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「これからはデジタルの時代じゃないですか?」は本当なのか?【1日当たりスマホでの情報収集にかける時間は平均136.4分】


プロローグ

S2C.Lab(エスツーシーラボ)として活動していると、デジタル(IT)に関連したサービスを提供する会社の営業関係者とお会いし、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関して談義する事が多くなってきました。その際「んん?」と思うような発言に時間が止まる事があります。

それは「これからは、デジタルの時代じゃないですか?」だから、より多くのサロンさんや関係者の人にお伝えしたいんですよね!って、営業さんの鏡の様な事を耳にしますが…その”デジタルの時代じゃないですか?”と言う言葉は、一旦何の根拠で言っているのか、正直気になり始めてきました。

そこで、何気ない事ではありますが、その言葉の根拠について、実際にデータを見ながら考察し、抽象的な表現よりも、根拠を持って、言葉を理解したり使いたいと思い研究する事に致しました。それほど経営に直結するかどうかは分かりませんが、誰かのお役に立てられると嬉しいです。


消費者目線に立つと見えて来るトレンド

2007年に、スマートフォン(携帯電話)が登場しました。それ以来、インターネットに接続できる機器は、パソコンから携帯に移行しました。これにより、様々な情報に簡単に触れることができ、自分が知りたい情報をすぐに入手することができるようになりました。その中には、美容に関する情報も含まれています。

出典)総務省「通信利用動向調査」各年版を基に作成

デジタルマーケティング(DX)を推進するGlossom(グロッサム)社が、2022年に大変興味深い調査結果を発表致しました。その調査内容とは「情報収集におけるスマートフォンの1日の平均利用時間とその推移」を調査し、私達自身が、スマートフォンを用いて情報収集に努める利用時間の変化をグラフ化したのです。


購入の参考や後押しとなる情報源、1位は「店頭」

Glossom調査によると題名とは裏腹に店頭での営業推進が際立ったデータ分析になっている。早くも「これからはデジタルの時代じゃないですか?」と言う言葉に疑問を持たざる得ないデータが存在する。そのデータを早速以下にご覧頂こう。

Glossom調査「商品・サービスを購入する際に、参考にする情報源」

上記データの18項目中7項目は、インターネットに関連した項目であり、商品購入における38%はインターネット情報からなるものとなる。しかし、アンケートデータの回答率を全て合算すると385.9%となり、7項目分は186.6%になる為、得票率から分析すると48.3%がインターネットからの購買得票率となるので半数に近い割合で、購買に繋がっている事が良く分かる。

【調査概要】
調査対象:日本全国の10代~70代の男女2,464名(男性1,232名,女性1,232名)
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査時期:2022年10月28日(金)~10月31日(月)

Glossom調査

ここで注目すべきは上位5位の内、1位の「店頭」を除く2位~4位は、全てインターネット関連によるものであり、題名にある通り”デジタル時代”と言っても大きな問題でないと思われます。ただ、この手の言葉を用いる際は、1位の「店頭購買力」を無視し、安易にさデジタル社会を語る事は危険⚠であると考える。少なくとも、IT関連(デジタル系企業)は、この事をしっかりリスペクトした上で、自社のサービスを語るべきである。



3位に位置する購入の際に参考にするSNSとは一体何か?

さて、数あるSNS(Social Network Service)の中で、どのSNSが購買に対して影響力を持っているのかを考察する前に、SNSによって商品やサービスを購入する際に知るきっかけとなった商材についてデータがある。2021年に続き、2022年も”衣服・ファッション(16.9%)”が最も高い結果となった。また伸び率を見ると”化粧品”の伸び(12.5%→15.7%)も良く、”旅行”・”衣服・ファッション”・”美容”・”金融商品”も伸びている。

Glossom調査「商品・サービスを購入する際に、SNSが知るきっかけとなる商材」

S2C.Labが研究している”美容”に関連したSNSによる購買きっかけは、非常に重要視する点である。SNSによる購買きっかけは、15個項目の内、2位に属しており、これからの情報発信に至っては、インターネット特にSNSによる情報発信は無視出来ないと考えられる。

そこで、SNSの重要性は分かったものの、どういったSNS(Social network Service)を活用すべきかを、もう少し深く考察してみよう。


参考率を見ると1位「Instagram」の次に2位「YouTube」

Glossom調査「商品・サービスを購入する際に、インフルエンサーを参考にするSNS」

性別・年代別で見ると、若年層ほどインフルエンサーを参考にする割合に変化はあるものの、上記”YouTube”・”X”・”Instagram”・”TikTok”の4つの種類の参考率を見ると1位「Instagram」の次に2位「YouTube」である事が良く分かる

お客様(エンドユーザー様)との距離が近いサロン(小売店)では、当然の様に利用されているSNSですが、まだ全てのサロン(小売店)で運用されているかは疑問が残る。しかし、そんなサロン(小売店)に商品やサービスを提供する代理店(ディーラー)やメーカーについては、取り入れてはいるが、運用出来ていないのが、S2C.Labの聞き込みでは分かる。
※この点、改めてデータ取得を行いご案内する事と致します。


2024年月間アクティブユーザー数、1位「LINE」

商品購買に繋がるきっかけの2位~4位については、インターネット特にSNSによる貢献度は極めて高いと考えます。しかし、購買動機とは別に気に留めて置かなければならないのは、各アプリのアクティブユーザー数である。

