農薬を詳しく知るためのアレコレをご紹介します
安心・安全な食品を選ぶ時「どんな農薬が使われているか」気になりますよね。
ただ、やみくもに「心配だ~」と思っても、不安ばかりが大きくなって疲れてしまい、逆に健康に悪そうです。
農薬は色々ありますが、ココでは「グリホサート系農薬(以下、グリホサート)」「ネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコ)」だけを取り上げ、
安全性
残留している可能性が高い使い方
情報の調べ方
を詳しくご紹介します。
詳しく知ると安心できますよ~。自分で調べる時の参考にしてください!
政府の言う安全とは?
企業は「害がない」という農薬。それぞれについて、いろんな国が、いろんな動きを見せていますよ。
グリホサートの問題点
グリホサートは、植物中にある「シキミ酸経路」にダメージを与え、働かなくします。シキミ酸経路というのは……
植物や微生物が「フェニルアラニン」を生成する経路です。
人間はフェニルアラニンを生成できませんから、この経路は持っていません。けれども、乳酸菌などの「善玉菌」は、この経路を使ってフェニルアラニンを生成していますよ。
以前、衆議院でこんな質問がありました。
「乳酸菌などの善玉菌にはシキミ酸経路がありますよね?」「腸内細菌に影響ないんですか?」と、直球で聞いたんです。
その回答がコチラ
「ガイドラインで決められていないから、調べません」と言っています。
これって「安全」だと思いますか?というか、回答になっていません。
もっと詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
ネオニコの問題点
現在日本で使われているネオニコは7種類。
クロチアニジン
ジノテフラン
チアメトキサム
ニテンピラム
アセタミプリド
イミダクロプリド
チアクロプリド
です。
島根県の宍道湖付近の稲作農家が「イミダクロプリド」を使い始めた1993年。宍道湖の生態系に異変が生じ始めました。
ヨーロッパでも「ミツバチの大量失踪」が問題化。約4年にわたり慎重に検証を重ね、
「全体としてクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムを主成分とする殺虫剤の屋外での使用は、野生種を含めミツバチへのマイナスの影響を排除できない(上の記事から引用)」と結論付けました。
そして、日本で使用されているネオニコチノイドのほとんどが、EUでは「すでに使用禁止か、もうすぐ禁止」になりそうです。
もっと詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
使い方で差が出る「グリホサート残留濃度」
農薬が、食品中にどれだけ残留するか。
グリホサートとネオニコでは、大きな違いがあります。
【日本の大豆】収穫前に散布される可能性が
グリホサートで問題なのは、「収穫前・後の使用」。
日本の大豆は
収穫直前まで、畑・畑の周辺で使うことができるので、大豆にちょっとだけ残る時があります。
「農民連食品分析センター」という機関が、いろんなお菓子を調べた結果
国産大豆使用のお菓子から、グリホサートがほんのちょっとだけ検出されました。
これには「後日談」が。上のサイトの「考察と補足」から引用しますね。
「グリホサートが残っている大豆は食べたくない」という消費者の声を受けて、ホクレンが「収穫前にグリホサートの散布がおこなわれた大豆の取り扱いはしない」と決断したんです。
なので、2021年以降に収穫された、ホクレンが取り扱う大豆からは、グリホサートは検出されないと思いますよ。
【外国産の小麦】収穫しやすくするために散布される事が
先ほどご紹介した農民連食品分析センターが「外国産小麦使用パン」を検査した結果、有機小麦使用のパン以外からもれなくグリホサートが検出されました。
給食のパンも、同じ結果だったんですよね……。
これは、海外の小麦は広大な土地で一斉栽培されているから。収穫を効率よく行うためには、「全部の小麦が枯れて、乾燥していた方が便利」。
だから、グリホサートをまいて、小麦を枯らすのです。
「グリホサートを適用すると、不利な乾燥条件がある場合、小麦の乾燥が早まる可能性があります。」って事なので、一般的な手法なんですね~。
その時の農薬が「小麦に残る→パンになる→消費者が食べる」という流れ。
ちなみに、日本の小麦には
「種をまく前まで」しか使えませんので、残留はないと思います。
情報の調べ方
ココまで読んでお分かりのとおり、農薬には「使っていい作物」「使っていい時期」「使っていい回数」があります。
その「調べ方」を、ご紹介しますね~。例えば「ラウンドアップ」について知りたい場合は
で検索します。すると、こんな画面になりませんか?
「適用雑草と使用方法」をクリックすれば、どんな作物に、いつ何回使えるのか、詳しく知ることができます。
その要領で、ネオニコを調べてみますよ。
実際に「ネオニコ」を調べてみよう
「ネオニコ」は「農薬の有効成分の総称」。検索のときには「商品名」を入力します。
たとえば、ネオニコの一種「ジノテフラン」の 商品名は「スタークル」
で検索します。
すると、こんな結果になりませんか?
どのサイトを見ても、「スタークルの適用表」が出てきます。
小麦には使えないけど……
この表をじっくり見ると、いろんな事が分かりますよ。たとえば「麦には適用がない」……つまり、小麦粉や麦茶には、ネオニコの心配をしなくていいということ。
ただ、「コメやお茶には、残留する可能性が高い」です。なぜなら「ネオニコは植物に浸透する」から。
ミカンやリンゴは、皮をむいてもネオニコを完全に除去できません。
市販のペットボトルのお茶からも、ほぼ全てでネオニコが検出されています。
特別栽培米、よく見ると「ネオニコ」が!
そして、スーパーで買ってきた「特別栽培米」。どんな農薬を使ったか調べることができますよ。
一例をあげると
「ジノテフラン」が使われています。「有効成分名」と「商品名」があるので、ちょっとややこしいですよね~。
今回たまたま「トップバリュー」を引用させてもらいましたけど、残念ながら「どの特別栽培米も一緒」。ネオニコが使われています。
「使用農薬」が分かるのなら、
クロチアニジン
ジノテフラン
チアメトキサム
ニテンピラム
アセタミプリド
イミダクロプリド
チアクロプリド
コレが入っていないかチェックしてください!
これで、
安全性
残留している可能性が高い使い方
情報の調べ方
ザックリ分かりましたか?安全性に関しては「いろんな考え方」がありますから「メーカーが安全だと言っているから、安全!」という方は、自分の判断に従ってくださいね。
そして機会があれば、この方法を使って「ウチの食品に使われた農薬」を調べてみてください。