化学物質の「毒性」を詳しく知る方法
最近の柔軟剤って、ほのかな香りじゃなくて「臭い」「毒々しい」と思いませんか？
それを「香害」というのですが
香害の原因物質は、主に「揮発性有機化合物（VOC）」。つまり、シンナーでラリラリ～🤪と一緒。……だから、「いい香り」「やめられない😍」人もいれば、「息ができない」「吐きそう🤮」と訴える人もいる
と、私は思っています。
ちなみに、私は化学物質過敏症。町中に漂う柔軟剤や整髪料の香りで、毎度ヘロヘロになっています。
仕事で有機溶剤をずーっと扱ってきたので、発症したのでしょう😑……と自覚があるぐらい、私は職場でいつも「化学物質」を扱っていました。
ただ、漠然と化学物質を扱っていたわけじゃないんですよ。各種保護具を身に付け、事前に「毒性」を調べ、注意しながら化学物質を扱っていました。その際、必ず確認するのが「安全データシート（SDS）」
例えば「食塩の毒性を知りたい」と思えば、「塩化ナトリウム SDS」で検索⬇️
こんな感じで、塩化ナトリウムの詳細が出てきますよ～。職場ではコレを読みながら
どんな毒性があるのか
特に避けるべき事
必要な保護具
等を考えながら、業務にあたっていました。
というわけで「化学物質」には、必ずSDSがあります。ただ、例外があって……
「一般消費者用の製品」には、SDS不要なんですね～。けれども、同じ商品でも「業務用」にはSDSがありますよ。
つまり。それを見れば、一般家庭用商品の毒性が分かるんですね。見てみたいと思いませんか？ということで、ココでは
業務用商品SDSの入手方法
SDSの読み方
を、詳しくご紹介。SDSは、長ければ毒性が高い、という訳ではありません。「SDSの読み方」も一緒にご紹介しますので、情報を正しく理解して、化学物質を的確に避けましょう！
業務用商品SDSの入手方法
まず、どの商品の毒性を調べたいか……なのですが、今回は「ソフラン」を例にご説明します。
まず、ソフランには一般家庭用⬇️
業務用⬇️があります。
成分が出てこないので確認できませんが、これらの商品は同じか、類似品だと思われます。
この業務用商品に関しては、SDSがあるはず。それを入手しますよ～。
商品名 業務用 SDS で検索
では、まず「ソフラン 業務用 SDS」で検索してみます。すると……
こういう検索結果になりました。
この中で、上から二番目にライオンの「Sdsダウンロード」というのがありますよね。クリックすると……
こんな感じで「ライオンの業務用商品のSDSを入手するサイト」に辿り着きました⬇️
あとはサイトの指示に従えば、SDSが入手できます。
花王も専用サイトがある
ちなみに、「花王 SDS」で検索したら「花王SDS専用サイト」にヒットしましたよ～
こんな感じで、工夫して検索してみてくださいね👍
SDSの読み方
先日、Xで「ソフラン」に関する書き込みを見つけたので、「ソフラン 業務用 SDS」で検索するといいですよ～ とお声がけしたところ……
早速、安全データシートというのをダウンロードしてみた。
— 生きてくチカラを育てる節約術 (@setuyakusetungo) June 3, 2024
柔軟剤って衣類に残留させるのよね？
なんかもう色々がおかしいってきがつこうよ。 https://t.co/QrnyXWkvcF pic.twitter.com/3FZBVpQLJd
投書の再生ボタンを押すと、SDSが全部見れるのですが……見方が分からないと、ただの「文字の羅列」。
……ということで、この情報「正しい見方」をご説明します👍
実際のSDS
今回入手した、業務用 ソフラン プレミアム消臭 フローラルアロマのSDSがコチラ⬇️
こんな感じで7ページまであります。その中で、注視すべき箇所は
2.危険有害性の要約 11.有害性情報：人体に対する影響
12.環境影響情報：キャンプ、避難先等で使った場合の影響
14.輸送上の注意 15.適用法令：輸出する際の注意点
ココだけ押さえておけば「コレ、本気で毒よね」「日本じゃいいけど、EUじゃダメなのね」という感じで、製品の特長を把握できます。
このソフランは、どんな感じでしょうね～
2.危険有害性の要約 11.有害性情報
まず、危険有害性の要約ですが……すんごく長いですよね～💦
ここにある「区分に該当しない」「分類できない」の意味は、ザックリ言うと「よく分からない」
