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「誠意ある営業」を心がけるようになった、子どもの頃の原体験
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第45回は「誠意ある営業とは何か?」です。
サマリー
・最近あった不誠実な営業と、その問題点を考える
・メールのFrom:と違う人から返信が来るのも良くない
・子どもの頃の体験が「誠実ある営業」につながっている
それでは、本編の内容をお届けします。
最近あった不穏な出来事について
柳澤:今回は「誠意ある営業とは何か」というテーマで話しましょう。誠意…。僕は最近直面したエピソードがありますよ。
杉本:それ教えてください。何でしょう? 誠意ある営業とは。
柳澤:最初にSNSでDMが来たんです。そのDMを見せましょう。会社名は伏せますけど。
とある会社の社長から、ハイスペック人材をアサインできそうです、と。あとはコンサル案件とかマーケティング案件とかもあるから、たぶんうちの仕事にもなりそうだなと思ったんですよ。
で、「せっかくの機会なので、協業の可能性などを踏まえてまず挨拶させてください」みたいなDMだったんです。相手は社長だし、実名でXやってるから一回会うのはありだなと思ったんで、情報交換がてら会うことにしたんです。
その後、日程調整ツールで登録されたミーティングのタイトルに「初回商談」って書いてあるんですよ。
杉本:ははは。不穏だな。不穏ですね。
柳澤:初回商談? 商談なんだ、みたいなね。あまりいい気はしなかったんですけど。ミーティングは2週間後。
そのミーティングがちょうど今週ですよ。会ってみたら、社長じゃない人が登場するんです。営業が登場した。
で、「あれ?◯◯社長は今日ご参加されないんですか?」と言ったら、「あ、社長参加した方が良かったですか?」みたいなことを営業が言うんです。
「いやいや、社長から連絡があって、他の方が出るとも伺ってなかったんで、気になったんですけど、大丈夫です」って僕も言って。そしたら、その営業がSEの派遣をやってると。システムエンジニアとかを派遣する会社。
杉本:はいはい。
柳澤:なぜかその提案を僕にしてくるんですよ。「いや、でもうち、そういうエンジニアを必要とする仕事はやってないし、クライアント先でも特にいらないので、そもそも今回の話ってどういう意図なんですか?」って言ったら、「そもそもそういうニーズあるんじゃなかったでしたっけ?」みたいな感じで。ミーティングの目的や経緯も引き継がれてないんですよね。
杉本:すごいですね。そうなんだ。
柳澤:当然、空気が悪くなるんです。「え、何なの?」みたいな、そもそも協業の話じゃないし、営業するにしてもうちの事業内容も全然調べてないし、提案してる内容がかすってないんですよ。
あれ、ちょっとおかしいですね、みたいになって。さすがに相手の営業も、全然ずれたことを話しちゃってるなって思ったんでしょうね。とりあえず、「じゃあ御社のサービス資料を送ってください」って言われたんです。それを見てご提案させていただくんで、みたいな。で、10分で終わったんです、その商談。
杉本:いまの話を聞いてると、社長のアカウントを使って営業がアポを取るためにやったのかなって思いきや、そうでもなさそうですね。営業はリンクだけ送られてきて、「商談だよ」って言われた感じ。
柳澤:そうそう。
杉本:その営業はたぶん悪気はなかったのですかね。
柳澤:営業はたぶん、そんな感じしますね。
杉本:営業は商談だと言われたから出てきたけど、あれ違うじゃんって思ったみたいな感じなんですかね。
ということはその社長ですかね。社長が勝手に動いて、商談だから行ってこいって営業が言われて、行ってみたみたいな感じ。まああるねぇ。
