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細かいところに差が出ている。「コンペで勝つ営業」はどんな人?

40’s Biz talkは法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。

音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第37回は「コンペで勝つ営業はどんな人?」です。

サマリー
・優れた提案よりも、愛のある提案が採用される
・商談の前には必ずお客さんの商品を使うべき
・相手に喜ばれることをする「ギブ」の精神が大事


それでは、本編の内容をお届けします。


とある学生インターンから得た学び

柳澤:今回のテーマは「コンペで勝つ営業はどんな人?」でいきましょうか。

杉本:これは私のLINE時代の話なんですけど、LINEの公式アカウントを使って便利な世の中を作っていくプロジェクトをやってたんです。

代表的な事例がヤマト運輸さんとのLINEの提携。今だと当たり前になってると思うんですけど、荷物のお届け予定日がLINEで届くとか、再配達をLINEで変更できるみたいなこと。

他にも電力の料金通知だったり、チャットで問い合わせができるとか、そういう事例を作っていたんです。

新卒採用を強化していた時、インターンに集まってもらってLINEの商材を使って顧客に提案してもらうっていうのを2日間にわたって泊まりがけでやってたんですよ。その時、私はビジネスコンテストの審査長みたいな感じの役割でした。

初日にLINEの説明を各部署からして、インターンの方に学んでもらいました。お客さんにも来てもらって、うちはこういう業態でこういう悩みがあって、さあ皆さん、LINEの営業となって提案してくださいと。

学生は合宿所で夜通しで提案書を作って、その翌日に提案して、誰が良かったかっていうのを、実際のLINEのお客さんに評価してもらったんです。

インターンの人たちもこんな機会はなかなかないのでめちゃめちゃ人気で、インターン募集の倍率もすごかったんですよ。

実際にLINEのプロダクトを提案してもらって、最終提案で5名が残ったんですけど、その中で「LINEの営業でもこんな提案できないだろう」っていうぐらい良い提案をした人がいた。お客さんの業界課題をしっかり調べて、ヒアリングした内容もしっかり盛り込んで、素晴らしい提案をした人がいたんです。

最後の金額提示でちょっとしたミスがあって、具体的な金額が出せなかった。そこだけペケがついたんだけど、それ以外は本当に素晴らしい提案だった人が1人いたんですね。

あともう1人、60点から70点ぐらいの提案の人がいたんです。その人は女の子で、お客さんはアパレルの会社さんだったんですけど、そのアパレル会社の服を全身着ているわけですよ。

親も含めて家族で御社のブランドをずっと着ていて昔から大好きだった、そんな会社に提案できるのは嬉しいです!っていうところから始まって。当然お客さんも見た瞬間にわかるわけですよね。お客さんも最初見て「ああっ!」ていう顔をしているわけですよ。最初から食いつきがよくて。

随所随所にそのお客さんへの愛が溢れているわけですよ。ブランドのこともよく知ってる。ただ提案の質は最初の方がよかった。でも最終的にそのお客さんが選んだのは、親子でずっとそのブランドを愛してきたその人の提案。提案内容は次第点なんですけどね。

その役員の方は自社のファンの営業を選んだんです。一方ですごく良い提案もあったじゃないですか。

それについてお客さんは「点数をつけるとその提案は金額がなかったから90点ぐらいですかね。でも全身アパレルの服を着てくれた人には95点をつけさせていただきました」みたいなことを言ってるわけですよ。でも普通の提案ですよ。

僕が「最後のミスがなかったら変わりましたか?」って聞いたら、「そうですね、94点かな」って。

「え!じゃあ完璧な提案しても選ばれなかったってことですか?」って聞くと、「そうなんです、すいません」と。

その方は50代の方なんですけど、「僕は昭和世代で本当にオッサンみたいな選び方で、申し訳ないんだけれども、正直、拙い提案とか欠けた提案っていうのは、私たちと一緒にやることで後から補うことができるんです。大切なのは、誰と一緒にこのプロジェクトを推進したいか、なんです。LINEの商品って決して安くないじゃないですか。それに投資するってことは、結局、誰とやりたいかっていうことが大事なんですよ」って言ってて。

長くなりましたけど、選ばれるときって提案の質よりも、誰とやりたいかっていうところ。それをクリアできないと、大きな提案ほど選ばれないと思ったんですよね。

大前提として、提案の質を高めるのは大事だと思うんですけれども、金額が大きな提案になればなるほど、自分自身を信頼をしてもらう必要がある。

一緒の船に乗りたいって思われることに、より神経を使わなきゃいけないんじゃないのかなって思った。長くなりましたけど、どう思います?

