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フランスへの旅とエトセトラ(走行距離1700キロ)

今年のイースター休暇は2週間でした。

前半は息子たちに陽性が出てほぼ無症状でしたが、家庭内感染を防ぐ意味でも気を使いながらダラダラしていました。。
2回ワクチンを接種済みだったので感染力も弱かったのか、長女と私は罹らずに終わりました。

さて予定されていた父親の家へ行くのは、少し遅くなりましたが隔離期間も終わり、1週間は向こうの家へ。

休暇の始まり

私は、フランスにいる母の古い友人に会いに行くことにしました。
60年代の数年を日本で過ごしたフランソワさんも今年で77歳、会えるうちに会っておかないと・・思ったからでした。
奥さんはアメリカ人なので、片言の日本語以外に英語が堪能で、英語で話せるのが有難いです。

さて行き方ですが、パリまでは国際列車の“タリス”が走っており、ケルンまで車で行けばパリまで3時間と少しです(昔は4時間以上かかっていました)。

フランソワさんの家はパリの郊外で乗り換えが必要になるため、今回初めて車で行くことに決めました。
ベルギーのブリュッセルまでは何度か車で行ったことがありますが、その先のフランスは未知。
好きな曲をプレイリストに詰め込んで、思い切って走ってみることにしまいた。
我が家からフランソワさんの家まで、丁度500キロ、およそ4時間半の道のりです。

出発がイースターマンデー(4/18)で、祭日ということもありトラックが走らないため(日曜、祝祭日は商業用トラックは走行禁止のため)、道路は空いており問題なく初めてのアオトバーン高速道路も走れました。

ただフランスに入ってしばらくすると、突如料金ゲートが見えてきて焦りました。ドイツのアオトバーンは無料でゲートという物を見たことが無いので、使い方などが分からず、

「えッえッ大丈夫!?どうやるの?」

と車内でひとり挙動不審に陥りました(笑)。
前のドライバーの動きを凝視しまくって確認、無事チケットを取り、なんとかゲートを通過。
完全自動化なので、もしゲートでトラブっても聞く人がいないのでこれは失敗できない!と脳みそフル回転でした。

一人旅の醍醐味は、こういうことに全て一人で対処しなければならないことですが、上手く出来たときの達成感はなかなか良いものです。
心細さもあるけれど、普段は使わない部分の脳が活性化され「知らないことに対処して成功する」という、子供時代の感覚を思い出せ、すごく刺激的だなぁと思いました。

きっとふたり旅だったら、ワチャワチャ言ってアクシデントに対応しながら絆が深まる機会になるのだと思います。
ひとりは一人の、道連れがいたらいたなりの愉しさがあるだろうなぁ・・・と考えているうちに到着となりました。

パリ郊外の街、シャンティイ

フランソワさんのお家を訪ねるのは初めてで、ただパリ郊外というイメージしかありませんでしたが、競走馬で有名な町で、世界中から様々な人が訪れる国際的な街でした。

シャンティイ (Chantilly)は、パリの北約39kmに位置する。

フランス国内最大の競走馬トレーニングセンターがあり、300頭近いサラブレッドを擁し、調教師が所属する厩舎が100箇所ある。

シャンティイ競馬場ではジョッケクルブ賞とディアヌ賞の2レースが開催されている。
パリの競馬場でレースを走る競走馬の70%がシャンティイの競走馬である。

シャンティイ城の存在で世界的に有名であり、城内には一流の収集品を収蔵するコンデ美術館がある。
また、ホイップクリームの一種、クレーム・シャンティイはシャンティイに由来している。
ウィキペディアより

パリにほど近いですが、今回は地元をゆっくり見てドイツとはまた違った自然に触れたいと思い、最近買ったトレッキングシューズを持参していました。

フランソワさんは退職してから2度、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(ローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大巡礼地)を歩いており今でも健脚この上なく、喜んで案内をしてくれました。

人工の湖をぐるりと歩く
ヤドリギ(ミッスルトウ)
森の奥にひっそりと立つ家、どんな人が住んでいるのか..
水鳥の巣

こんな風光明媚な場所で大喧嘩をしているカップルがいた、静寂の中水鳥も驚く大声が響いていた...


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火曜日の朝は、森を通り競走馬を見に行きました。

森を通った奥に練習場がある
やはりドイツの森とは印象が異なる


ここは立ち入り禁止区域ではありませんが、ガイドブックにも載っていない場所で、見学者は少人数で、馬たちを刺激しないように静かに見学しなければいけません。

蹄の跡が残る砂の道


サラブレッドを間近に見たのも、馬が疾走するのも初めて見ました。
駆け抜ける時の蹄の音が大きいことに驚きました。
サラブレッドの美しく高そうなこと!

