譲りのキジトラ迷彩色で、バッチリきめているニャ❣

４９６アルカンシェルが大願成就、勝利の美酒となり、皆様へ幸運をもたらすことを祈り名付けたんだニャ。

今後、温暖化により更に残暑が続いても、夜間もあまり気温が下がらない日が増えると推測されます。（2024年は2023年を上回る残暑でしたが、夜温も高い日が続きました）また、今後も奇跡的な少雨の年もあるでしょうが、むしろゲリラ豪雨など多雨の方が増えるのではないかと懸念されるニャ。

わかるかニャ～、このアルカンシェルと命名する特別なワインは2023ヴィンテージが最初で最後になるかもしれないんだニャ！

特にピノ・ノワールは日本ワインとしては前代未聞のアルコール１５.4％のスーパーリッチなワインなんだニャ（　＾ω＾）・・・

496アルカンシェル2023の発売予定

☆パシュート アルカンシェル ソーヴィニヨン・ブラン2023
(発売中）

☆パシュート アルカンシェル シャルドネ 2023
（令和７年5月頃発売）

☆アマンダ アルカンシェル メルロ 2023
(樽熟成中 発売未定）

☆マディソン アルカンシェル　ピノ・ノワール 2023
(樽熟成中 発売未定)

文中のように収穫量が少ないので通常の年に比べて生産本数が少ないのでご注意くださいニャ。

あなたはこれまで味わったことのない未知の日本ワインと出逢うことになるニャ～。

Arc-en-ciel　（アルカンシェル ）2023

長野県東御市八重原の風土だからこそ生まれた特別なワインをご堪能くださいニャ～！

東御市のワイナリーが生み出した白ワインの自信作　寒暖差生かしたアルコール度数15度の「リッチな味わい」｜信濃毎日新聞デジタル　信州・長野県のニュースサイト

最後におまけ
下のサインは僕のママ、９６ちゃん直筆のサインですニャ～///
（キーボードに飛び乗り）
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