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「光通信のテレアポの極意」が、営業の本質を突いていた話

40’s Biz talkは法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。

音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第63回は「光通信のテレアポについて語ろう」です。

サマリー
元・光通信の"山本さん”が語るテレアポの極意が良かった
ザ・モデルの限界、マーケとインサイドセールス不要論
意味のない「アウト」は無視して、実のある回答を引き出す


それでは、本編の内容をお届けします。


元・光通信の"山本さん”がすごい

柳澤:今回のテーマは「光通信のテレアポ」について。

杉本:面白いですよね。

柳澤:そう。これ僕が今回話したいなと思ったきっかけがあって、この光通信のテレアポっていうのは具体的に、この山本さんっていう方のYouTubeなんですけども。

杉本:ゾスの人ですよね。
 
柳澤:そうそう、ゾスの人で。Xでよく見てたんですよ。で、ちょっとヤバそうな人だなと思って、僕はフォローしてなかった。今もフォローしてないんですけど。なんか危険な匂いがしたんで。
 
杉本:顔立ちもね、こう言ってはなんだけれども、ちょっとね、怖いもんね山本さんの顔。
 
柳澤:これを機にフォローしよう。で、興味を持ったきっかけがあって、元キーエンスの小野松さんが山本さんと写真を撮ったポストを見たんです。

金曜の夜に飲み会に呼ばれて、すぐ行きますみたいな感じで速攻行ったっぽい。写真の左が小野松さんで右が山本さん。この写真を見た時に「金の匂いがする」って嗅覚が反応したんです。
 
山本さんすごくギラギラしてますよね?飲んでるところも普通じゃない。二人のギャップもすごいじゃないですか。
 
後ろにいる方は、山本さんの会社の社員だと思うんですけど、普段僕らが関わる方とは違うタイプの方。このポストがとてもインパクトがあったんです。どうやら山本さんは元光通信なんですかね。たぶん、XよりYouTubeの方がフォロワーが多いんじゃないかな。
 
杉本:私はTikTokで見たんですよ。「ありがとうございます」とかの挨拶が全部ゾスっていう話を聞いて、めちゃめちゃ面白くて。いやーすげー面白いって思って見てました。だからけっこう前から私、知ってます。
 
柳澤:服装もオシャレだし、こういう社長あんまりいないじゃないですか?どうやらYouTubeのチャンネル登録は1.7万人もいてかなり発信してるんですよね。
 
この「光通信で実際にやってたテレアポの極意をお伝えします」っていうのを最近見たんですけど、杉本さんは見ました?
 
杉本:僕も見たことあります。はい。

マーケとインサイドセールスはいらない

柳澤:これについて語りたいと思ったんです。山本さんがご自身でもやられていたので説得力があるんですよ。言ってることも筋が通ってる。
 
まずテレアポに関してなんですけど、前提として山本社長は、ウェブマーケティングとインサイドセールスはいらないって言ってるんです。なんでかっていうと、その方が稼げるからって言うわけです。理由も明確で、例えば広告で不特定多数の人に接触しても、関心のある方は限られていると。
 
さらに関心のある方から問い合わせをもらうより、この方に提案すれば導入してもらえる可能性があるっていう人をターゲティングして、その人だけに営業した方が無駄がないっていう話。
 
逆に自分たちの商品で役に立てそうにない方から問い合わせを取って営業しても、クレームや解約につながるから非効率だと。だから、営業がターゲティングして役に立てそうな会社にだけ営業した方が、年収1000万円超えるぞっていう話なんです。
 
とはいえ、興味を持って問い合わせしてくれた方に対して営業した方が楽じゃないですか。マーケティングとインサイドセールスがいる場合は、ウェブや展示会を見て問い合わせをくれて、さらにインサイドセールスがフィルターをかけてフィールドセールスにトスアップされてくるので、突然電話をして興味づけをさせるっていう難しいプロセスはスキップできるわけです。
 
ただそこも突破する方法があるっていう話なんですよ。山本さんは、アウトバウンド営業の難しいところは興味づけだと。初めて電話すると「忙しい」、「断ってる」って言われるじゃないですか。ほとんど営業はそれに反応しちゃうって言ってる。
 
