銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(26)量産型ひまわりの七日間
棺に入れられたグリロット中尉は眠っているようだった。格納庫脇の断熱されていない空間に天然の冷凍保管庫がある。その一角が霊安所となっていた。この艦には全員分の棺が用意されている。出航以来、最初の利用者が敵兵というのは、我が軍にとって悪いことではないはずだ。
グリロット中尉の冷凍された遺体はこのまま人権委員会に引き渡され、家族のもとへと帰る。
彼は娘のことを「宇宙一可愛いです」と目を細めていた。僕と同じ年の彼女はどうなるのだろう。アリオロンでは子どもの幸せは最大限に尊重