柳澤:営業されるのは全然いいんだけど、前も不誠実な営業あったじゃないですか、騙し打ちみたいな。それと近いものを感じるなと思って。
From:と違う人から返信がくる問題
杉本:わかります。この「協業に向けてご提案させてほしい」って最近めっちゃよく聞きますね。たぶんテンプレがあるんでしょうね。
しかも柳澤さんのように社長同士だったら協業ってなりますよね。協業の話とか、お互い最高意思決定者だから、そういうこともできるだろうって。当然、向こうも社長が出てくると思って参加するから。
たぶん商談っていうふうにすると、会える率は高いですよね、このワードは。
柳澤:そうそう。相手にとってもメリットあるように感じますもんね。
杉本:でも営業って、相手の課題解決をしたり理想を実現したり、何かメリットがあることを提案すべきじゃないですか。
だからこそ「協業に向けて」っていうワードって本当マジックワードで、もしかしたらお互いソリが合わなくてというか、お互いに目的が違って合わないこともあるかもしれないけど、あったらピタッと推進できるから、すごく期待しますよね。
柳澤:そう。こういうのが不誠実な営業。
杉本:そうですよね。それ以外にも、メールくれた方と出てくる人が違うみたいなこと。これも割とあるような気がしていて。
例えば有名人がいる会社とか、そういうところってフロムだれだれで。例えば、フロムユニクロ柳井はないかもしれないけど、有名人からメッセージが来たら「おっ?」ってまず開封しちゃいそうじゃないですか。
よもや会えそうな感じの文言があったら、とりあえずアポ入れるかみたいなのもあるかもしれないですよね。
私も一回あったのは、セミナーでそのフロム有名人の人のセミナー案内が来てて。セミナーやります、限定何人で、フロムだれだれって。その有名人の人が出てきて話すのかなって思ったら、全然違う人が出てきて。
確かに限定のクローズドの勉強会ですみたいな感じで来たから、あまり表で言わないけど、フロムだれだれだから当然この人が来るのかなって思って、行ってみたら、その有名人は来なくて、その下の下の下の部下みたいな感じの営業っぽい人が出てきて。
なんとかのプロダクトセミナーみたいな感じのが始まっちゃって、おいおいみたいな。
柳澤:それしんどいですね。
杉本:だからフロムと実態がまず違うっていうのはよくないし、例えばHubSpotとかで、フロム有名人、あるいはフロム役職者、フロム役員、フロム経営者から送ることもあるかもしれないけど、一番いいのは少なくともまずそのフロムから送られた人がちゃんと返す。
何の断りもなく、別の人から返信が来たら嫌な気持ちしますよ。体験として良くない。
柳澤:採用のスカウトメールでもよく聞きますよね。
杉本:よく聞く。でも思った以上に、SNSのDMってこういうのあるような気がしていて。あまり常識がないんじゃないかなっていう気がしますね。
これ聞いてる人でも「俺、知らなかった」っていう人もいるかもしれないし、「いやいやこんなの常識でしょ」っていう人もいると思うけど。意外と多いと思ってて。
これ何でかなーって思った時に、これが失礼だっていう感覚がたぶんないんじゃないかな。
柳澤:まあ、ないんでしょうね。あったらやらないですよ。
杉本:なぜ僕たちがこういう常識があるかっていうと、ある程度の大企業にいたというか、そこで染み込んだというか、さすがに信義あるビジネスをしなければいけないっていうのがあるじゃないですか。
ブランドを背負っていたり、会社の名前があると、その名前を傷つけるわけにはいかないから、当たり前ですけれども若手には上司が教えるし、そんなことやってる人がいないから自分もそうなんだなってわかる。
でも自然とやっちゃう人って、その経験がたぶんないんだと思うんですよね。
子どもの頃の大きな原体験
柳澤:最初に僕のエピソードを話しましたが、杉本さんはありますか?
