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関西流浪記。

旧友2名と未知なる関西ワールドへ浸りに行った。

僕は神戸、ほか二人は大阪、京都。
3人が3人とも初めての街があるとのことで、いっそのこと全部廻ってみようとの結論に至り巡ってきた。

GWの初日から東京駅は大混雑。
次から次へと新幹線の出発アナウンスが流れる中、泣き止まぬ赤ん坊や駅のホームを尋ねるご老人など、そこにはかつてのコロナ前の賑わいが戻っていた。

移動すること3時間。
まずは異国情緒溢れる街、神戸へ。

新神戸駅で降りてすぐ向かったのは元町・南京町。
日本の中華街として横浜と双璧をなす有名な繁華街だ。

セットさながらの中華飯店の看板を見上げていると、ホントに香港映画の世界に迷い込んでしまったような感覚に陥ってしまう。

チャイナタウン・南京町

中華飯店前にて名物の小籠包の列に並ぶ。
ここの小籠包は大きくて肉汁が溢れ出すので、撥ねないように注意しながら食べないといけない。

四方を見渡すと目に入るのは、紅色の建物からせり出ているパラソル。
その下で観光客を呼び込む片言の店員。
雑貨店の軒先にうごめくカチャカチャとタンバリンを叩くサルの玩具…。

頭の中ではくるりのこの曲が流れていた。

まるでタイムスリップしているかのような感覚にすっかり酔ってしまったので、一行は酔いを覚ますべくハーバーランドへ。

この日は見事な快晴だったので、ランド内の神戸港から観る眺めは大変心地よく気持ちがシャンとした。

あっぱれ、天晴。

かつて北海道を旅した時、朝の函館の港から見た景色も絶景だったが、こちらの神戸港から船舶が行き来する光景もこれまた見事である。

ホテルにチェックインをして一休みしたあと、
夜はこの周遊目的の一つ、神戸牛を堪能。

職人により厳選された但馬牛を、噛みしめるようにして味わった。

「神戸牛という名称はブランド名であり、実在はしない。」
但馬牛という牛肉を食べているお話を大将から教わった。

肉の部位を持ち出し、一席ごとに丁寧に説明する大将の情熱がひしひしと伝わる。
じっくりと焼き上げたランプ肉。周りの玉ねぎのほのかな甘さにも驚いた。

前菜からおつまみまで、2時間まるごと贅沢な時間を過ごした。
またいつか、この肉を食べる時が来る日が来るのを待ちたいと思う。

翌日は神戸を離れ、大阪へ移動。
旧友のたっての希望だった大阪食い道楽を行うのが目的だ。

神戸駅から大阪駅まで電車で30分弱。
さらに梅田から地下鉄に乗り通天閣へ。

道すがら一度通ったらまた行きたくなるのがジャンジャン横丁。

レトロなゲームセンターや全面窓ばりの将棋センター、串カツ、モツ屋、かすうどんの店など、大阪新世界を代表するアーケード街だ。

射的屋に入る。
コルクを5発銃口に詰め、積み上げられたお菓子を狙う。

「パンッ」と乾いた音が鳴るも狙ったポッキーには当たらない。

おばちゃんから
「あんた下手やからそら当たらんわ〜」となじられたので火がつく。

4発目でようやく落としたのは隣のプリッツ。
おばちゃんから度重なる軌道修正を促され落とした。

「アカンかと思ったけどあんたでも当たるんやから、この店ももう少し長くやってけるでぇ〜」

おばちゃんは人を乗せるのがうまい(いや、自分が乗せられやすいだけかもしれんが)。
ともかく思う儘に射的に熱中してしまった。

有名な射的場らしく、見覚えのあるタレントがたくさん映っていた。

通天閣近隣の串カツ屋で昼間から一杯嗜む。
紅生姜やメンチカツと角ハイボールの相性に悶絶する。

滴るまでソースに浸した串カツをそのまま口へ運ぶと、一気に幸せな気分になれる。

若干ほろ酔い気味で阿倍野へ。
あべのハルカスから天王寺公園を通り抜けると静かな庭園の入り口を発見。

慶沢園と呼ばれるその庭園は、住友家の本邸の一角だったところ。

出張や旅行で訪れるたび思っていたが、大阪や京都という街は高層ビルや繁華街から一歩抜けると公園や川があり自然がとても身近なところが多い。
渋谷とかにはない立地が好きだ。

庭園の入場料を払いぐるっと周回。
途中の池を渡せるベンチに腰掛け、野鳥や池の鯉をぼーっと眺める。

頭の中を空にして、何も考えない時間を作ることを暫くしていなかったのでいい機会だった。

庭園の設計に感動し、春の陽気に眠気を誘われる。

以前美術屋に勤めていた時代があり、大阪や京都の歴史にはすこしは勉強したつもりだが、やはり肌で感じるその場所の空気を味わっておかないといつまでも強い印象には残らない。

見て、感じて、食べて、触ってをしないと、語るには及ばないなあ。

神戸・大阪とここまで書いたが長くなってしまったので、
京都編を次回に書いていこうと思う。

人生であまり馴染みがなかったが、文章にして記録を残すのもいいなと感じるこの頃である。

駄文失礼。これにて。

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