山本さんは、お客の断り文句を「アウト」って言ってるんですけど、アウトの種類は2つあって、「忙しい」とか「そういう話は断ってます」っていうのは内容のないアウトだって言ってるんです。で、ほとんど営業はそれに反応してしまう。
 
「そうですか、いつ頃お時間空きそうでしょう?」とか、「1ヶ月後ぐらいだったらお話聞いていただけそうでしょうか?」みたいな話をしてしまいがち。特に真面目で気の優しい営業ほどそういうリアクションする。僕も聞いてて、そういう反応しちゃうかもしれないなって思ったんです。
 
杉本:あれでしょ。永遠に忙しいってやつですよね。

意味のない「アウト」は無視する

柳澤:そのアウトを間に受けていたら永遠に進まない。山本さんは、それは内容のないアウトだから、反応するなって言ってるんです。「忙しい」って言われたら、「聞こえないフリをしろ」って(笑)。
 
それ斬新だなと思って。一旦聞こえなかったフリをして、「今回○○の提案でお電話したんですけど」と、要はお客さんにどんなメリットがあるのかを速やかに伝えろと。そのまま話を続けちゃえって言ってるんです。
 
そうすると何が起きるかっていうと、内容のあるアウトが返ってくるって言ってるんです。「いま実は○○って会社のツールを使ってるから、必要ありません」とか、「いくらなの?」とか「もっと安くならないの?」とか、それは山本さん曰く、内容のあるアウトだって言ってるんですよ。
 
確かにまともに話も聞かないで断ってるアウトと意味あいが全然違いますよね。そこまできたら、そのアウトを解決すれば導入に繋げられるし、そもそも自社のサービスで役に立てる会社をターゲティングをしているから、基本的にはお客さんに喜んでもらえるはずだっていう考え方。
 
これが、接客と営業の違いだって言ってるんですよ。要はマーケティングがリードを取ってきて、インサイドセールスがフィルターをかけて、フィールドセールスがクロージングに行くっていうのは接客だと。
 
見込み客に対して、最初の接触から自分でやれるところこそ真の営業力。
 
山本さんはC向けの話もされてたんですよ。例えば、会社で忘年会とか飲み会やったあと、繁華街を通って駅に向かっていると、よくカラオケのキャッチがいるじゃないですか。「カラオケいかがですか?」って声かけてきますよね。「今ならすぐ入れますよ」とか。
 
これもできない営業だと、お客さんに「今帰るんで」って言われると、わかりましたって引き下がっちゃう。山本さんはそれだとさっきの内容のないアウトと一緒だって話なんです。
 
じゃあどうやったらいいかというと。「いま◯◯のキャンペーンやってまして」とか、「うちだと3000円で歌い放題プラス飲み放題までついてくるんですよ」って、提案をしろって言ってるんですよ。
 
それをやることによって意味のあるアウトが返ってくる。これC向けのわかりやすい例なんですけども、意味のないアウトに付き合う必要はないと。お客さんにどんなメリットがあるのかを速やかに伝えて、内容のある会話に持ち込めっていう話。
 
提案することが営業の付加価値だっていう話をしてて。今はザ・モデル型のやり方でフィルターをかけて効率を追求するやり方が流行ってるというか、オーソドックスになってる反面、確かにこういう話が原理原則にのっとってるし。昔はみんなそうやって営業してたはずなんだけど、あらためて聞くと新鮮だなと思って。
 
杉本:山本さんはウェブマーケティングはいらないっておっしゃってたんですけど、結論、私は日本の昔の営業手法と同じで、営業がいわゆるマーケティングもやる。山本さんの動画でターゲティングをしろっていうことを言ってたんですけど、営業自らどのお客さんだったら、刺さるかまで含めてやった上で突破してるわけ。
 
細かく言うと、マーケティングはやってると思う。ただ、営業が来たものをさばいてクロージングするんじゃなくて、どのお客さんにこの商品が役立つのかっていうのを考えた上で営業をしている。
 
