夜は短し歩けよ乙女
こんばんは。本日は森見登美彦先生の物語です。
森見登美彦先生は「四畳半神話大系」で知りました。色鮮やかで、不思議で、絵本を読むような、そんな文章を認める方だなぁ。と感じたのを覚えています。
こちらの物語ですが、主人公である先輩と、その後輩にあたる黒髪の乙女の、大学生の恋のお話です。
周りの人間や、他舞台で起こる事件に二人が巻き込まれ、そして足を突っ込んで、紆余曲折する。
子どもでもなく、大人でもない、そんな恋愛模様が、なんとも甘酸っぱい気持ちにさせてくれます。
大学在学時、わたし自身は課題に追われ、お金に追われ、アルバイトに追われ過ごしていました。それはそれでとても楽しく賑やかではあったのですが、この物語を読むと、とても羨ましく感じます。
アルバイトと課題のために、サークルには入れませんでした。文化祭なんてものは、ただ大学が休みの日、でしたし。もちろん学内で甘酸っぱい恋愛に身を投じる…。といった経験もしていません笑。
それでも何故か懐かしい気持ちになるのは、ただ感情移入をし過ぎているだけなのか…笑。
世間一般に想像される「大学生」とは違う経験をしているためか、わたしにとっては極彩色の物語に感じました。
(自分が灰色の「大学生」だったとは思いたくありませんね…笑。)
冒頭でも書き記しましたが、森見先生は、表現がとても素敵だなと感じます。
雨降り後の空気を、甘ったるい匂いと表現したり。
ラムネを、天国の水のように美味しいと表現したり。
なんとも綺麗で、可愛くて、現実離れしていて、でも何故か理解してしまう。
高校生に読んで欲しい本でもあり、また大人が読んでも楽しい物語です。
こんな素敵な生活ではなかったけど、思い返せばわたしの大学時代も極彩色だったかも…。
(そう願いたい)
おやすみなさい。良い夢を。