人間に益も害もなければ、それを頑張って調べる人もいない。だから情報がないので「区分に該当しない」「分類できない」というわけです。ただ注釈にもあるように、その物質が「安全」であることを保証するものではありません。
プベルル酸のように、今はSDSがなくても「毒だ！」と言われる化学物質が出てくるかもしれないし……ただ、あれがホントに毒かどうか不明ですけどね🤣
そんな感じで、ココでは深く追求しません（できません）。注目すべきは、それ以外の表記⬇️
生殖毒性 区分1A が、でてきましたよ～
これは……
政府向け GHS 分類ガイダンスPDFの3ページ目を見てくださいね～
つまり、ソフランには「ヒトに対して生殖毒性があることが知られている化学物質」が使われているんです。
11.有毒性情報は……
やはり、生殖毒性が指摘されていますが……「エタノールの影響」みたいですね😑
なるほど。
12.環境影響情報
環境影響情報は……
調べられていません。
14.輸送上の注意 15.適用法令
輸送上の注意、適用法令は……
ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルが「PRTR法」に引っかかっている事が分かります。
では、ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルを、詳しく調べてみましょう。
原材料のSDSを入手する
まず、ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルは「化学物質名」。ソフランみたいな「商品名」ではありません。
ですから、「CAS番号」を調べます。
CAS番号とは
新しい化学物質を発見した場合、大体は企業・機関の利益に関わるので「CAS REGISTRY」という所に届け出て、番号をもらいます。それが「CAS番号」。
ですから、特別なことがない限り、どんな化学物質にも割り当てられています。
SDSにあるCAS番号
ソフランのSDSを見ると……
3.組成および成分情報 に、CAS番号が載っていますよ～
ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルのCAS番号は「9043-30-5」
これを「9043-30-5 CAS」で検索⬇️
色々出てきますが……製品名が違っても、CAS番号が同じなら同じ化学物質です。（※同じ化学物質でも、鎖がネックレスのように長いか、ブレスレットみたいに短いか、の差はあります。）
一番下のサイトをクリックしますね。
ココでも「安全性データ」が出てきました⬇️
海外のサイトなので、書式が異なりますが……
ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルは「目、呼吸器系、皮膚を刺激する界面活性剤」という事が分かります。
毒っぽいのは毒じゃなかった
つまり。
詳しく調べていくと、SDSで「毒」と明記されていたのは「エタノール」……そりゃそうですよね。妊婦は飲酒しちゃダメですわ。
そこ、ネタにするポイントじゃないですよね。
どちらかと言うと、毒っぽいのは ポリ（オキシエチレン）＝アルキルエーテルと、その他の成分。
ただ、このSDSを見ても、詳しくは分からない💦だから……
あの匂いの成分、ちゃんと表示しなさい
と、私は思うのです。
じゃないと……工場勤務で過敏症 花王に賠償命令、東京地裁
こんな健康被害も出ていますし、今後どうなるか分かりませんよ～
文句を言うのは、とことん調べてから
企業に文句を言いたい場合、自分なりにとことん調べてからにしませんか？じゃないと「陰で企業の人にネタにされる」というのも……何ともイヤじゃないですか。
もしくは「どれだけ調べても分からないじゃないか！素人にも分かるように表示しなさいよ💢」と言い切るか。そこまですれば、企業も「声を聞こう」って気に……😅いや、無理だろうけど、良心には響くと思いますよ～🤣
詳しく勉強したい方は
こういう勉強をしたい方は、日本消費者連盟に入るといいです。
議員に働きかけたり、幅広い活動に参加できるし。興味のある方は、一度問い合わせてみてくださいね～
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