250124
華奢な美人が苦しそうに電柱にもたれている。黒髪、白のワンピース、裸足で、ふくらはぎに粘り気のある水滴が垂れている。
半歩離れた所に卵が落ちている。鶏のそれのような大きさで白地だが、紫の靄のような濃淡のある模様が付いている。冬の温度の中で微かに湯気が立って見える。
おれはそれを異性の恥部のような、見てはいけないものだと感じて、慌てて目を逸らした。取り繕うように女に声を掛ける。大丈夫ですか?
上気した色素の薄い頬、首筋。汗ばんだ額から流れた髪が薄く開いた口の中に続いている。伏せた睫毛から汗が一つぶ滴って、瞬くように女がおれを見た。
そこで目が覚めた。