森の中の静かな朝に、練習で走る馬を見ていると自分が知らないだけでこういう世界が在ることを不思議に感じました。
そう遠くないところに、未知な世界が確かに存在するという“共時性”
自分が住む世界の小ささや、そこで繰り広げられる諸々の事柄もまた小さく、少し遠くの出来事のように感じて、それが安寧というか不思議な穏やかさを覚えました。

ずっと自分の住む世界だけに居ると、時々息が詰まるような出口がないような気になりますが、

「そうではないんだなぁ、色々な所があるんだなぁ」と、当たり前ですが世界の広さをあらためて感じるようでした。

日常に戻ればまた、目の前のことに一喜一憂し右往左往すると思いますが、また別の世界が必ず存在することを心のどこかに置いておきたいです。

直線で4キロの疾走路、足元はサラサラの砂で整備されている


シャンティイ城について

さて、全く知らなかったシャンティイ城(Château de Chantilly)

ルネサンス時代の建造物で、16世紀に建造されたプチシャトーと19世紀に再建されたグランシャトーからなる。

「プチ・シャトー」は1560年頃、アンヌ・ド・モンモランシーのために建てられたものである。

「グラン・シャトー」はフランス革命期に最初の建物が破壊された後、1870年代に七月王政期の国王ルイ・フィリップ五男で同城相続人だったオマール公アンリ・ドルレアンによって再建されたものである。
シャンティイ城は姫路城と姉妹協定を結んでいる
狛犬の様に鎮座している犬、狩猟犬として重要だったことが偲ばれる


1886年、
オマール公はフランス学士院(Institut de France)へ、建築や内装に変更を加えずに一般に公開することを条件として城を遺贈します。

芸術、文学、科学の3つのアカデミー会員であったオマール公によって、高名な芸術家の絵画、彫刻、写本が買い集められました。

城内には、フランスでも屈指のコレクションを誇るコンデ美術館(Musee Conde)があります。
15~19世紀の絵画に関しては、フランスでルーブル美術館に次ぐコレクション数を誇るそう(ちっとも知らなかった!)。

アートギャラリー


「絶対に陳列品の配置を変えないこと」
「コレクションの貸出を禁止する」


というオマール公の願いによって、19世紀からギャラリー内の配置などはオマール公の好みそのままに保存され、コレクションは門外不出となっています。
残念ながら高い位置に飾られている絵はよく見ることが難しかったです。

ラファエロ:ロレートの聖母子
1511-1512
ラファエロ:オルレアンの聖母子
1506
ラファエロ三美神

古代ギリシア神話の美の三女神
アグライア(輝き)エウフロシュネー(喜び)タレイア(花の盛り)
1503-1505頃
17cm×17cm
とても小さいこの絵画はラファエロが裸の女性の正面と背面を描いた最初の作品
ピエロ・ディ・コジモ
シモネッタ・ヴェスプッチの肖像
1490年頃
シモネッタはジェノバの富商の娘として生まれ、
16歳でフィレンツェのマルコ・ヴェスプッチに嫁ぎました。
シモネッタは髪は金髪、丸顔で情熱的な目、身体は細くしなやかで、脚はすらりとして、優雅さを備え初々しい雰囲気を持った美女だったと言われていました。
 時の権力者ロレンツォ・メディチの弟で貴公子ジュリーノ・メディチから「永遠の恋人」と噂されたほど絶世の美女でありました。

「ヴィーナスの誕生」「春(プリマヴェーラ)」のモデルとなったシモネッタは1476年4月26日、23歳の若さで肺結核で亡くなります。
(こちらも描かれたのは彼女の死後)
シモネッタの死を悲しんでフィレンツェ中の鐘が一斉に鳴り響き、多くの市民がシモネッタに別れを告げたといいます。   

当時の権力者 ロレンツオ・メディチはシモネッタの葬儀で、
「彼女の死に顔の美しさは、生前のそれを超越している。死もまた美しい・・・」と述べたと言われています。

24歳のダ・ヴィンチが描いた「Woman's Head 」と題されたデッサン画はシモネッタの葬儀中の顔ではないか、とも言われているそうです。

レオナルド・ダ・ヴィンチ:Woman's Head


シュテーデル美術館で一目惚れしたボッティチェリ作と同じモデルだったとは。。
なんとなく髪型が似ているなぁと思いましたが、後から調べてみて驚きました。

伝説の美女シモネッタについては多くの方がブロブで書かれています。
ジュリーノ・メディチとの恋の話やその後のジュリアーノの悲劇的な死が、「春(プリマヴェーラ)」にも生かされており、興味は尽きません。
詳しく知りたい方は、他のブログを覗いてみてください。


美しいモザイクの床
ジャン・フーケ
今回も見つけた聖母の授乳!
やっぱり赤子が不気味っぽい...