杉本:小学1年生くらいの時かな。駄菓子屋があったんです。駄菓子屋にはおばあちゃんがいるわけですよ。で、おばあちゃんってよく、お釣り間違えるんです。
ある時にそのおばあちゃん、僕が250円で買った時に300円渡して、50円お釣りじゃないですか。その50円のお釣りの時に500円渡してきたわけですよ、間違えて。
柳澤:おおー。
杉本:おおーってびっくりするじゃないですか。当然、子供ながらにこの500円ってすごい得したって思うわけなんですけど。ただ、その時、「いや良くないな」って思って、おばあちゃんに「お釣り間違えてるよ」って言ったんです。
で、そうしたら、そのおばあちゃんがめちゃめちゃ褒めてくれたんですよね。お釣りを間違えた時に、間違ってるよって言って渡してくる子はいない、と。
あんたはまだ小学校1年生なのにちゃんと、渡してきた。自分がやったことって必ず誰かが見てるんだよ。誰かが見ているから、それはすごく大事にした方がいいっていうことを、こんこんと褒められつつ説かれたんですよね。
柳澤:それいい話。
杉本:その時、私も嬉しくて。正直でいるっていうことは大事なんだなっていうのが、いまでも暗黒面に落ちそうになった時のよりどころになってたりするんですよね。
だから、正直者として褒められたとか、誰かがこの悪い行いを見てるかもしれないっていう思いがどこかにあって。たまに財布を拾うこともあるけども、当たり前ですけど届けるし、そういう細かなことを、その経験があるから大事にしていて。そういうのって誰かが見てる気がするし、どこかに滲み出る気がするので。
営業としてこいつはイケてないかもしれない、他より劣ってるかもしれない、だけどもこいつは誠意があるな、逃げないなっていうところが、ここぞと言うときに効く。大きい商談の時ほどそれが効くような気がするんですよ。
何が言いたいかというと、誠意とか正直っていうことは、実は最後の最後でとても大事になるんじゃないかなと。
最後そこに暗黒面に落ちないためのものっていうのは、意外と昔の経験とか、子供の時の経験から来るような気もするので。私の子供にもちゃんと正直でいた瞬間には褒めようと思いますね。
柳澤:僕も似たようなエピソードがありますよ。杉本さんとは真逆のエピソードなんですけど。僕も6歳ぐらいの時かな。近所に駄菓子屋さんがあったんですよ。当時ってビックリマンとか、四角い箱に4つ入りの丸いガムが入ってるお菓子とか。
杉本:あるある!風船ガムのやつ。オレンジとかイチゴのやつでしょ。
柳澤:そうそう!10円で買えるやつ。ああいうのが好きだったんです。僕の実家は二世帯だったんで、両親とおじいちゃんとおばあちゃんと住んでたんです。
ある日、仏壇の下におばあちゃんが小銭をしまってるのを見つけちゃったんです。10円や100円の小銭がいっぱいあるんですよ。僕はビックリマンシールが欲しかったから、たまにそこのお金を使って買いに行ってた。めっちゃ悪いですよね。
たくさん小銭があるからおばあちゃんも気づかないんです。ある日、気持ちが大きくなって500円玉を手に取った。6歳にとって500円って大きいじゃないですか?500円でビックリマンやガムを買ったら、200〜300円余るわけですよ。
駄菓子屋から帰っていく途中に、同級生の女の子たちが4〜5人遊んでたんで、そのうちの1人の年下の子に100円あげるよって。なぜか僕が、気前よくあげたんです。自分のお金でもないのに。「これでお菓子でも買いなぐらいの感じ」で、6歳のくせに言ったんでしょうね。
そしたら、1時間後に女の子たちが僕の家にお金を返しに来たんです。「大ちゃんが100円くれたんですけど、お母さんに言ったら返しておいでって言われたんで」って、うちの母親に返しに来た。
その時すごく怖かったんです。だから、悪いことしちゃダメだなって。小さい頃にそういう経験があって、悪いことしたら絶対見つかるんだなって鮮明に覚えてます。
杉本:いいことじゃないですか。悪いことしたら絶対見つかるって、そうですよね。悪事って何でですかね、見つかりますよね。
柳澤:そうそう。絶対見つかるんですよ。
杉本:誰かが何か見つけて言うのか。それとも悪事をした人も、どこか行動が変になるから周りが気づくのかな。人間って後ろめたさがあると顔に出たりするよね。
柳澤:それはあるでしょうね。同じ年齢の時の杉本さんと僕のコントラストが激しいなと思って(苦笑)
杉本:でも、最終的に誠意ある営業が大事だっていう結論に立ったのは同じですよ。
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Koichi Sugimoto / 世界を豊かにするザ法人営業
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