蝶が食草を見分ける仕組み
蝶は卵を産む植物が決まっていて、例えばキアゲハならセリ科、モンシロチョウならアブラナ科の植物。蝶の成虫の脚が、人間でいうところの舌の味がわかる感覚器官になるらしく、蝶の成虫のメスは、飛びながら複眼でまず、それらしい植物を見つけ、脚で実際に自分の子供たちが食べられる植物かどうかを見分けているらしいです。これは本能でプログラミングされているもので、事後的に習得しているものではありません。
ここまでは、わりとすんなり理解できる話なのですが、今年(2022年)に入って道北の下川町ではナミアゲハがかなりの個体数、発生していて(少なくともここ7年ほどはナミアゲハ自体見たことがなかったです)、自宅に植えたルー(ヘンルーダ)の鉢に次々と産卵し続けています。
今年がたまたまナミアゲハの発生数が多かったのか、自宅にルーを植えたから、どこかから寄ってきたのか要因はわかりません。肝心のミカン科のキハダや栽培されているサンショウなんかも、おそらくかなり遠い場所にあると思うので、リスクを冒して、遠距離を移動し食草を探す必要があったのか謎です。
確実に飛んだ先に、「自分の食草がある」という、そういのがわかるセンサーみたいなものがあれば話は別ですが。
アゲハチョウの視力は0.02前後らしいです。
(見える光,見えない光 : 動物と光のかかわり』共立出版 2009)
蝶は紫外線の色が見えたりと、花やオス・メスを判断するため人間とは、別の環世界があります。
ナミアゲハが、ルーの近くに来ても一発でルーを当てることは観察している限り一回もなかったので、近場からの食草発見の精度は低いです。