2022/02/07
髪を切りに行きたい。しかし、美容院が怖い。
怖すぎて前髪だけは自分で切っているが、本当はプロの腕に任せたいし、前髪以外の部分も気になってきた。とはいえ、怖いものは怖い。
何が怖いって、あの異様な距離の近さ。
整体も怖い。脱毛サロンも怖い。
いちばん恐れているのは、化粧品売り場でのタッチアップ。あれは、本当に…、顔を…、顔に…、顔が…!!!近い!!!おい!!!
怖い。怖過ぎる。恐怖が脳を支配する。
私の緊張を察して、大抵の店員さんが絶えず話題を振ってくれるのだが、怖いので無駄に愛想良く答えてしまい、施術が終わるまで緊張感のある会話が続く。ホスピタリティが憎い。
念のため書いておくが、私がこのように恐怖を感じるのは、過去に嫌な接客をされただとか、トラウマを抱えているからではない。単に己の容姿に対するコンプレックスと、過剰な人見知りによるものである。
いや、美容院は別かもしれない。
指名なしで来店したところ、チャラいおじさんに両肩に手をポンと乗せられ、「大丈夫、可愛くしてあげるからね。」と言われたのは根に持っている。施術後に、「ほぉ〜ら、可愛くなった。」と言われたことも。てめえ。セクハラです。
美容院が怖い私の救世主は文庫本だ。
「すみません。本、読んでいてもいいですか?」と最初に一言断っておけば、相手も黙々と仕事をこなしてくれるし、私も読書によって緊張を和らげることができる。
勿論、切った髪が本の各頁に挟まるので、友人から借りた本や新刊ではなく、古本を持っていく。これは、めちゃくちゃ良い。お勧めです。相手もなんとなく察してくれる。
こちらが読書をしていても、構わず世間話を振ってくる人も稀に居るが。
この悩みを知人に話すと、「お気に入りの美容師を見つけて指名すればいいじゃん。」と言われる。無理です。
まず二回目の来店が無理。経験上ほぼ100%、来店履歴を確認し「久しぶりですね~」と言われる。そして時間が経つにつれて、敬語で話してもらえなくなる。
その時、裏切られたとすら思う。
初対面の時はあんなに心地のいい距離感を保っていてくれたのに、どうして…?私たち、今までもこれからも他人じゃん。私という個人を認識しないでよ。客Aとして、ううん、客Aすら嫌。お願いだから、同種の生命体くらいに思ってよ。
もはや失恋したような気持ちで退店する。
自分が面倒な人間だと自覚しているので、自然と髪を切りに行かなくなる。去年は何度か床屋に行ったが、床屋のフレンドリーさの方がやばかった。
寡黙なおじさんに黙々と切ってもらえると期待したが、私が女性だからか、どこも奥様が対応してくれた。もう、すごい。すごい近い。物理的にも、心理的にも。今後行くことはないだろう。
故に流浪の民として、様々なサロンを渡り歩いているが、そろそろ落ち着きたい。ホットペッパービューティーとの睨めっこに疲れた。
美容師の友人は居るが、彼の勤める原宿まで行く気力が無い。ごめん。
最後に髪を切りに行ったのは昨年11月。どうにかしなければ。気が重い。
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