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学校と私(5)

-相談室-


当時、相談室があることが一般的だったか、自分にはわからないが、
ド田舎の2クラスしかない中学校に相談室があったいうのは、
いい方だったかもしれない。

1学年教室のある階の図書室の隣に小さな小さな相談室があった。

そこは手前が相談スペース、フリースペース、そして
細く長く続く奥は、使われなくなった古本の保管場所であった。

図書室では読めないような本が天井まで高く並んでいた記憶がある


相談室に行く事を、いつからどうしていくようになったのか
全く記憶にないが、友達に連れられて行ったのが最初もしれない…


授業後の10分休みや昼休みには、”『相談中』”でない限り
人目を気にしながら出入りしていた


人目を気にしていたのは、
行くことがよく思われていないと感じていたからだ。


行く自分が弱いとか、情けないとか、
今考えるとそう思っていたと思う。


もちろん行かなかった時期もある。
行きたくないと思うこともあったし、
行かなくても平気になっていた事は確かだった。

それはそれでいいことだったと思う。


行かなくても大丈夫な自分の
精神状態と居場所が大きく関わっていると感じる。

居場所ってのは、一つでもいいし、変化していくものだと
大人になって、やっと痛感している。


自分の存在を何も考えることなくただただいられる場の確立は、
若い人に限らず、大人も見つけるのが大変なものだと今は思う。