連続テレビ小説「ブギウギ」観賞記録(第25週「ズキズキするわ」)
・若手歌手の水城アユミ(吉柳咲良さん)が登場、彼女が出演する時点できっと史実的に言えば美空ひばりさんも出るであろうと思っていたが、立場的にはその位置なんだけどまさか股野と礼子の一人娘だったとは、これは嬉しい展開。
・尊敬して自分の歌手への道へのキッカケとなった人物のその娘がスズ子を尊敬してそしてライバルとなるのは分かりやすいのだけれど個人的に熱い展開なので好き。
・丸の内テレビのディレクターで登場したのは沼袋勉(中村倫也さん)でネットを調べる限り和田勉さんがモデルのようだが喋るたびにスラスラと洒落を言っていて文章で起こすとウザい系なんだけど演じている姿を観ると面白さの方が勝っている印象。
・今回だけのゲストだけじゃあ勿体ないなぁと思うほどインパクトがあり良い味が出ていると思うがいつの間にかタケシがテレビ局の人と馴れ馴れしく喋ったり上から目線なので調子乗っているなぁと思った。
・愛子の誘拐未遂事件を起こした小田島を庭師として雇ったスズ子、タケシは当たり前だが猛反対、だけどスズ子の「義理と人情」はツヤから教わった大事な事でここで活きていくかと感心。
・しかしタケシはスズ子の事を思うがあまり少々傲慢な態度はドラマ上であっても残念、抜けていてドジだが一生懸命なところが愛嬌があって良かったのに。
・アユミは股野と共に「ラッパと娘」を歌わせてほしいというのは分かる、自分の尊敬するスズ子、そして歌手になりたいキッカケとなった大事な曲なのも分かるが善一への許可まで頼むのはちょっとどうかと思った。そこはスズ子は勿論、善一への申し出はちゃんと筋を通して丁寧にするべきだと思う。
・アユミとの件を善一に報告するスズ子、いつもの穏やかな善一からのスズ子が歌ってからこその「ラッパと娘」を大切にして欲しい事とアユミがスズ子以上だったらスズ子が戻る場所がなくなるというのは厳しくも愛のある言葉だと思った、迷っているのはスズ子らしくないとも言える(尊敬する礼子の娘という事や勢いのある若手の登場もあるかもしれないが)
・やはりそれ以上にその後のりつ子の言葉が痺れた、「甘えてるだけ」「比べられるのが怖いだけ」「以前のスズ子なら(アユミのような歌手は)ワクワクしていた」「逃げている」という叱咤激励は流石ライバルの言葉だと思った。
・スズ子が勢いよく去っていった後奢られる羽目になって叫んだ場面もクスリと笑わせながらも笑みを浮かべる表情が更に良かった。本来のスズ子に戻ったようで観ているこちらも嬉しい。
・そしてそのスズ子の決意を聞く善一の優しい笑みが良かった、きっと「ズキズキワクワク」という言葉というか二人が出会った頃のような感覚に戻ってきたのではないかと思った。
・愛子にも「逃げても良い」、と本人に任せたのも良かったしこれまで愛子にべったり優しかったスズ子も突き放すのではなく見守るような印象を受けたし、結局競争では負けてしまった泣いていたけど優しく慰めるスズ子の姿が微笑ましかった。
・歌合戦でのアユミの「ラッパと娘」とスズ子の「ヘイヘイブギー」の対比が面白く久々に観れた歌の場面という事もあったけど「ヘイヘイブギー」についてはここで流れるのか!という気持ちにもなった。
・アユミも良かったんだけどやはりスズ子の「コピー」感があって今で言うところのカヴァーではないので踊りもスズ子のそれと同じだったのでちょっと違和感だった。
・正直なところ、アユミについてはもっと前から描いてほしかったという気持ち、勿論礼子の娘というスズ子にとって尊敬する人の娘で若手有望株の歌手である事は台詞で把握できる、だけどドラマ上では今週が初登場なのでキャラに対する感情移入という意味ではもったいないと思った。
・これまで史実をモデルとしたドラマの流れであったけど礼子の娘という役割ならばもう少し早く登場させても良かったのかなと思った、スズ子に対しては「ブギ」のピークから人気が落ちていく中でのアユミという新しい勢力の登場をもう少し描いてくれたら良かったかなと思う。