この商品はこのお客さんの課題に絶対に役立つっていう確信があるから、内容のないアウトを言われても無視して、自信を持って提案できる。
 
これを営業とかマーケティングの立場で考えなければいけないことは、「お客さんの言っていることを鵜呑みにしちゃいけない」っていうこと。
 
「忙しい」もそうだし、信用しちゃいけない言葉リストが他にもあるじゃないですか。「検討します」とか。
 
「検討します」は、実際には検討してないんですよ。「間に合ってます」もそうだし。何が言いたいかっていうと、相手の言葉にそのまま付き合って返すではなくて、その裏側を突き抜ける。
 
例えば忙しいだったら突き抜けて、具体的な提案まで持っていくか。検討しますだったら最後、それで引き下がらなきゃいけないかもしれないですけど、一個持つべきは、いい子になってっていうか、相手にお付き合いをして真面目に返そうとすることじゃないんだよなって思いますね。
 
柳澤:エンプラセールスだとこういうやり方に近いかもしれないですけど。

ザ・モデル型の営業には無駄も多い

杉本:そうですよね。エンプラセールスの場合は、1回引き下がってももう1回行くっていうのが王道だと思うんですよね。一度はだいたい跳ね返えされる。私も前に言われましたけれども、飲み会に誘って3回断られたのかみたいな。断られることは当たり前なんですよ。
 
そこであんまり無理に突き刺しすぎると、嫌な印象を持って、より防御壁が高くなっちゃうから1回そこで引くんですけど、でも、もう1回アプローチするんですよね。エンタープライズの場合って。
 
エンタープライズじゃない場合だと、一見さんで引き下がったら、もうあとたぶん繋がることないんですけど、エンタープライズの場合ってターゲティングしている企業が決まってるじゃないですか?
 
だから1回引く。だけどもう1回行く。1回引く、もう1回行く。ダメだったら1回引いて、今度別の口から行くみたいな。
 
エンタープライズでは1回断られて嫌な印象を与えると、そのまま出禁になる可能性がある。だけど何回も当たることって別に迷惑じゃないですよ。それで出禁になることないから。
 
なので山本さんがやっているアプローチの方法とは違うんですけれども、私はエンプラセールスで断られた場合はすぐに引くんですけど、すぐにまた行くみたいな感じなんですよね。お前もう忘れたの?みたいな(笑)。
 
また来ましたー!っていう感じで行って、そろそろタイミングじゃないですかっていうのもあるし、別の切り口で提案を持ってきてみましたっていう感じで。ここですか、そこですかっていうのを、マッサージをしていて、ここじゃないですか、じゃあこちらですかっていうのを何回も繰り返す。っていうのをやりますかね、私だったら。
 
柳澤:よくよく考えてみれば、1つの受注をするのにマーケティングもインサイドセールスもフィールドセールスいたら営業の年収も1000万円を超えづらくなりますよね。

杉本:めちゃめちゃ大事なことがまさにそこだと思ってて、多段階構造になってるのって、ある意味無駄ですよね。
 
無駄っていうか、広告を打つと別に不要な人も来ちゃうんですよ。不要な人が来ると、営業の対応コストって、接客もコストなので別にお客にならなくて良い人が来るとコストだから。時間も無駄だし、結果的に実入りが少なくなるんですよね。
 
柳澤:ザ・モデル型のプロセスがトレンドな中、こういう話聞くと、久しぶりに原点に戻れたなみたいな。
 
杉本:あとSaaSを提供している企業って、昔よりも単価が安くなっちゃってるから利益がなかなか上げられなくて、だからエンタープライズ攻めようみたいになってる。
 
だけど山本さんの動画を見て思ったのが、SaaSだからとか単価が低いからじゃなくて、マーケティングから営業までの構造自体が実は無駄なところも多いんじゃないかって。めちゃめちゃありますよね。
 
柳澤:営業が一人でやれることに3人かけてたら、年収1000万はなかなか超えないよと。それはもっともだ。
 
杉本:会社に勤めてるよりも、個人事業主になって自ら仕事を取ってきて、別にウェブマーケとか何もしなくて、その取ったお客さんが少なくてもある程度の高い単価で売れてれば、そのまま自分の実入りにできるから。そういう個人事業主というか、個人企業は多いじゃないですか。たぶん柳澤さんもそうなんじゃないかって俺は思ってるけど。
 
柳澤:うちはテレアポはしないけど、ターゲティングはしていますね。


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