🔹フランクフルトのシュテーデル美術館を訪れ、「聖母の授乳」や母乳ビームの事を書いています。


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「プシュケのギャラリー」と呼ばれる廊下に並ぶ美しいステンドグラス。

6枚セットになり、7面あり計42枚のステンドグラスが物語になっています。
本を読むように上から下、左から右に見ます。
8行の30の詩がステンドグラスに添えられています。

このステンドグラスが稀なのは、“宗教性のない世俗的なテーマ”である点です。

1542~1544年に建造され、1830年にオマール公が相続した
白・黒・茶・灰色を基調としたグリサイユ画法で描かれ、髪の毛やアクセサリーは黄色のハイライトが施されている
羽の生えた天使が大量の雲を海上に湧き起こらせるその描き方は、ラファエロの描いた「ガラテアの勝利」の三美神と風の影響を受けたもの
物語の最後
キュービッドとプシュケはついに初夜の床で再結合します。鉛の線はふたりの密接さを表します。
花瓶には愛のシンボルであるミラルの枝がたくさん生けてあります



シャンティイ城の最後の領主だったオマール公は愛書家でもあって、図書室には膨大なコレクションがあります。

国立図書館に次いでフランス第二の地位を誇る図書館で、300点以上の彩色装飾の写本を含む700点の写本、3万冊の蔵書を所蔵
1,500点は手書きのもの。アラビア文字の書物
スモーキー色のバカラのシャンデリア
印象に残った屏風の絵、猿と記録する猫。
どんな物語なんだろう...


***


城の隣には18世紀にジャン・オベールによって建てられたヨーロッパ最大の厩舎があり、競馬場では乗馬ショーが開催されています。

左手が厩舎だが外観は美術館のよう
ちょっとした城のような大厩舎は、若き国王ルイ15世の摂政を務めたブルボン公ルイ・アンリのために造られた。

王室や貴族は伝統的に馬との関わりが深いが、このルイ・アンリは心から馬を愛していて「人間が死ぬと馬に生まれ変わる」と信じていたという。
そんな彼のために造られた特大の厩舎は、馬博物館となって今に残る。
SUMAU
乗馬ショー


厩舎の馬の世話をする若い女性
典型的なフランス女性の容貌、可愛くて見惚れていた..
白馬も美しかったが、栗色の髪の娘さんが可愛すぎて、馬を見る振りをしてずっと見てしまった💓
可憐、映画のワンシーンの様に


✳︎✳︎✳︎

城の外には、フランス式庭園、イギリス式庭園、貴族たちが田園生活の真似事をした農村の擬似集落「Hameau(アモー)」など、さまざまな様式の庭園を楽しむことができます。

フランス式庭園
英国式庭園
鴨と駆けっこ
貴族たちが田園生活の真似事をした農村の擬似集落
  「Hameau(アモー)」
貴族がここで着替え、農民の姿に身を変えてお忍びで遊んだという、茅葺の屋根がメルヘンぽい
Crème Chantilly(クレーム・シャンティイ)
生クリームのホイップ、有名なクリームは濃厚
コンデ公がルイ14世を招いて催した大饗宴で、指揮をまかされた宮廷料理人ヴァテールがこの「クレーム・シャンティ」を考案したのだそうです。

(ちなみに、この宮廷料理人ヴァテールは、魚の到着が遅れたことを嘆いて自殺したというエピソードの持ち主だそう!そのエピソードは映画化もされています)
WEBマガジン パリマグ

帰路そして、また出発


木曜日の午前中に家路へ。
帰り道は料金所にも戸惑わず無事通過できました。

お土産にフランソワさんの庭から、鈴蘭の株を貰いました。
以前から鈴蘭を欲しかったのですが、毒があるため子供が小さい時は控えていました。
フランスの鈴蘭、家の二か所に植えてみましたが根付いて欲しいです。

数年前に森から植え替えて徐々に群生地を作っている




さて金曜日に子供達が戻ってきて、そのまま直ぐにドイツ南部にあるヨーロッパ・パークへ。


ママ友が単身で参加してくれ(彼女ここは4度目の強者)、5人で2泊3日し遊園地で絶叫マシーンに乗りまくりました。

長女はジェットコースターが嫌いで半分以上は乗車拒否、ひたすら待つ羽目に。

来月9歳の末っ子は大人向けのジェットコースター(シルバースター)の身長140cmをクリアして意気揚々と乗っていました。
本当は年齢制限が有るはずなのに、入口でチェックする係員は身長だけで、年齢確認はせず「いい加減やなぁ」と苦笑。

充分、子孝行も出来たイースター休暇となりました。

長女以外楽しんで乗ったブルーファイアー
(アトラクションの目玉の一つ)
初日の初シルバースター(時速130キロで落下)
2日目は雨天、最前列に挑戦したが、雨粒が猛スピードで顔に叩きつけられ激イタ
急流滑りで濡れて乾かし中
私がシュートを決めて貰ったゲームのぬいぐるみ
園内でもずっと一緒だった
えっ!? ナニコレ? めっちゃ大きいんですけど...



1週間の走行距離は1700キロ超になりました😸


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