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2022/5/3火曜・古い墓石と甘いケーキ

8時半に起きる。前日に職場の人と飲んでいたのでめちゃくちゃダルかったがなんとか起きて身支度をする。お高い中華コースを奢っていただいたのだが、全員フカヒレの良しあしがわからなかったので「なんかトロトロするね」「あったかい」「あたしンちでフカヒレは春雨っつってたけどそうかも」くらいの感想しか出なかった。もったいねえ~。

今日は隣町の実家に帰る予定。9時半ごろに家を出るとまあまあ寒かった。今年のGW前半、気温差とゲリラ豪雨と地震でもうなにがなんだかわからない。ふらふらと実家まで向かい、そのまま実家隣の姉1の家まで行ってしばし甥を愛でる。今日は姉2とケーキ食べ放題に行く予定なので起きてから紅茶とコーヒーしか胃に入れていなかったのだが、姉1がトマトと茄子のパスタを数口分けてくれたのでありがたく頂く。美味し。そして甥は愛し。

12時頃に姉2が用事を済ませて帰ってきたので家を出る。ウォーキングしてカロリーを消費してからケーキに挑もうと言うことになり、子供の頃たまに学童で遊びに行った○○山公園まで出かけてみた。記憶の中ではかなりの勾配と土の坂、生い茂る木、そして湧き水とサワガニが印象深い。辿り着いてみると記憶を遥かに凌駕する急勾配っぷりで思わずおののいた……が、運動不足の女二人でなんとか登り切った。頂上の公園は閑散としていたのでブランコを漕いだり中央にハンドルがついた回る遊具(名前がわからん)でグルグル遊んだりした。ちなみにこの公園に着く前に別の公園でもブランコを漕いでジャングルジムを探検した。いい大人だけどとても楽しかった。

その後、某寺院へお参りする。このお寺は物心ついた頃から数えきれないほど遊びに来ていて一番身近なお寺なのだが、今日は新しい発見が沢山あった。

寺院内には樹齢700年の大木があり、そちらはシンボルツリーとして非常に馴染み深い。しかし本堂の裏にもかなりの大木があるとは今まで気づかなかった。参拝客も殆ど訪れない静かな廟所の中でまっすぐ空に伸びる大木の燃えるような緑が本当に美しく、はっと息を飲んだ。角の削られた卵塔(僧侶のお墓)や文字が削れて読めない苔むした墓石が落ち葉の中に佇んでいて何か荘厳なものを感じずにいられなかった。

人様のお墓なのであまりじろじろ見るのも失礼なのだけれど、薄暗い木の陰にかろうじて安永(1772~1781)と読める字の墓石が無造作に並べられたり鍵付きの門が付属しているお墓があったりして、好奇心のまま奥へ奥へと進んでしまった。姉に「よく行けるな」と言われて「見つけてほしいんじゃないかと思って」と返したのだが、我ながら電波っぽい。恥ずかしい。私は幼少期から墓掃除が大好きだったので、あの落ち葉と苔と雑草だらけの一帯を掃除するバイトとかあったら喜んでやる。雇ってくれないかな。とにもかくにも、例えるのが難しいがなんだか千と千尋でトンネルを見つけるシーンのような、そんな不思議な気持ちになる場所だった。

その後も塔頭(たっちゅう・始祖や門徒の高僧の死を忍んで建立する小院。ググった)を幾つか見学したのだけれど、そのうちの一つにとても気になる場所があった。

とても小さい塔頭で、入ってすぐ大きな墓石があるのだが、その字体が英字レタリングのように変わっていて、石全体に薄っすらと天女?観音?のような絵が描いてあった。そしてなぜか足型の像やおそらくサンスクリット語の彫刻や唐突な魚の絵なども。帰ってからPCで調べてみたがそのあたりはわからずじまいである。悔しいので明日図書館に行って調べてみる予定。小さな寺院に入ると沢山の手入れされた花、ひらひらした飾り文字の石碑、サンスクリット語、足型、謎の絵……と点と点が繋がらない奇妙な感覚が楽しい。探索ブログとか調べたら有識者が解説していないだろうか。歴史好きの父に聞けばわかるかもしれないがご機嫌で語りだし面倒なので最終手段にしてしておきたい。

寺の話が長すぎる。

その後は再び急勾配の坂をヒイヒイ言いながら登ったりしてなんとか本来の目的地であるケーキ屋にたどり着く。

そもそも姉2と私はここのケーキ食べ放題にずっと挑戦してみたかったのだ。しかし食べ放題以外にもケーキ2個セット、3個セット、4個セットがあることを知り、胃の容量的に4個以上食べられる気がしないのでこちらにすべきか……?と悩んでいた。10代じゃあるまいしそんなにケーキばかり食べられない。しかし食べ放題という魅力的な言葉。挑戦を取るかリスク回避を取るか。

結果、私は3個セットで姉は普通にランチ+ケーキセットを頼んだ。日和った大人になっちまったもんだよ。

それでも私は15時時点でパスタを3口とコーヒーと紅茶しか食べてなかったので行けるっしょと余裕ぶっていた。1つ目の苺のミルフィーユはコーヒーと共にペロリと平らげられたし、2つ目のオレンジとクリームチーズのミルクレープも半分までは余裕だった。

そして割ともうおなかいっぱいなんだけどな……と3つ目のハイカカオチョコケーキに手をつけた瞬間、突然に満腹感が爆発した。そして時間が経つほどに増していく満腹感。ていうか苦しみ。ハンターハンターのネテロが体内に仕込んでた貧者の薔薇(ミニチュアローズ)かよ。

いやケーキは美味しいしさすが有名店だけあってクオリティも高い。ただ普段ケーキを一度に数個食べることがないし、脳が「いつもと違うじゃん」と戸惑っている。食べきる頃には白目を剝きそうになっていた。たかがケーキ3つでこうなってしまうとは、これが胃の退化であろうか。隣席ではおじいちゃんおばあちゃんと孫がバースデーケーキに蠟燭を灯してもらって嬉しそうにしている。その横でぐったりしている女。アタシだよ。ごめんね。

その後は再びウォーキングをし、一度家に帰ってからショッピングモールへ出かけた。数時間うろつき、こんなに服が沢山あるのになぜ一つも似合わないのか姉と嘆き合った。どこかに肩が落ちてなくて衿ぐりがガバッと空いていて袖はカットソーでリネン素材でなくてスリットが入っていて緩やかなAラインで出来ればポケットがついている黒ワンピースがないものか。もう3Dプリンタで出力したほうが早い。

19時過ぎに実家へ戻ると句会帰りの母とジム帰りの父が揃っていた。基本、それぞれがそれぞれの好きなことをやる家なのであんまり全員揃わない。

明日は図書館へ行き、この時期に使えるようなシャカシャカしたパーカーを探しに行く。良いものがあるだろうか。既に3Dプリンターを買うほうが早い気がしている。


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