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いつから変わったか私には分からなかった。

昨年の2月に誕生日を迎えたとき、内心密かにドキリとしたことがあります。

45歳になった誕生日。
それは、私がアフリカのリベリアで最初にD(元夫)に出逢った時の、そのときの彼と同い年になったからでした。

当時、29歳だった私にとって彼はとても大人に見えました。
MSF(国境なき医師団)のミッションにも既に何度も参加し、麻酔科医としてもベテランの域でチームの中でも貫禄を感じる存在でした。
出会った頃のDは患者さんにもとても丁寧で優しい、一緒に仕事をして頼りになる男盛りのひとでした。

時が流れ、その同じひとと何があったのか...を考えると、時々今でも頭が混乱することがあります。

人は変わるもの

あらゆる意味において、確実に変わっていくものだと知りました。
しかし、人間に限らず「あらゆるものは、万物は変化するものである」と解っていながら、何処かに普遍的なものを望んでしまうのは人間のサガかもしれません。

自分が当時の彼の年齢に並んだときに、
「ここからの数十年はとても大事かもしれない...」と感じました。

それは、変わっていった夫を見ていたから。。

新しい事に挑戦することを億劫に感じ、保守的になり、瑞々しい好奇心が失われ、アンテナを立てることをしなくなる。
世の中を厭世的にシニカルに見がちで、過去の経験からの予測で世界の動きを捉えがちになる...。
そういう危険性が、この先大きくなってくる、という事を、私は恐れと共に受け止めていかなければいけないと思いました。


「年を取ることはまっこと大変だ...」

大喧嘩をした数日後、
「互いに微笑み合いながら話している姿」を前夜の夢に見たと、日中ふと思い出してグラグラしてしまいました。
以前にも同じような夢を見た、微かながらそんな記憶も一緒に蘇ります。

なんで?
まだDと仲直りしたいと思ってるん?
あんな酷い喧嘩する相手やのに?

ジッと自分の内側を覗き込んで見る。

それで一つやっぱり思い当たるのは、昔の記憶のこと。何処かで足止めされている自分がいるんだなぁ、ということ。

でも、
「急いで上書きする必要も無い」と改めて自分に言い聞かせもしています。

20代の終わりから10数年間の時を過ごした記憶が大切で無いわけがないから。
結婚をして、子供を授かり、そして夫婦生活の修羅場を味わい尽くした、そういう年月でした。

あまりにも色々なことがあり過ぎて、その月日の中でDは恋人で、夫で、同志で、運命共同体のメンバーで、そして最後は私を最も手厳しく傷つける相手になりました。

3年前にW不倫が再発覚し、しかしまだ夫婦関係の修復にもがいていた8ヶ月間に、
幾度か決定的な出来事が起こりました。
泣きながら、手が凍りつきそうなくらい冷たくなって深夜お茶を淹れたポットで温めていたら、

こんなに悲しませる相手は貴女を愛していないんだよ

と、自分の中で声が聴こえてきました。
その声はまた、応えるように言いました。

本当に愛しているひとが、どうしてこんな悲しみを与えるわけ?

目が醒めるようでした。
あぁそうだ...私は愛されていない。

でも、私は本当に愛されたことが有るのだろうか?

そんな問いが同時に浮かんできました。それは足元がまるで覚束ない感覚に似ていて、呆然となりました。

あの日から3年近くが経過します。

「愛とはなんだろう」という問いは、私のなかで形を変えて留まっています。
男女の愛だけではなく、親子の愛、友愛や人類愛、動植物への慈しみの眼差しも、それはやはり “愛” でそれらも想います。


noteにも愛がたくさん散りばめられている...と様々な記事を読むたびに気がつきます。
一人が経験できることには限りがあって、誰も複数の人生を歩むことは出来ません。


ひとりにひとつだけ。


noteで綴られるそれぞれの人生は、固有のものでありながら、喜びや哀しみ、葛藤、人生に重なっていく時間の堆積は、それぞれの重みと熱を持って語りかけてき、心が大きく動かされます。

そこで生まれる交流に大きな愛を感じてます。

自分の経験をnoteに書くことで、どれほど救われてきたかナ...

書きながら思い出し...思い出しては書いて...。

少しずつ心の柔らかな襞にあるものを掬い、愛していきたいと思います。
そして、いつの間にか苦手になりかけていた「自分を愛す」ということを、ゆっくりやっていきたい、そう願っています。

とりとめの無い文を最後まで読んでくださって感謝です。

それぞれの人生を生きるnoterさん。
同時代に別の場所で懸命に生きている仲間。
私はあなたも愛しています。

ありがとう。



(あぁちょっと恥ずかしいなぁ🫣...)



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