20201119
朝ごはんに無印のスープとパスコのパンを食べる。おいしい。ずっと食パンだったけど、最近食欲がなくヨーグルトとグラノーラ少し、とかになり、食べやすいけど寒いし甘いな、と思っていた。かたいパンが食べたいなと思った。かたいパンが好きだ。ちょっと酸味のあるやつ。でもパン屋に行かなきゃそういうのはなかなかないんだよなあと諦めていたら、ボジョレーの時期だからか、このパンがあった。窯焼きパスコ、国産小麦のバゲット。久しぶりにこういう香りかいだー!とまず鼻で満たされる。食パンじゃあ、この香りがないんだよね。パン屋のパンに比べたらもちろん劣るけれど、十分おいしい。
パンが好きだ。トーストなんか絶対出てこない家で育った反動だろうか。お米ももちろん好きだし、お米の方が安心する。でもパンもいい。お米とパンは同じ炭水化物だからといって、比べることはできない。適材適所だと思う。
ふんわり、もちもち、みたいなパンはあまり好きではない。かたくて酸っぱいパンが好き。じゅわじゅわ噛みたい。近年、プレミアム食パンみたいなものが流行っているけれど、口の中で溶けた!というのはパンの感想としてふさわしくないと思っている。クリームとかペーストとかもあまり好ましくない。無骨なパンが好き。おやつではなく、食事のパンが好き。ウインナーとかツナとかコーンでもない。なんでもないパンを、スープや煮込みといただきたい。サンドイッチはたまに食べたくなるけど、やっぱり、なんでもない食事パンが一番好きだ。
映画『しあわせのパン』もドラマ『パンとスープとネコ日和』も好きだ。レシピ本なら幸栄さんの『日々たんたんとパン』『でっかいパン』が好きで、何度も作っている。
そして何より私の理想のパンは、西淑さんの描かれるパンだ。パンとスープだ。そして、世界そのものだ。
昨日寝る前に長田弘『食卓一期一会』を少し読んだ。この本は装画が西淑さん、解説は江國香織さんという、私にはたまらない一冊。長田さんの詩は静かで、だけどきっと激情を秘めている。西淑さんの絵からも、そういうものを感じる。