営業に行くときはお客さんの商品を必ず使う

柳澤:それは商売の原則ですよね。けっこう前の話ですけど、例えばコピー機を取り扱うCanonに提案行くときは、Canonのコピー機で印刷した提案書を持っていくみたいな話を杉本さんはしてましたよね。

杉本:はい。

柳澤:そんな細部にこだわりを持っている営業っていないじゃないですか。いい提案は何とでもできるんだけど、やっぱり情熱とか想いっていうのは人を動かしますよね。

杉本:そうですね。僕も航空会社の営業だったとき青い翼の担当をしていたんです。大阪に商談に行くときって普通、新幹線で行きますよね。だけど僕は飛行機で向かっていたんです。大阪や名古屋に行くときも飛行機。

青い翼のお客さんから「何便に乗ってきました?」って聞かれたときに、必ず「xx便できました」って答えられるようにしてました。別にそんなの聞かれないかもしれないじゃないですか。

でも、私の上司が聞かれたことがあるんですって。そのエピソードを聞いていたから、どこに行くときも、どんな近場に行くときにも、飛行機の方が時間かかるのに、移動手段はその会社の飛行機で行くことを徹底してました。

そんなことがあってから、例えばマクドナルドさんに提案に行くときはマクドナルドで食べるとかを決めてました。

今でも可能な限りやってます。C向けの事業をしている会社さんの場合だと、使えるものは使ってから行くみたいなことは意識してやってますね。

そこまでやったぞっていう自信が会話の端々に出ると思うんですよ。例えばデニーズに提案する時、前日にデニーズのパフェを食べたら、それは勝負パンツを履いたことになるわけですよ。

コピー機もそうですけど、そこまで徹底してると、営業力を何倍かにしてるんじゃないかと思って。

ちなみに、ユニクロさんに提案をした時には、全身ユニクロで行きましたよ。ユニクロのスーツを買って行きました。

商談でお客さんがすぐ気づいたんですよ。マネキンが着ているやつを、僕そのまま着て行ったので。ユニクロの方は僕がそれを着てきたっていうことを、いろんな人に言ってました。「目の前にあるマネキンのやつをそのまま着てきた営業がいる」って。めっちゃ喜んでくれた。

柳澤:マネキンのやつなんて、そのシーズンの売り出し中の商品だからわかりますもんね。

杉本:マネキンに着せた商品って、誰が着ても似合うようなものにしてるんですよ。だから私が着てもおかしくならない。

たぶん彼らからすると何回も見てるスーツ。店頭のマネキンのセットで売り上げが変わるから必死で考えた商品のはず。それを着てった時は、やっぱりやってよかったって思いましたよ。

柳澤:それは嬉しいよなー。

杉本:ちなみにそれをやったのは、さっきのLINEのインターン生のプレゼンを見たのがきっかけで、めちゃ効いた。

柳澤:案の定、効いたんだ。そりゃ効くでしょうね。嫌な思いする人いないですからね。

杉本:ハイブランドだときついけどね。ハイブランドのお客さんにそれやったら何十万とかになっちゃうんで。小物で気づいてほしいなってなるけど。

自分がやられたら嬉しいことをやってあげる

柳澤:僕は2C向けのビジネスのお客さんは少ないんで、2Bなんですよね。だから僕が着たりするものを売ってるお客さんじゃない。

そんなお客さんに対して僕がよくやるのは、一回カジュアルに情報交換した後、その会社の方が本を出してたら、何冊か読んで感想を伝えるとか。あとはスタートアップなら会って数週間後に、「この商品のこういうところがすごいです!」みたいな形でSNSで紹介するんです。そうするとすごく喜んでくれるんですよ。

まだPMFしていないスタートアップなら、どの市場の食いつきがいいか探ってる段階。僕は全く売り込むつもりはなくて、その会社がある程度伸びてPMFするまではひたすらギブしようと思ってるんです。そうすると半年後とか1年後ぐらいに、その方から仕事の依頼がくるんです。

最初は目先の売上にならないし、その先もずっと何にもならない可能性だってもちろんあるんですけども。徹底してギブをし続けていると、結果的に仕事に繋がることがよくある。

杉本:それもやっぱりこの人と一緒にやりたい!みたいな思いがあってそうなってるんじゃないですかね。

柳澤:そうですね。自分がされたら嬉しいことや、心が動くことをギブしているといつか自分に返ってくると思います。


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