Road To 音大⑥作品へのアドバイスは…?
(前回のあらすじ)
音大を再訪して作品を聴いてもらいにきたら、聴音のレッスンに苦しんだよ
https://note.com/46k/n/ndbdf6b0d32c6
いよいよ音大講師によるぼくの作品によるアドバイスへ!
指定された時間に個室へ向かう。
聴音の授業で一緒だった女子が、作品に対するアドバイスを貰いながらケラケラ笑ったり地団駄踏んでる様子がドアの向こうからチラッと見えた。
めっちゃ楽しそう。
扉を開けて出ていく女の子から
「あ、さっきの聴音苦手な人だ」
という表情で会釈をされて、いざ講師の元へ。
「今日はどんな目的で来られました?」
「来年の受験を考えてるんですけど、受験に当たって作品でのPRが必要じゃないですか?それに向けた作品について、実際合格の基準に達しているのか、箸にも棒にもかからないのか、などのアドバイスをいただきたくて!」
みたいなことを緊張からペラペラと早口で伝えて作品を聴いてもらうフェーズへ。
渡したUSBの音声をささっと並べて、手慣れた感じで1コーラス聴くたびに切り替えていく。
「ふむふむ」とか言いながら。
うー、なんか言ってよー
ドキドキするぅ
真っ先に指摘されたのは
①歌の音程がちょっとズレてるところがあるね
うすうす気づいてた!
ぼくの曲、歌い手さんには難しいんだよー
今は音程を修正するツールが一般にも普及してるけど、30年前はそんなことなかなかできなかったよー!
実際、最近の歌の方が難しいから、若い子の方が歌上手い気もするよね。
次に指摘されたのは
②今時のサウンドにするために、もっと低音出した方がいいね
ふむふむ、参考になるぅ。
楽曲の出来については
「絶対ではないけど」と前置きしながら
③例年通りの基準ならたぶん大丈夫だと思いますよ。良い曲ですね。とても丁寧に作られている。
と言ってもらえた。
やった!
もう悔いはない!
ぼくのRoad to 音大はもう終わったも同然笑
合格基準をクリアできそうな目途が立ったことで、
あとは行きたいのか行かなくてもいいのか、自分の意思を決めるだけだ。
その判断の材料に、と正直ベースでぼくの悩みも相談。
「ただ、音大じゃないとダメなのか?については少し悩んでいて…」
「音楽学校とかでもいいんじゃないの?とも思ってるんですけど…」
「けれどやっぱり入学にハードルがある分、真剣みが違う、環境が変わるのかな、とも思っていて…」
自分がハードルをクリアできそうと言われた瞬間に選民意識を漂わせながら、明確な回答が出ない悩みを吐露した。
すると、意外な返答があった
「実は私、最初音楽の専門学校に行って、その後この音大に入ったんですよ」
え?どこに行ってたんですか?
「○○〇っていうところです」
知ってる!
ぼくも昔行こうかと検討したことある!
「そういうところって、やっぱり音大に比べると安いのもあって、音大ほどはお金を出せない、という人が来る面もあって…」
それはそうだろうなぁ。
ぼくが親の立場でも、なかなか音大の金額をポンとは出せない。
「途中で辞めてしまう人がかなり多いんですよ」
え?むしろちゃんと来いよ!
あ、2年目に入るときに
「このままここに払っても…」
と考えちゃうのはちょっとわかる。
「入学したとき、150人くらい同期がいたんですけど、2年終わって最後に卒業したのはぼくを含めて2人だけでした。」
ええええええ、いくら何でも少なすぎない?
って思ったけど、そういえばぼくも夜間の音楽学校はちゃんと卒業できてなかった笑
「もちろん、卒業だけが目標じゃないし、音楽で食べれるようになったら来る必要もなくなって、っていう人もいますから…」
たしかにそうだろうけど、ほとんどの人はきっとそうじゃないだろうなぁ。
音楽学校を完遂するには、ぼくが思っているよりもはるかに強靭な意思が必要みたいだ。できるかなぁ。
そして、大事なことを問われた。
「音大でも音楽学校でも、入ってから何をしたいですか?」
ハッ!入れるかどうかに意識が向かい、その後のことはあんまり考えていなかった。
「まずは自分の演奏や制作をレベルアップして…」
ぼくは考えながら絞り出すように話し始めた。
相手はじっと聴いている。
「もしその結果、自分の曲が多くの人に聴いてもらえたら、と思うし…」
「プロレスが大好きなので、もし誰かの入場テーマが作れたら最高ですね!」
大きく頷いてくれた。
自分の中でも思っていなかった夢を口に出してしまって少しびっくりした。
とはいえあとは、これを踏まえて音大を受験するのかしないのか、自分で判断するだけだ。
そのため必要な次のステップ。
次回は音楽学校の1週間体験だ!
音大の芝生上をゆっくり走る謎のマスコットカーを見ながら徒歩5分の帰路へ