人生は続いていく...
noteにほとんど元夫とのことは書かなくなった。 それだけ遠くなったからでもあるけど最近のことを少し。
元夫が不倫相手と別れたそうだ。
2ヶ月くらい前から彼の左薬指から指輪がないことに気が付いていた。もちろん私たちの結婚指輪ではなく不倫相手女性とのものだ。離婚するよりずっと前からその新しい指輪をする様になったその事に傷ついたこともあった。
私たちの結婚指輪は5年前くらいに家の目立たない場所にひっそりと仕舞った。その頃はもう別居が始まって、自分の中で本当に夫婦関係を諦めた後。
でもしかし「結婚指輪の処分をどうしよう」と悩んだ。結局捨てることはできずに仕舞い込んで、以後一度も取り出したことは無い。
実際には捨てたも同然できっといつか処分することになるとわかっていて今はとりあえずここに...という感じで置いたふたつの結婚指輪。
そういう記憶が甦るのが嫌だったので、元夫に会うたびになるべく彼の手元は見ないようにしていた。なので秋休みのひとり旅から戻った時に何気なく目をやった時に気がついたのだ。
別に彼に対しての未練はないのだ。
もう私は怒ってないし誰かを憎んでもいない。
相手の女性のことを完全に許したとは言い難いところはあるが怒りや恨みが湧いてくることもない。
ここまで長い時間がかかった。
思い返すと丸10年になる。
そのころは私は知らなかったけれど不倫が始まったのは10年前になるから。別居が始まったのは5年半前で、完全に関係の修復を諦めてから5年。
それは私にとって長い時間だったのだと思う。
その間に本当にいろいろなことがあった。
自覚しなくても私は色々なことに慣れたし、今の生活とそこに在る自分を受け入れて、そして肯定的な気持ちいでいる。
今はもう後悔することはないし、起きたことは人生で体験するべきものだったと思っている。
支えてくれ私のために泣いてくれた友人もいて、そういう人間関係をドイツという異国で持てたことに深い感謝の念を抱いている。
ドイツ生活が始まった頃は、友人はおろか知り合いさえいない状況でどれほど心許なく不安だったかを思えば、十数年時間が流れたとはいえ、やはり当たり前と受け取ってはいけない気がする。
あの頃、まだ生まれてなかったか乳幼児だった子供達は皆、思春期周辺の年齢になった。
日本語でちゃんと会話ができて、育児が始まった時に抱いた不安な未来は結局来なかった。
彼らが多くの時間を過ごすのは外の、私の知らないドイツの世界だけど日本的な価値観やアイデンティティも持っている。自分だけが家庭の中でも異邦人になるのでは?という恐れは実現しなかった。私の努力以外で、環境が後押ししてくれたことは重々承知でそこには元夫の協力もあり、この国でほぼ問題なく暮らせるのも彼のサポートがあるからだと思っている。
夫婦でなくなっても子供の“父親・母親”という関係で、なるべく協力し合いながら、子供と笑って暮らしていきたいと願ってきた。反面「これは修行だな」と粛々としながら暮らした時間もそれなりに長かった。そんな5年半だった。
だから今、彼が前より私に優しくしてくるのが嫌だなぁと感じる。
そういう優しさを切実に求めていたのは10年前であり8年前であり、5年前であった。
そういう優しさが消えてから、知らないうちに私はそれに慣らされてきたのだ。それで今はその距離感が一番良いと感じている。
哀しさや悔しさや情けなさ、私のプライド、意地...それらを忘れることは無いと思う。
「誠実さ」が人との関係でとても大切だと知ったのは不誠実を見て来たから。
今、私という形をしているのは今までの経験があったからなのだと思う。自分が今いる世界で私はこれからも自分なりの方法で歩き続けたい。
最近心に残った2019年の映画『イエスタディ』
主人公が突然、別の世界線ー “ビートルズ“が存在しなかった世界に行ってしまうお話。
イギリス映画らしく大きなオチはないけど、終盤で単なるファンタジー的なコメディ映画で終わらないシーンがあってホロッとしたしとっても深いものが残った。
ビートルズをずっと聴いていた時期があった。
あれは東京で5年住んだ病院の寮を出て電車通勤する様になった2002年頃。行き帰りの地下鉄の中でずっとビートルズの曲を聴いていた。
この映画を観終わったあと、様々な人生が集まったこの世界を想いながら改めてビートルズの音楽が在ってよかった...と感じた。
ふと気がつくと偶然にもその日は12月8日、
ジョン・レノンの44回目の命日だった。
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映画を観終わってから一気にこの記事を書きましたが、形を整えるまでに時間がかかりました。
ヒプノセラピーの話もほぼ書いて下書きにあるのですが、やはり内面を覗くような記事を書くのなかなか思い切りがいるなぁと思います。
今年も駆け足で過ぎ去ろうとしていますが、流れから少し離れた時間を意識して持ちたいと思います。