下記の図を見れば一目瞭然で、如何なるアプリの中で「LINE」が圧倒的なアクティブユーザー数を誇り日本人口の約80%が、情報伝達のツールとして利用している。

S2C.Labとしては、サービスや商品情報をInstagramやYouTube等のSNSを活用し、その情報をLINEを活用して拡散する方法が、データから推測するに重要な利用方法ではないかと考えます。

2024年|日本・世界のSNSの利用者数ランキング

1日当たりスマホでの情報収集にかける時間は「平均136.4分」

次に、「これからはデジタルの時代じゃないですか?」を更に調べてる上で、スマートフォンで情報収集を、”1日の平均利用時間とその推移”をGlossom調査によると、2019年から2021年までは増加傾向にあり、お客様へのスマートフォンに、如何に情報を届けるが大事な事が良く分かるのではないでしょうか。

Glossom調査「情報収集におけるスマートフォンの1日の平均利用時間の推移」

電車や移動時に、周囲を見ていると、多くの方々がスマートフォンを利用しているのは良く目に入るのではないでしょうか。

それぞれ、何をご覧になられているのかは具体的には不明ではありますが、商品やサービスの分類別に利用率および利用時間とその推移を調べると、SNS・サーチエンジン・メディアの3種類における2022年の利用率は70%を超える水準を維持されています。さて「平均136.4分」もの時間を、一体何に時間を要しているのでしょうか。

Glossom調査「利用時間と利用率の推移」

グラフをご覧頂くと、年々全体的に閲覧率が高まっている事が良く分かります。”SNS”・”サーチエンジン”・”メディア”・”動画サブスク”・”ライブ配信”の全てが、スマートフォンにより全体を押し上げていると言えるでしょう。

当然のような結果にも伺えますが、その結果を受け止め、対処出来ている企業や小売店はどれだけいるのでしょうか?「やっている」「わかっている」では、むしろ遅く、それぞれのSNS効果を最大化出来るサービスも、早急に検討し導入する理由や意義があるのなら、早急に行うべきと考えます。


しかしながら、デジタル媒体特にSNS等を用いた情報発信により、その集客に関しては思いの他低い結果です。※下記アンケートを参照。

安易にSNSを更新しているからと言って、集客に直結せず、基本的にはサロンのサービスの明瞭化や、人材育成を重んじる改善を図る事の方が重要なのかも知れません。だからと言って、デジタル媒体を無視しろという話ではないことを、理解して頂きたい。

『売上=客数×リピート×単価』の構成で出来ています。サロンでの販売商品は、お客様がお越しになって売上の可能性が高まります。その集客そのものを一つのコンテンツに以前する事が危険であると言いたいのです。

お客様がサロン選びに重要視ししていること

昨年、上記の論文を投稿しています。
そこでは「メーカーのお客様はサロンではない」ということに向き合いましょう。という事を強く伝えています。

現場で働くスタッフは、与えられた仕事(施術)を真剣に行っています。メーカーは現場のことを考え、販売促進の教育や講習会を提供することもありますが、実際には時間だけが共有されていて、何も残らないこともあります。ディーラーやメーカーは、サロン(小売店)に代わって、商品の事や、商品の利点も含めて、SNSやYouTubeを活用して発信する事が重要になってきていると思われます。

既に、これまで当たり前としていた流通概念が大きく変わろうとしています。S2C.Labでは下記の様な変化が起きていると考えています。


サロンは、お客様にメーカーとのご縁をつなぐ事へ

S2C.Labが考える物流に関する営業姿勢イメージ

これまでの物販は、今も尚の縦社会から、循環型の流通関係が大事であることに気付いた人から物流の本質に気づき、 小売店様は、商品を販売する事が仕事ではなく、お客様とメーカーとのご縁を繋ぐ事が本来のあるべき姿である事を再認識する必要があります。

この考えを持ち、SNSによる営業戦略を構築する事で、今よりももっとお客様との距離が近づき、お客様の声を取り入れたサービスの提供や、商品販売にも貢献出来ると考えます


最後に

よってS2C.Labの考えとして
「これからはデジタルの時代じゃないですか?」は本当なのか?については、「本当の事ではあるが、デジタルを必要とする社会背景ではあるが、まだその時代感を感じきれていない方に対して、どのようにしてご理解頂くのかが重要課題である」と答えるのが、一番正確であると思われます。

S2C.Lab(エスツーシ・ラボ)では、美容業界で生涯従事し、より豊かな人生を得て頂く為の”コンパス(目指すべき未来)”と”地図(そのやり方)”を提示し、一人でも多くの方に、美容業界の素晴らしさを伝える事を望んでいます。

S2C.Lab 主宰


皆さまのお役に立てて頂けると幸いです。皆さまと関わるお客様が、経済的な健康を手に入れ、人々の笑顔に貢献される事を、心から期待しております。引き続き、記事をご覧頂けると幸いです。

S2C.Lab(エスツーシ・ラボ)
主宰 高山大樹

普段メディアに登場されない上場企業経営者様の取材動画の収録費用に活用させて頂き、多くの方々の学びの機会提供に活かして参ります!サポート頂けると幸いです😊