今日は、人材育成の話をコーチングの観点から話します。
仕事で部下を持っている方にお聞きしますが、面談ってしてますか?
面接でもいいです。
対面で話をする。
企業さんならどこでもやっていることと思います。
これ、大事な時間ですよね。
上手くやれていますか?
もしかしてこんなふうになってませんか?
・上司の経験談や期待を言って聞かせる面談になっている
・面談のゴールが部下の目標達成や問題・悩みの解決になっていない
・話題(テーマ)が広がりすぎて面談本来の目的を見失っている
・部下が建前だけを話してしまっている
・質問がオープンクエスチョンで、部下は「はい」しか言えてない
・会話の大半は、上司がしゃべってる
もし、こうなっていたら、上司のあなたのスキル不足。
これでは、部下は育ちません。
部下を持ったら、まず最初にやることは、ビジネススキルを教えることよりも、ヒューマンスキルを意識しましょう。
では、もう少し詳しくイケてない面談の問題点を挙げてみます。
部下に対して「そういう場合はこうすればいい」、「私はこのようにした」という話をしていないでしょうか。
部下が困った時にアドバイスすることは大切ですが、日頃から自分で考えさせ、答えを見つけ出せるように訓練する機会を与えることが今後の成長につながります。
それから、よく場を和ませようとか、緊張を緩和させるためにプライベートの話題を広げている場合があります。
悪くはないですが、面談の本来の目的は、部下の成長や育成、業務の改善なんです。
もちろんプラベートに関する会話も緊張緩和材としてあっていいし、プライベートでの問題が、業務に影響している場合は、深掘りが必要な場合もあります。
ですが、プライベートな話は、面談の時じゃなく、日常の雑談でやった方が効果的。すると信頼関係が生まれて、面談の時にスムーズにコアな仕事の話に入りやすいんです。
面談で全部の情報を引き出そうとしたらダメ。
そして、なにより上司からの一方通行になっていませんか?
面談における上司の役割は、伝えることではなく、部下の意見を引き出し、聞き手になることです。ここが一番勘違いされているところです。
なかには話すことが苦手な部下もいるでしょうが、焦らず部下の言葉を待つ心構えが必要です。あくまで面談の主役は部下である、というマインドです。
では、面談で押さえておくべきポイントを5つ挙げます。
ポイント1:傾聴
ポイント2:承認
ポイント3:自己評価とのギャップを認識させる
ポイント4:上司も話のネタを用意しておく
ポイント5:正しく目標設定し、優先順位を明確にすること
採用面接などは別ですが、部下との面談は、対面に座らないようにしましょう。
↑これは圧迫感があって、話しにくいんです。目が合うから。
僕はいつも必ずこうやって座らせます。視線を外した方が安心する。
ポイント1 傾聴
「傾聴」アクティブリスニングです。
意見や反論を挟まずに相づちや同意を入れることで、部下を話しやすくします。
また、部下に向ける目線や表情、姿勢なども、部下の話に対して関心があることを示すように、意識的に作ることが大事です。
時折、口をはさんでもいいですが、それは部下の話を簡潔にまとめて確認してあげること。
「なるほど!君が言いたいことはこういうことなんだね」って。
これができていない上司が、圧倒的に多く、だからうまくいかないことを自覚してください。
もはやこれができれば、面談は成功だといっても過言ではありません。
ポイント2 承認
部下の言葉や態度を承認する。
ここは日常のかかわりが大切です。なにか成果を出さないと褒めない、なにか特別なことがあった時だけ、反応してやる。この状態では、面談では困りごとを打ち明けてくれません。
自分が困った時には「上司は力を貸してくれる」という安心感と、「自分の力で解決した」という成功体験の承認によって、部下は本当の意味で成長を実感できます。
一緒に取り組む姿勢が信頼関係を育て、チャレンジする力を育てます。
ポイント3 自己評価と他者評価とのギャップを明確にする
出かけた時、目的地が分かっていても今自分がいる場所がわからなければ、始めの一歩はどの方向に出すのかわかりません。
部下自身が自分の現在地を知ることが大切なんです。部下自身が理解できていると思っていても、周囲が思う客観的な評価とは、必ずギャップがあるものです。まずは部下の自己認知の範囲を確認し、ギャップがあれば率直に伝え、互いに把握する事が大切です。
ポイント4 上司も話のネタを用意しておく
何の準備もなく面談に挑んでいる上司をよく見かけます。
人によっては何を話してよいか分からないという部下もいます。そのため上司も聞きたいこと、質問したいことを事前に用意しておき、部下が話すことに困っているようであれば、積極的に対話を進められるようにサポートしましょう。
ポイント5 正しく目標設定し、優先順位を明確にすること
「目標はノルマであり、上司が指導し、部下が忠実に実行する」
これが一昔前のあり方でした。いや二昔かな。
これからは、働く個人が成長を実感したり、やりたいことを実現したりすることが、結果として組織の成長につながるという考え方が主流になってきています。ですから、目標を自らの課題と結び付けられる設定の仕方をサポートしなければなりません。そして、まずすること、次にすること、その次にすることを一緒に決めることで、共同作業感を演出することが大切です。
こうすることで、このタスクは一人ではなく、上司と一緒に背負っているという責任感が生まれます。
まとめ
いずれにしても部下が、「自分は認められている」「ここには居場所がある」と感じられることが大切です。
なぜ、人が辞めていくのかというと、それはこの職場で「自分の存在価値」が感じられなくなったからです。
つまりこれは上司の問題であって、辞めてたり、不満を持っている部下自身の意識の問題としてとらえているうちは、人を育てる組織にはなりません。
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